森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日のお話は、モノの価値についてちょっとお話したいなと思っています。モノの価値ってどうやって決まっていくんだろうと。ここってマーケティングにおいてもものすごく重要で、ターゲティングと同じぐらいに、モノの価値というのは、自分たちが売るモノの価値というのはすごく重要で、そのことについてちょっと雑談をしたいなというふうに思うんですけど。
皆さん、モノの価値って何で決まるとお考えですかね。ブランド力とか、品質とか、機能が整っているとか、信頼がおける会社がつくっているとか、手間がかかっているとか、いろんなたぶん要素があると思うんですけど。基本的に、モノの価値は全て需給で決まるということなんですよね。需給というのは需要と供給。需要に対して供給がどうか。供給が少なければモノの価値は上がっていくし、需要に対して供給が多ければモノの価値というのは下がっていく。なので、基本的に品質とか、ブランドとか、機能とか、その他いろんなあれがありますけど、基本は需給なんですよね。いかにブランディングだって、機能だって、品質だって、いわゆる需要を高めるためにやる行為なので、基本的には重要なのはどうやって需要を高めるかということで。じゃあ、その需要を高める方法が本当に品質を磨くことなんですか、本当に機能を磨くことなんですか、本当にそういうブランディングで正しいんですか、それがまさに需要を高める方法であって。なので、重要なのは、これら品質や機能やブランドや何とかって、いろんな要素ではなくて、もっと大きく見たときに、需給を考えないといけないと。需要を高めていく方法、それに対して供給をしていくわけなので。供給だって、インダストリーによって、どういうふうに供給するかによって、モノの価値はコントロールできるわけなので、基本的にはここの需給の話って、やっぱりすごくマーケティング上、重要であると。
何かをさせたい、ホームセンターで使うね、いわゆるDIYの用品って、DIYの用品がどうやって売れるのかというのは、DIYの用品の品質や、値段を安くしたりとか、品質を高めたり、いろんなバラエティを揃えたりとかっていうことももちろんなんだけど、それよりもDIYをやろうという人が増えるということのほうがすごく重要で、それが増えるとDIY用品は売れるわけですよね。このコロナ禍でもすごく需給の話ってすごく勉強になったなと。この3年間、僕はいろんなところで需給の関係で儲かった企業、儲からなかった企業というのを見てね、この需給ってあらためて本当にマーケティングにとって重要だよなと。このコロナ禍でガーデニング用品がものすごく売れたと。じゃあ、ガーデニング用品がなぜ売れたかというのを考えたときにね、ガーデニングメーカーは、じゃあ、価格を落としたのかと、いや、そんなことしていませんと。品質を上げたんですか、そんなこともしていませんと。機能を上げたんですか、それもしていませんと。ブランディングに投資したんですか、プロモーションしたんですか、いえいえ、何もしていませんと。単純に需要が上がったわけですよね。それはコロナというものが偶然に起きて、外に出れなくなったことによって自分たちの安全なお庭でガーデニングをするという需要がボーンとできたわけなんですけど。これをラッキーでつくり上げる需要と、戦略的につくり上げる需要というのがあって、マーケティングってまさにどうやって需要を戦略的につくり上げるかというところが本当に重要で。そのことをね、僕はこの3年間でいろんなシーンで見たので、その話をちょっと皆さんにしたくて、今日はさせていただいたという次第でございます。
それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。