東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、ちょっと話が1話2話とベトナムで、少し本業とは逸れていたところなんですけども、伝統小売も見てきたということで、それがコロナ前とコロナ後で何か変わったのか、変わったのであれば、どういったところが変わったと感じたのか、少しシェアいただきたいと思うんですけども。
森辺:伝統小売も富裕者の住んでいるようなところの伝統小売から、いわゆる労働者が住んでいるような伝統小売と、いろいろあるわけなんだけども、総じてまだ6割7割しか戻っていないよという状況ですと。やっぱり去年だったかな、ロックダウンしているので、それによる影響が非常に大きかったというところだと思うんだよね。なので、それは1つあるのかなと。
東:うんうん。
森辺:コロナ前に日用品を売っていたようなところが、「日用品売れないから、飲料を売っているよ」と。言ったら、業態変更みたいなね、そんな感じのあれはあったかなというふうには思います。あと、そんな中で久々に伝統小売に行っていて、あらためて僕が再認識したのはね、これは国にもよるんだけども、ホーチミンなんかだと、伝統小売の本来の目的って、今使いたい分だけをいかに買えるかみたいなのがすごく重要なので、いわゆる1個売り、ばら売り、みたいなのがすごく重要だと。日本の企業は、例えば、ガムだったら1つから、飴だったら1個からみたいなね。チュッパチャップスが当時1,000ドンだから5円か、今は2,000ドンで10円ぐらいかな。今、2,000ドンなんだよね。でも、ちょっと前まで1,000ドンだったんだよね。チュッパチャップスをその値段で売っているんですよ。なぜそんな値段で売れるのか。日本で30円ぐらい?あれは40円ぐらい?レジ前に置いてあると思うんだけど、50円ぐらいするかな?
東:はい。
森辺:60円ぐらいしたかな?ちょっと食べないから分からないけど。でも、チュッパチャップスがなぜ1,000ドン、2,000ドンで売れるかというと、サイズが小さいんだよね。だから、ぺろぺろするところの飴のサイズが。
東:大きさが。
森辺:もう極端に小さいです。2回り、3回りぐらい小さいんだよね。だから、小さくすることによって、また、生産をたぶんベトナムでやっているのかな、アジア圏内でやっているのかはちょっと分かりませんけども、生産地とサイズで安くしているというね、まさにこれが伝統小売の適合化の話なわけですよ。一方で、やっぱりベトナムの富裕者エリアだけじゃなくて、労働者エリアも含めてね、いわゆる茶菓子としての需要って非常にでかくて、伝統小売にも300円のお菓子が売っているわけですよ。300円のお菓子って何?と言ったら、デンマークか何かのクッキー。
東:はいはい…。
森辺:とか、あと、ロッテなんかはそこに目を付けて、チョコパイの複数入りを売っているわけ、6個なのか8個なのか分からないけど。誰が買うんですか?と。伝統小売は本来ならば1個売りでしょと一見思うじゃないですか。
東:うん。
森辺:でも、これって、いわゆる家庭での茶菓子、お客さんが来たときに出すみたいな。日本だと、お客さんが来て出すものというのは、やっぱり高島屋か三越の地下に行って、買ってきた高級お菓子を出すみたいなね、もしくはヨックモック出しますみたいな。そういうものじゃないと出したら失礼みたいな感覚があるんだけども。全然、ベトナムでは伝統小売で売っている、ちょっといいお菓子。デンマーク製のカンカンに入ったクッキーですよ。日本だとね、地方の菓子メーカーはまだそれをつくっているんですよ。高いんですよ。なんだけど、そんなものでも伝統小売に意外に行けて。ちょっと名前ね、YouTubeに上げていますけど、日本のね、そういう地方の中小菓子メーカーの商品が並行で回り回って置かれていたりとかね。一番売れているとか言っていたのでね。そんな感じはあったので。やっぱりそういう茶菓子系の市場も再認識したなというのは1つあったかな。なので、2つですよね。自分たちの会社がばら売りに向いているのか、それとも茶菓子系に向いているのか。
東:はいはい。
森辺:そんなところになるのかなと思いましたけどね。
東:ほかには何か。
森辺:ほかに…、別に。
東:売っているものとかも、ちょっと変わったりしてるってことですか?
森辺:いや、売っているものは、だから、さっきの「日用品を売っていたところが売れないから、水を売っているんだよ、私」というね、すねたおばちゃんみたいなのがいたけども。
東:(笑)
森辺:でも、それはもう本当に、店は開けれたんだけど、全然売れないから、もう売れるものを仕入れて売っているわよみたいな、そういう、コロナでね、話で。今の茶菓子の市場というのは別にコロナが云々とかではなくて、ベトナムの伝統小売に久々に行ったときに僕が頭からすっぽり抜けていた認識をもう1回再認識したので、シェアしようと思って今話をしたんだけど。ばら売り、今買える分だけというのが伝統小売の、言ったら存在価値じゃん、1つのね。
東:そうですね。
森辺:なんだけど、真逆の存在価値も、そこにはベトナムの場合はあって。茶菓子、家で客人をふるまうための茶菓子もそこで買うんだよと。だから、そういうものを売るというのも1つありなんですよという、そういう話ですかね。
東:はいはい。では、今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。