森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。「基準値」を持つことの重要性ということで今日は2回目なんですけども…。
前回、なぜ基準値を持つことが重要かという話を、僕はだらだらしちゃったのかな。すみませんね、最近、話が長くてね。基準値を持つということは大変重要ですよと。敵が100だったときに自分たちの競争力は80なのか、70なのか、はたまた40なのか、30なのか、これをしっかり理解していないと、自分たちが短・中・長でどういう戦略をどういうふうに実行していくかということが明確に決まっていかないよねと。なんとなく自分たちはいけてるとか、なんとなく自分たちはいけてないみたいな話だと、なかなか現地のマーケットシェアは上がらないし、前年対比115%やりましょうと、チャレンジ120%やりましょうみたいなことをやっていると、結局、マーケットシェアの戦いではなくて、自分自身の昨年度との戦いになってしまう。これって結局、森全体でどういう戦いができているのかが見えていないので、昨年比どれだけ頑張ったって、結局、どこかで主要競合との戦いをしっかり直視しないと、どこかで淘汰されてしまうので、115%どころか、110%も成長できなくなる、105%も成長できなくなる。そして遂に衰退していくということになってしまうので、常にこの「基準値」を持って、現地のマーケットシェアを意識しながらやっていくことが重要だということをこの間話したと。
じゃあ、どういう「基準値」を持てばいいの?ということなんだけども、主要競合の競争力をいくつかの軸に分けていくと、あまりにもたくさんの軸を見ていかないといけなくなってしまうので、本当に売上に直結する部分というのは、やっぱり僕はチャネル周りの話だと思っています。なぜならば、製品の良し悪しとかっていうのは、チャネルの良し悪しにやっぱりイコールしてくるんですよね。製品が悪い会社でチャネルだけが良いものがずっと維持されているなんていうことはないので、結局、製品が悪いとチャネルも悪いし、製品が良いのにチャネルが悪いなんていうことも逆になくて、これってやっぱり一対になっているので、製品が良ければ、チャネルに参加してくる流通事業者であったり、そういったものも増えてくるわけで、より良いところになってくるわけなので。チャネルを手っ取り早く見るというのが良いですよ。また、日本企業の場合は、製品は良いんだけど、チャネルが弱いという根本的な特徴があるので、チャネルを見ていくと。
主要競合数社と自社のチャネルを比較するんだけども、このときに、じゃあ、チャネルの何を比較すれば良いのかというと、1つがチャネルのストラクチャー、そして、もう1つがそのチャネルの…。チャネルのストラクチャーって何かと言うと、チャネルの全体像ですよね。どういう全体像になっているの?と。何社ディストリビューターがいて、二次店、三次店はどういうふうにいて、どのエリアにどういうふうにチャネルが設置されていて、そして、全体的にどういうストラクチャーを描かれているの?というのをまず可視化しないといけない。このチャネルのストラクチャー上でどういうディストリビューターの組織体制が組まれていて、もしくは直販だったら自社の組織体制が組まれていて、どういういわゆるマネージャーのもと、どういうスタッフがどういうふうに体制をつくられているのかという、何人の体制で、どういう人材スペックの人たちが、どういうジョブディスクリプションで動いているの?ということを可視化する。なぜならば、ストラクチャーがしっかりできていても、そのストラクチャーの中で動くのは組織なので、その組織がどういうふうになっているのか、どういう体制になっているのかということを可視化しないとだめよと。
じゃあ、その組織もどういうふうにマネージメントされているのかによって全然動き方が変わってくる。優秀な組織=人材の集合体の組織も、マネージメント体制がうまく回っていなければパフォーマンスを最大限発揮することはできないわけなので、組織体制とマネージメント体制って、これは一対なんですよね。これがどういうふうになっているのかということを自分たちのそのもの、ストラクチャー、組織体制、マネージメント体制と、主要競合のそれを比較すると、明確に数字で出てくるわけですよね。例えば、分かりやすく言うと、競合はディストリビューターを5社使っているのに自分たちは1社だったと。じゃあ、この5社と1社の、自分たちの商品を担当しているセールスマンの数、競合のA社のほうは1社あたり5人いて5社だから5×5=25人いました。自分たちは1社で5人しかいません。もうこの時点で5対25で競争力が5倍違うわけですよね、単純に人ひとりのパフォーマンスが同じだったとしたら。そのあと組織体制を見ていくと…。ごめんなさい。組織体制で25対5で違うわけ。ディストリビューターが5社で自分たちが1社だから、それがストラクチャーがまず違いますよね。そして、組織体制、向こうは5人いた。自分たちは…。5人いて、それが5社なので25人いました。自分たちは1社で5社だから5人ですと、これが組織体制ですよね。じゃあ、それをどういうふうにマネージメントしているの?と開いたときに、彼らは日々の業務、それから報告の仕組みが非常にシステマチックにできていて、セールスはセールスだけの仕事にしっかりとフォーカスができるようになっていて、いわゆるアシスタント的なものがしっかりとセールスにはついているとか、バックオフィス機能がしっかりしているとか、営業のセールスチームはこういうツールをもって営業しているので非常に効率が良いとか、そういうことを可視化していく。そうなってくると、自分たちの…、敵の競争力というものが分かってくる。100ですと。だった場合に、じゃあ、自分たちはどうなの?と言うと、40だったと。まったく想定していたものよりも、なんとなく敵よりは低いとは思っていたけども、ここまで低いとは思っていなかったみたいなものがしっかりと可視化されていくわけなんですよね。
今日はこれぐらいにして、また続きを次回やりたいと思います。それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。