森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日はね、何の話をしましょうかね。朝から声がかれてて。いや、全然関係ないんですけど、昨日からね、家族が実家に帰っていて、僕も週末合流するんですけど。家に帰っても誰とも話さないと。会社に来ても、うちは自由出社制度にしているので、みんなね、そんなに来ないんですよね。月末とかね、それぞれのペースで来ているので。そうすると、誰ともしゃべらないので、昨日の何時だろうな…。昨日、東ちゃんと打ち合わせ、お客さんのところに行ったので、そのあとだよね、12時から今まで、昼の12時から今まで…。違うわ。昼の3時か。昼の3時から今まで誰ともしゃべってなくて、それでいきなり収録開始ってやったので、声がかれてしまっていてすみません。はい。全然関係ない話。(笑)すみません。
じゃあ、今日は真面目な話をしようかなと思うんですけど。どんな話かなということでちょっと考えているんだけど。まあまあ、コロナもね、だいぶ風邪だという欧米側の認識が日本でも徐々に浸透しつつあって、海外出張も徐々に増えてきたというのが今の状況かなというふうに思います。2年ぶりに海外へ行ったとかね、そういう声をよく聞くので、結構、これから、どんどん、どんどん、また海外にいく機会が増えるのかなと。一方で、オンライン化みたいなもの、このコロナ禍で進んだので、何でもかんでも行くみたいな話よりも、ある程度オンラインで詰めてから、重要なところにバスッと行くという、そういう海外出張に変わっていくんだろうなと。今までだと「取りあえず行こう」みたいな出張も結構あったと思うんですよね。なんですけど、行くからにはやっぱり高いパフォーマンスを上げるということは、たぶんすごく求められてくるので、企業にとっては非常にいいのかなというふうに思っています。
そんな中で、行く側の意識も変わるし、来られる側の意識もやっぱり大きく変わってくるんだろうなと。今までみたいに「取りあえず挨拶しに来ました」みたいな話だと、「えっ」ていう感覚が今まで以上に強くなってくるんじゃないのかなという気がしています。かつても、やっぱり日本企業のプレゼンスが低下してもう20年30年という中で、昔なら、とにかく目的がよく分からないけど、日本企業が行くと言ったらもうウェルカムの熱烈歓迎だった中国・ASEAN市場ですが、今では「何しに来るの?」と、「どうせ、いろいろ聞いて話進まないでしょう」みたいな、そういう認識があると。NATOに代表されるようなね、No Action, Talk Onlyみたいな、それだと時間ないからみたいな扱いを結構されるというふうに聞くし。僕らもやっぱりお客さんを連れていくときに、「目的は何ですか」ということはやっぱり明確にしていかないと、なかなかアポイントメントが取れないというのは経験しているし。それが結構、今後さらにそういう状況になるんだろうなと。行く側も気を付ける必要があるし、来られる側も目的は何なのかということと、あと、会うということはね、会うということは何かを決めるということに、たぶん直結していくんだと思うんですよね。会うまでにいろんな前段階の準備がオンラインで低コストでできるわけですから、お金をかけてわざわざ会うということは、やっぱりそこでジャッジメントしていくという、決断をしていくというね、日本企業が一番不得意としている部分が今まで以上に求められる世界に、この2022年後半、2023年、2024年、2025年とずっとなっていくと思います。そうなってきたときに、やっぱり日本側の心得として、相手企業に行ったときにやっぱり目的を明確にするということと、特に僕のクライアントは製造業が多いので、会いに行くとなると、やっぱりディストリビューターと会うということが多いわけですよね。ほとんどがディストリビューター、もしくは同業種の、事業提携なんかで同業種と会うということはもちろんありますけども、ディストリビューターです。
過去やっぱり多かったのが、ディストリビューターに対して会社概要を永遠と語るというお客さんが非常に多くて。「自分たちはこれだけ歴史があって、これだけ従業員がたくさんいて、これだけ売上があって、こんなに品質に対して高い意識を持って、こんなに良い製品をつくっているんです。日本ではこんなに実績があるんです」みたいなことを永遠と語るんですよね。9割がそこで、残りの1割が「ASEAN市場で事業したい」という、そういう話なんだけども。正直それは逆である必要があって、これはコロナ云々の前から逆であって。自分たちがやってきたことなんていうのは見たら分かるし、別にわざわざ当人が説明しなくても、ディストリビューターも調べますから、そんな部分ってもう1割以下でいいんですよね。それよりも、そのディストリビューターと一緒にどんなことを実現したいのかということをやっぱりしっかり語っていかないといけない。それはまず1つ、理念があって、その理念に基づいて目的がやっぱりしっかりあって、その目的を達成するために目標があって、その目標を達成するために手法がある、戦略があるみたいな。会社概要じゃなくて、戦略をしっかり語るということをやる。そして、何を相手に求めているのかということを明確にするということをしていかないと、今まででも「何しに来るの?」という状況だったので、これからはさらにそうなっていくんじゃないかなというふうに思うので、そこはしっかり意識をしていかないといけない。もう売ることを、行為自体はディストリビューターに任せたらいいんですよね、物理的な行為は。ただ、どういうふうに売るかという構想、つまりは戦略を相手に委ねるというのは、なかなか現地シェアを獲りに行くという戦いにはやっぱり入れない、輸出を増やすみたいな発想でとどまってしまうので、そこは特にこれから意識をしていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。
欧米のね、先進的なグローバル企業は、やっぱりまさに言う通り、自分たちの実績のことなんて語らないというか、勝手に調べてくださいという話で、すべては戦略を語る、自分たちがどういう思いで、何を実現したくて、相手には何を求めているのか、それで、Yesなのか、Noなのか、ということを求めていくので、非常に明確ですよね。どういうベネフィットが相手にあるのか、取引条件はどうなのかという具体的なことをどんどん、どんどん、詰めていくので、日本の多くの企業のように、「自分たちはつくる人なので、売ることはお任せします」と、「お宅の会社は大きいし、知名度もあるので、ぜひお願いしたい」みたいな、そういう話ではなくて、「私たちはこうやって売っていこうと思っている。なので、この部分を担ってほしい」という、自分たち主導のマーケティングカンパニーというか、そういう傾向がやっぱり先進的なグローバル企業と言われるところは多くあるので、日本企業もやっぱりそこはしっかり見習っていかないといけないんじゃないかなというふうに思います。
すみません。長い話になっちゃいましたけども、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。