森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日はね、何の話をしようかなと思って。なかなかネタも尽きてくるんですけどね、あんまりくだらない話をすると皆さんに嫌がられちゃうんじゃないかと心配をしながら、この間、ダウンロード数というか、アクセス数ですかね、この番組を聞いてくださっている方の数の報告を受けて、「ああ、聞いてくださっているんだな」と思いながら、「あまりしょうもない話をしても駄目だな」ということを思いながら、今日もしょうもない話をしてしまうかもしれませんけども、お付き合いいただければと思います。
これね、番組一貫して、始めてもう10年ぐらいになるんですけどね、あの当時から特に何か決めてやっているというよりかは、本当にその場のアドリブでやっていて、東とずっと2人でやってきてましたけど。去年ぐらいから1人Podcastになっちゃいましたけど、たまに東も出ますけどもね。今日も、今、彼はベトナムに行っているのかな、その前はタンザニアに…、タンザニアじゃない、ナイロビに行ってたのかな。それで今日も1人Podcastなんですけどね。
今日は何の話をしようかと考えていて、今、書いている本の話をしようと。僕もね、お客さんの社長さんがベトナムに行っていたので「行く」というふうに言っていたんだけど、「いや、森辺さんは早く本を書き上げてください」と、「本来ならば去年の8月に編集者に出すと言っていたのがまだ書けていません」というふうに怒られてしまって、それで出張に行かずに本を書いているという、そんな状態なんですけど。日々の業務をしながらこの本を書くというのもなかなか大変で。これもね、何だろうな、正味たぶん1カ月ぐらいで本って書いているんですよね。なんですけど、神が降りてくる瞬間というのがあって、ガーッと降りてくるとガガガガガガッと筆が進むんですけど、何カ月もね、降りてこないんですよね。それで別のことをやっちゃったりしていて。今、ASEAN6の販売チャネルに関する本、またこれはマニアックでね、買う層が限定的な感じがしますけども、そんな本を書いていて。今ね、5章までいっているのでね、6章ぐらいまでの本になる予定なので、まあまあ、もう今月、今、2月ですけど、今月か来月の上旬には書き上げて、編集者に出して、編集作業してみたいな、今年中には出版かなと。
あと、もっと面白い本をね、次ちょっとアイデアがあって書きたいなと、もっとね、ASEANのチャネル構築とかマニアックじゃなくて、少し一般的なマーケティングに寄せたような、なおかつ海外みたいなね、もう少し一般の人が読んでも楽しめるグローバル・マーケティングの本を書きたくて。それ、実は2~3章ぐらいまで書いて途中で置いていて、東から「そんな本は置いて、まずはASEAN6のチャネル戦略の本を書いてください」と言って怒られて、その本はちょっと今置いて、3章まで書いたところで置いてあって、こっちの本を書いているんですけど。
そんなのでね、モノを書くっていうのは非常に大変で。こうして時間をかけているとね、1章で書いていたトーンと4章5章ぐらいで書いていたトーンが違っていたりとかね、「あれ?これ1章で書いたっけ?」とかね、「2章で書いたっけ?」みたいのが分からなくなってきて、もううわーってなっちゃうので結構大変なんですよ。僕の本って、小説とかじゃないし、いわゆる解説書というか、ハウツーを書いているわけじゃないですか。だから、図なんかもつくっていかないといけない。まあまあ、それは別にいいんですけどもね。そんなことをしていますよと。
僕ね、実は本を読むのが本当に苦手で、人生で本をそんなにたくさん読んできていなくて。今まで2回ぐらいすごく本を読んだ時期っていうのがあって、1つは大学の後半ぐらいのときかな、前半だったかな…。前半だな。大学の前半で、電車が長かったんですよね、2時間ぐらいドアツードアでかけて大学に行ってたんですけど、途中でね、母親がね、父親に頼んで無理して1人暮らしさせてもらって、今思うとね、「うわー、あの家賃払うの大変だっただろうな」と思ってね、申し訳ないなと思いながら、ちょっと嫌な気持ちになるんですけどね。その1人暮らしする前までのときに、よく電車の中で本を読んで、なんかね、取り憑かれたかのように経済誌を読んでいたんですよ。フォーブスとかね、ニューズウィークとかね、それが面白くてすごい読んでいて、というのが1つですね。そのときに具体的に、もう大学卒業して、僕は何か事業をやりたいなみたいな、そんなことがかなり固まってきて、大学の間に中国を見に行ったりとかね、新興国市場を視察しに行って、どの国で事業をしようかなみたいなことを考え始めるきっかけになったんですけどね、それがまず1回ですよね。
