森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、シンガポールの次なので、マレーシアの小売市場についてお話をしていきたいなというふうに思います。
このシリーズもね、VIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンをやって、今、SMT、シンガポール、マレーシア、タイのシンガポールが終わって、今日からMのマレーシアに入るということでお話をしていきたいなというふうに思います。まず、マレーシアの小売市場規模、2022年最新の小売市場規模というのは、ユーロモニターとか各国政府の発表データをもとにすると、おおよそ12.8兆円ぐらいの規模であるということでございます。これは1ドル136円で換算しているんですけど、おおよそ12.8兆円で。マレーシアはね、僕も非常に、シンガポールに住んでいたときお隣の国だったので、車で父に連れられて、ジョホールから抜けてクアラルンプールまでね、パーム畑の一本道をずっと走っていったなんていうことがちょっと思い出としてあって。当時まだ山賊が出るんじゃないかみたいなね、その当時、1980年代後半とか1990年代前半ぐらいだったと思うんですけど、そのちょっと前ぐらいにはその辺のマレーシアのジョホールからクアラルンプールまでのパームツリー、パーム畑が両脇にバーッと広がった一本道があるんですけど、あの辺で山賊が出ると、襲われるなんて言ってましたけどね、僕、子どもながらに襲われたらどうしようなんて想像しながら、夜寝れなくてね、怖い思いをして車で行ったいい思い出がありますけど。
当時ね、1990年だったとしてGDPを見ていくと、440億ドルぐらいだったんですよね、マレーシアのGDPは。今、3,647億米ドルありますから10倍近い、GDPも10倍近い成長をしているわけですよね。この30年で10倍近い成長をしているということで、その通りだろうなというのはね、これ、今のマレーシアを見たらね、非常によく分かる。当時を、30年前を知っているので、そうだろうな、10倍、経済規模が10倍になるってこういうことなのかというのはすごく感覚として僕は分かるんですよね。例えば首都のクアラルンプール、当時ね、もっともっとジャングル比率が高いというか、結構シンガポールって、もう本当に近代都市で、今でも近代都市ですけど、当時も近代都市だったんですよね、ASEANの近代国家という。クアラルンプールはやっぱりまだ田舎で、もっとジャングル比率が高いと言ったらあれだけども、高層ビルも今みたいな感じじゃなくて、もっとシンガポールをだいぶだいぶだいぶ小さく田舎にしたような、そんな感じだったんですよね。今はもうまったく違う。クアラルンプールだけ見たらもうまったくの近代国家だし、マレーシア全体でも底上げされているし。ちなみに、マレーシアの1人あたりのGDP、これは別にクアラルンプールの首都だけじゃなくて、全体でね、全体で見ても1990年当時は2,442ドルだったのが、今は1万1,414ドルになっているということで、これも5倍に成長しているわけですよね。全体で平均でならしてですから、これはクアラルンプールだけ見たら、何万ドルというね、1万ドルなんかでは済まないので、これだけ上がっていると。
でもね、これも本当によく分かるなと思って、昔、1980年代とか90年代って、マレー人がシンガポールに出稼ぎに来ていたんですよ、肉体労働をしに。だから、マレー人というのは、ビルをつくる人とか、道路工事する人みたいな、そういう印象が非常に強かったんですよね、僕ね、当時。なんですけど、今はマレーシア国内でもマレー人は肉体労働をやらないですもんね。ミャンマーとかバングラデシュとかね、そういうところから出稼ぎ労働者が来て肉体労働をしていますから、マレー人ってこんなに変わったのだなというのはね。マレー人も、中華系のマレー人は昔からビジネスのフィールドで活躍していましたけど、僕がここで肉体労働していたというイメージを持っているというのは、マレー系マレー人ですよね。その人たちは道路工事とか道路をつくっている人、ビルをつくる人みたいな、そんなイメージがあって、結構、近所の工事現場のマレー人と仲良くしゃべっていた、そんな思い出がありますけど。そんなあれで、ロックミュージックが好きで、いつもオレンジ色のくしを後ろのポケットに差しているという。オレンジのくしを差して、頭べとべとにポマードでくっついていたらマレー人みたいなね。中高ぐらいのときに僕のマレー人の印象はそんな感じだったんですけどね。そんな感じで非常に国としても大きく成長していると。もう変わったと、この30年で大きく変わったというのがマレーシアですよと。
時間が来ちゃったのでね、今日は一回これで切りますけど、また次回ね、引き続きマレーシアの小売市場のお話をしていきたいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。