森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は何の話をしようかなと思って、全然考えずにまたこのレコーダーのスイッチを入れて収録をしているわけなんですけども…。
最近ね、東京にいると、非常に観光客が増えたなということを、この1~2カ月の中でですかね、非所によく感じます。どこへ行っても外国人が非常に増えたと。中でも白人、白人系が結構目立って多くなっているなという気がします。別にね、新宿とか浅草とか観光客が行きそうなところ、銀座とか、そういうところだけじゃなくて、かなり最近日本に来る観光客って、いろいろガイドブックでニッチなマニアックな所をだいぶ知っているみたいで、結構週末に僕が好きで家族で行くランチをとる、本当にローカルなレストランに外国の人が行列をなしていたりとかして、なかなか大変なあれになってきたなと。銀座辺りでラーメン屋ひとつ入るのも結構大変で、外国人がたぶんガイドブックを読んで並んでいるので、非常に増えてきたなと。都内でもね、マリオカートと言うんですかね、スーパーマリオの映画が大ヒットしたということで、マリオカートなんかもまた走り始めて、よく3年間、あの会社つぶれないであれしていたなと、休眠していたのかもしれませんけど、都内を10台ぐらいのマリオカートが車列をなして走る姿も見られるようになって、だいぶコロナから復活してきたなという雰囲気を東京は感じています。
そんな中で今、2つ話したいなということがあって、スーパーマリオの映画が世界的に大ブームでとてつもない興行収入だという、歴代第1位とかなんですよね。あらためてスーパーマリオの凄さというか、クリエイティビティというか、あれって日本の会社がつくったんだよなということをあらためて…。映画は違いますよ。映画はニンテンドーとアメリカの制作会社と一緒になってやったみたいですけど、スーパーマリオというゲーム自体をね、あの時代に、僕も小学生だったと思うんですけど、母親が誕生日か何かにファミリーコンピュータ、今でも覚えていますけど、1万4,000円ぐらいだったと思うんですよね、当時ね。高いなと思っていたんですけど、買ってくれないかなと思っていたんですけど、スーパーマリオとファミリーコンピュータを買ってくれて、まだ持っている人も少なかったから、うちの家に友達が毎日来てね、スーパーマリオをやったという、そんな思い出があります。今でも覚えているんですけどね、当時、小さな団地に住んでいてね、テレビの前にこたつみたいのが置いてあって、その横にファミコンの機械を置いてね、カセットをフーッとやって埃をとるみたいなことをやってガシャッと入れて、4~5人でああでもない、こうでもない言いながらスーパーマリオをやっていたという時代だったと思いますけど。
ふと思ったんですけどね、日本企業がここ30年イノベーションを起こせていないみたいなね、品質を極限まで高めることはよかったんだけども、結局ゲームが変わってしまっている中でイノベーションがなかなか生み出せないという中で、あの時代ってすごかったよなと。インベーダーゲームとか、いまいちよく分からないアナログっぽいゲームね、テトリスとかね。テトリスは今でも流行っていますけど、何だろう、ボールが落ちてくるのをピンポンピンってはじき返すようなゲームとか、まあまあ、言ったらああいうレベルのゲーム感、二次元のゲームと言ったらいいんですかね、そこに三次元なのか、四次元、五次元とも言っていいかもしれない、スーパーマリオブラザーズみたいなゲームを日本の会社のクリエイターがつくり出してね、ファミリーコンピュータみたいな、まさにその名の通り、家庭でみんながお茶の間に集まって楽しめるゲーム機を発売するみたいな、こんなイノベーションすごいよなとか思って。ソニーのウォークマンもそうですけど、昔、僕、小学生ぐらいのときに、黒人の筋肉ムキムキの人がでっかいラジカセを肩にかついで音楽を聴きながらマイアミビーチを歩くみたいな、そんなのが音楽を外で聴くスタイルだったんですよね。今でもアフリカなんかへ行くと大きなスピーカーを抱えて音楽を聴いているような人がいますけど、取りあえずでかいラジカセをかついで音楽を聴くみたいなね、そんな世界に、音楽を持ち歩くという、ウォークマンみたいなものを世に出したという、本当にすごいイノベーションだったんだなということをすごく感じて。
そこから30年、じわじわと衰退していくわけですけど、その要因が何なのかも分かっていますけど、言ったらイノベーションのジレンマに陥っているわけなんですよね。イノベーションのジレンマというのは、一旦あることで成功してしまうと、そこが非常に重要なポイントになるので、そこにしがみついて、次の新しいイノベーションに進めないという、まさに俊平太が言う「イノベーションのジレンマ」というところに日本企業は陥っていて。でも、スーパーマリオの映画を見て、あらためてあの時代の日本ってすごかったなと。もう1度あの時代の日本に立ち返ると、このイノベーションのジレンマから日本企業って抜け出せるんじゃないかなというようなことをぼんやりと考えておりました。
今日も話が長くなりましたので、これぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。