森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、前回の続きのお話かな、今日で最後ですよね。
「強固な販売チャネル構築に必要な3つのこと」ということで、シリーズでずっと話していて、第1章で「成功の5割を握るのはディストリビューターの選定ですよ」というお話をさせていただいたと。駄目な相手といくらやっても結果は駄目だし、ディストリビューターの選定というのは本当に重要ですよと。1度ディストリビューターと契約締結したら、実際には最低でも3年、長ければそれ以上やっぱり足を引っ張られることになるので、途中で駄目だと気付いても、気付いたときにサッとお別れができるかと言うとなかなかそうではないので、決めるのが非常に重要だと。ここで5割が決まってしまうと。そもそも「誰と」売るか、これがまさにディストリビューター選びですけど、「誰と」売るかよりも「誰に」売るかのほうが圧倒的に重要で、この「誰に」売るかということが明確に決まっていれば、「誰と」売るか、「誰と」売るべきなのかということが決まってくると。なぜならば、その売りたい相手に売れる相手と売るべきだからというお話をしたのがこの第1章で。第2章が「成功の8割は締結前に何を決めたかで決まりますよ」という、つまりは5割から8割まで、プラス3割の確率を上げるためには締結前に何を握ったかと。それは1つは目標金額を握るということは絶対的に重要で、共通の目標金額で走らないといけないというのが、これは1つ当たり前としてあって。なんだけども、その目標金額を実現する組織体制とその組織が実施する内容って何ですかということを明確に合意をしないといけない。なぜならば、目標を達成するのは組織であって、どれぐらいの数と質で強い組織なのかということと、じゃあ、強い組織でも、その組織が何を実施するかによって結果が変わってくるわけなので、どういうルーティンをやるからこの目標金額もしくは目標数値に行くんだということになってくるわけですよね。なので、ここをしっかりと決めましょうというお話をさせてもらっていて。契約書上のテクニカルなお話も確か何回かに分けてやったんですかね。今日、最後が、「実際に締結をしました」ということで残り10割まで行くのか、それともさらにその先伸びしろが伸びていくのかというのは、締結後のアクションで変わっていきますよということのお話になります。ちょっと前置きが長かったですけども、そういうお話を今日はしていきます。
結論から先に言うと、締結後にいかにディストリビューターを管理育成するかということがすごく重要で、多くの日本のメーカーはディストリビューターと契約したら、そこまでで全てが終わったという錯覚に陥って、基本的にはその後定期訪問で終わっていくんですよね。結果指標の報告を得るだけなので、売ることに関してはほぼディストリビューターに任せきりになると。そして、今期どうですか、来期どうですかという結果指標の報告を受けるという状態に陥ってしまう。こういう状況になると、1年目駄目でも「まあまあ初年度だからしょうがない。来年度に向けてちょっと頑張ってもらおう」ということで次年度を見てみて、次年度、当然2年目なので1年目よりは多少は進歩するんですけど、結局2年目も目標未達と。「でも、まあ、まだ2年目だから、じゃあ、次3年目」ということで、3年という時間が一瞬で過ぎてしまって、3年ぐらい経ったぐらいから「あれあれ?」と思いだして、少しずつディストリビューターの不満を言うようになってきて4年目に入り、5年目に入りというふうになってきて。これぐらいのタイミングでだいたい日本の企業の大手の人事の担当替えで前任から後任に引き継がれる。このディストリビューターが駄目だと、替えなきゃいけないという、前任が持っていた確信が後任にまでしっかり伝わりきらないので、後任は当然、「そうは言ったけど、まず1年は様子を見よう」ということで様子を見て、また1年というふうに繰り返し永遠に続いてしまうわけなんですよね。そして、なかなかディストリビューターの切り替わりができないというようなことになってしまうので、本当に締結をする前と、締結した直後が、ディストリビューターとの関係の中で最も重要と言ってもいいかもしれないですよね。勝ちパターンの型のところまで行くまでに、始まっても実際に想定通りに売上がガンガン伸びていかないと、まだ型にはまっていないわけですから、やっぱり型にはめるというところまでは一気に持っていかないとなかなかそのあと苦しい。ずっとそのディストリビューターとの何十年という関係を考えたときに、とにかく早期に型にはめていくということがすごく重要なので、この締結のあとの管理育成が本当に重要で、これをまずやらなきゃいけないんですよという概念をしっかり理解をする、考え方をしっかり理解するということはまず重要かなというふうに思います。多くの場合は、「基本、自分たちはつくる人で売るのはディストリビューターなんだから、任せておけばいいでしょうと」いう話で始まっていくので、しっかり管理をしていかないといけないんですよと。
「じゃあ、何を管理をすればいいの?」というところをお話すると、締結前に決めておいてくださいねと前回お話しましたけど、その締結前に決めたことが締結後にしっかり守られているかということを管理していかないといけないんですよね。これをしっかり管理していかない限り、新興国のディストリビューターの場合、やっぱりうまくいくというのは万に1つなので、確率がやっぱりここでまたガクンと下がってしまう、せっかく8割まで持っていったのがガーンと下がってしまうので、絶対にこの管理育成はしっかりやっていかないといけない。
ちょっと今日もまた話し過ぎてしまったので、次回この管理育成の続きをお話したいと思います。今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。