森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日も引き続き、マレーシアの小売市場についてお話をしていきたいと思いますが…。
前回ね、ASEAN6を1つの国と捉えてASEAN6経済圏で展開を一緒に同時に並行的にやっていくことは重要ですよという話をしましたけどもね、近隣諸国への人・モノ・金・情報の流れが非常に多くて波及効果もあるわけですよね。マレーシアって、やっぱり他のASEAN諸国から見ると進んでいる国というイメージがある、シンガポールと同様の位置付けになりつつあって。年間どれぐらいの観光客が、じゃあ、マレーシアに来ているの?と言うとね、2,580万人も来ているんですよね。もちろん全員が全員、首都クアラルンプールを訪れているのではなくて、ジョホールバルとか、マラッカとか、ペナンとか、コタキナバルなんて観光地が分散されているので、そういうところに来ているわけですけども、それだけ多くの人がやっぱり来ていますよと。だから、定住人口の3,350万人と合わせると、5,200万人規模の市場がマレーシア全体ではありますよということが1つですよね。なので、マレーシアは非常に面白い国であると。
ちょっとね、前回、小売の説明を簡単にしかしていなかったと思うので、今日はマレーシアの主要トップ5の小売の話を少ししたいなと思うんですけど。ロータスがね、一番大きいと。もともとはね、テスコブランドで展開していて、タイの以前この番組でもお話したと思いますけど、CPね、チャロン・ポカパン、CPグループ、面白いですよね。いつも僕、CP、CPと言っているといいんですけど、CPの略を思い出すと、チャロン・ポカパンってなんか発音かわいいな、タイ語って相変わらずかわいいなと思っちゃうんだけど…。すみません、余談を。CPグループと、イギリスのスーパーマーケットチェーンのテスコのジョイントベンチャーとして1998年に設立されたという。その後、テスコロータスというブランドを経て、2021年にCPグループがね、テスコから東南アジア事業を全部買収したんですよね。それでロータスとして新たに再出発しているというのが経緯です。今ね、62店舗ほど展開していて、マレーシアで最も主要な小売になっているということでございます。
2番手がイオンで。イオンもね、店舗数が一番多いのがたぶんマレーシアなんですよね。イオンモール、それから、イオンショッピングセンター、イオンストア、イオンマックスバリュー、イオンウェルネス、それからダイソーの5つのブランドで展開していて、総店舗数は170店舗に及ぶので、これはあれですね、ちょっとテスコよりも大きいのかな、これ。主要な小売の1つであることはもう間違いないので。ちょっとね、ごめんなさい、売上もね、これ、どこまで含めるかというのもこれまた難しいんですよね。なんですけど、この2つがやっぱり圧倒的に頭が出て大きいですよと。イオンはやっぱりすごいですよね。ベトナムもそうだし、これからもASEAN圏内のイオンの将来性というのはやっぱり大きいのではないかなというふうに思いますけどね。それが1つですと。
3番手のジャイアント、これは香港系の小売大手の前もどこかの国で話しましたけど、デイリーファームインターナショナルが運営する小売で、現在、ジャイアントブランドで77店舗のスーパーマーケットを展開していて。あと、ミニマートでね、ジャイアントミニというのがあるんですけど、それは12店舗ぐらいやっていて。パンデミック後はね、やっぱりどこもそうなんだけど、ミニマートの需要がすごく大きくて、ミニマートの出店に力を入れていて。今まで大型店のスーパーマーケットの展開をやってきたんですけど、パンデミック後はね、やっぱりミニマートなんですよね。店舗の奥まで入らなくていい、人がいっぱいいない、パッと行ってパッと買えるというね。わざわざ車に乗っていくみたいなね、そういう買い物スタイルから、近くにパッと行ってパッと買うみたいな、そういうミニマート形態がやっぱりどこの国も伸びていて、ジャイアントのミニが結構目立って伸びていたかなという感じですね。
4番目。エコンセーブキャッシュ&キャリーですね。これは1955年にね、もともとはセランゴール州のポートクランという町でね、雑貨屋として始まったというのが起源だと、この会社のホームページに書いていましたね。現在、マレーシア全土で100店舗ぐらい展開しているわけなんですけどね、とにかく安いというイメージが強いスーパーで、地元の中間層に愛されていると、安いですよという感じですね。
あと、最後がザ・ストア。ザ・ストアはね、マレーシアでたぶん最古のスーパーなんですよね。1968年にペナンでオープンして、現在はザ・ストアブランドが49店舗展開していて、パシフィック・ハイパーマーケットおよびデパートメントストアのブランドで、ハイパーマーケットは9店舗ぐらいあるんですよね。長いんですけど、パシフィック・ハイパーマーケット&デパートメントストアと書いてあるんですけどね、これで9店舗ぐらいやっていて。あと、2005年にグループに加わっているミリメワ・スーパーマーケットが17店舗ぐらいあるので、全体で80店舗ぐらいやっているという、そんな規模ですよね。1994年にブルサマレーシアに上場していて、結構ね、小売で上場しているところが多いんですよ、ASEANはね。資金調達して店舗を開けてみたいなね、そんな感じでやっているところですかね。
スーパーはこれぐらいで、あと、次回はコンビニのお話をしてマレーシアは一旦終わりにしたいなというふうに思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。