森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、前回のインドネシア、その前がベトナムかな、に続いてVIPのP、フィリピンの小売市場についてお話をしていきたいと思います。1回で終わらないと思うので、何回かに分けてちょっとお話をしていきたいなというふうに思いますが…。
ASEANで一番小売市場が大きいのはインドネシアで41.2兆円というお話をしました。次がベトナムで21.3兆円、フィリピンが20.9兆円ということで、フィリピンは3番目に大きい市場ということでございます。このフィリピンなんですが、小売市場の一番の特徴、VIPの小売市場の特徴って、伝統小売が存在していますよというお話なわけで、その比率が、このVIPの中では一番近代小売比率が高くて、ユーロモニターのデータをベースに弊社で推計した数値で言うと、27%ぐらいが近代小売で、73%が伝統小売ですよと。じゃあ、その伝統小売の数はどれぐらいあるの?と言うと、80万店ぐらい、おおよそありますよと。
実はコロナ禍でASEANで、VIPで最も政府の支援を受けた伝統小売ってフィリピンなんですよね。一部のメディアの報道だと、このコロナ禍で伝統小売の数が増えたという、そういうデータもあって、非常にフィリピンは手厚い支援策が政府、行政からあったという、そんな背景がありますよと。当然ですよね、80万店もあれば、基本的にその80万店にぶらさがっている家族を考えると、平均で3人~4人としても、その80万店の店舗の収益で生活をしている人たち、相当な人数になるわけなので、行政としてはそういった中小事業者を支援するというのは、日本でも同じだと思いますけど、当然ながらそういう傾向になると。伝統小売が、そう、ありますよと。
一方で、じゃあ、近代小売はどういう感じなんですかと言うと、非常に強いのがピュアゴールド、それからシューマートと言う人もまだいると思いますけどもSM、それからロビンソンズとかっていうのがフィリピンの3大小売ですよね。もうここの上位3つは圧倒的に強くて、あんまり変わりません。SMがちょっと上に上がったり、下に下がったり、ピュアゴールドが上にいったりとかっていう、そういうのはありますけども、基本的にはもうこの3番と。今、実際にはピュアゴールドがたぶん売上的には一番大きいんじゃないかなというふうに思いますけども、SM、ロビンソンズと。あと、ガイサノなんていうのも結構大きいので、皆さん、フィリピンに行ったことある方は目にしたことある人もいるんじゃないかなというふうに思いますけど。
コンビニは、セブンイレブンがまず3,250店舗ぐらいあって一番多いですよね。アルファマート、インドネシアのアルファマートが1,200店舗ぐらい進出してきていて、これもここ5年10年ぐらいの話なので、一気に店舗を伸ばしていった、10年ないですね、ここ5年ぐらいの話なので、一気に店舗を伸ばしていったというのがアルファマート。そして、ミニストップが456店舗ある。あと、フィリピンって英語とタガログ語をしゃべるわけですけども、ASEANの中で最も英語、シンガポールの次と言うべきか、シンガポールと同等と言うべきか、あれですけど、英語をしゃべるクリスチャンの国ですよね。なので、結構、情報源がアメリカ中心になっていて、歴史的な背景もありますけども、アメリカがやっぱりファーストチョイスとしては入ってくるので、アメリカを見ている傾向が非常に強い。その中で、ガソリンスタンド併設型のコンビニエンスストアみたいのもやっぱり多くて2,400店舗ぐらいある。シェルセレクトが1,073店舗だったかな、あって。2,435店舗あるのがトリートというガソリンスタンド併設型のコンビニと言うんですかね、コンビニだよね、がありますよと。あと、忘れてはいけないのがマーキュリードラッグ、ドラッグストアのチェーンなんですけど、1,200店舗ぐらいあって、これはだいたいね、ほとんどの店舗、半分ぐらいコンビニになっているんですよね。なので、こんなところが非常に強いというのが1つです。
今日は時間が来てしまったので、今回はこれぐらいにして。実はこのフィリピンは財閥の強い国なので、財閥がどういうふうに小売に関連しているかという話を含めて次回お話をしていきたいなというふうに思います。今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。