2回目は、2002年に最初の会社、SDIという会社を創業したときですね。そのときに、最初はその会社って、いわゆるプロキュアメントの事業から始まったんですよ。2003年ぐらいからマーケティング、リサーチの事業をやり始めたんですけど、いわゆる調達代行みたいなことを最初やっていて、中国の安い労働力を使って、良い工場をわれわれが探してきて、「そこでOEM生産しませんか。いわゆるごたごたした業務を全部請け負いますよ。アウトソーシングします、請け負いますよ」みたいな事業から始まったんですよね。それは正直、中国の知識とかっていうことでもないじゃないですか。言ったらどれだけ工場を見て歩いて回って、いい工場を見つけて、そこに張りついて品質管理するかみたいなね、当時、悪かろう安かろうだったので、そういう仕事が結構流行っていたというか、ニーズがあったんですよね。そんなことをしている中で、中国市場のほうが大きくなってきて、「これはマーケットではないか」と、「生産拠点よりもマーケットの魅力のほうが大きいよ」ということをね、いろんな人と話す中で気付かせてもらって、それでまた中国にいる日本企業の駐在員の人たちが意外に中を見ていないということに気付いたんですね。基本的にはそこでつくって日本に戻すということばっかりをやっていたので、中国市場の魅力みたいなところには、言ったら無頓着だったと。何も知らなかったと。1年目の僕のほうがちょっと勉強したら分かっているじゃんみたいな、そんな状態だったので、とにかく世の中で出版されている中国ビジネス絡みの本をめちゃめちゃ読んだんですよね。アジアビジネス絡みの本をめちゃめちゃ読んで。それで、読んだ知識が、中国に住んでいましたから、当時ね、実際に目の前で起こっていて、「こういうことか」みたいな、経済成長11%、12%、こういうことか、半年で自分の住んでいる周りの風景が変わるっていうのが経済成長GDP11%とか12%ぐらい成長していたので、「12%成長ってこういうことなんだ」っていうね、身を持って。「12%成長しています」と言われても、数字で言われてもなんかいまいち、「それってどれぐらいなの?」というね、「身長が伸びました、2センチ」とかって言うと、息子の成長、身長が伸びたと言ったら、「おーっ」と測って、見ているから分かるけども、「経済成長12%」とかって言われてもよく分からないんですけど、実際にね、当時、中国に住んでいて、周りの風景が変わるってびっくりして、「あれ、ここはどこだっけ?」みたいな、それぐらい変わるんですよね。だから、そういう意味ではすごくあれで、そのタイミングでめちゃめちゃ本を読んだというのが2回目のタイミングだったのかな。もう9分も話しちゃっているけど、いいですかね、このまま続けちゃって。
実はね、僕の母親はめちゃめちゃ読書が好きで、もう僕が知っている限り1日1冊とかのペースで本当に読んでいるんじゃないかな。ありとあらゆる本を読みまくっていて。小説なのかな、ちょっと何の本を読んでいるか分からないけども。自分でも文章を書いたりするんだけども。好きな作家さんがいて、宮本輝と言ったかな、好きで、その本を何回も何回も読んだりしているんですけど。とにかく読書が好きだと。僕にはその読書の才能がなかなか遺伝しなかったので、本を読むのがあれですと。なんかね、タイミングがあって、1回読むとググググッとくるんですけどね、なんかね、本当に好きな本ってね、実際の経営者の人生を書いた、その人の失敗みたいなのを書いたような本がすごい好きで、『熔ける』とかっていう本をもうかじりつくように読みましたね、僕ね。王子製紙でしたっけ、王子製紙じゃない、大王製紙のほうですね。大王製紙の井川さん、社長さん、たまに最近、YouTubeで出てくるんですけど、面白いですよね、あの人ね。あの人の百何十億か何かカジノで摩るという、「えっ、どういうこと?」と思ってかじりつくように読んで、ハラハラしながら、「賭けた」みたいなのを生々しく書いてあるんですけど、あの本は本当に1時間2時間ぐらいでパッと読んじゃったという。あと、昔、もう最近は読んでいないですけど、昔は、昔の起業家ってね、もう名前は忘れちゃいましたけど、板倉さんと言ったかな、起業家がいたんですよ。そういう時代の、ちょうど2000年代ぐらいにピークで失敗をしていったみたいな。だから、ガーッとのぼって失敗をした人の本とかすごい好きで、そういうのは読むんですけど、それ以外の本ってなかなか読まなくてね。
本を読まないと、やっぱり本を書くっていうのはすごい難しいじゃないですか。なので、表現とかって。本を書くって、知識がいくらあっても、それを流れるように読めないとやっぱり駄目なんですよね。詰まってしまう、読んでいるときに流れるように読ますことができない本っていうのはやっぱり駄目で。学会論文ではないし、自分の賢さをひけらかすような場でもないと僕は思っているので、どんな人でも流れるように、このつまらない、非常にマニアックなニッチな内容を読んでもらえるようにということを心掛けているんだけど、なかなか難しくてね。でも、もうあとちょっとなので一気に書き上げていきたいと思いますので、また出版されたら皆さんぜひ、読まなくていいので買ってください。
今日はこれぐらいにしたいと思います。長くなっちゃいました、すみません。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。