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第15回P&G、ネスレに見る戦略の共通点

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過去2回に渡り欧米企業とローカルメジャー企業のチャネル戦略の特徴について解説してきました。アジア市場で高いマーケットシェアを獲得している彼らには、3つの共通点があります。この3つの共通点のポイントについて解説していきます。

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みなさんこんにちは。スパイダーの森辺です。
過去何回かにわたり、欧米ローカルメジャーに学ぶチャネル戦略の話をしてまいりました。今日 は、この現地で高いマーケットシェアを獲得している欧米ローカルメジャーの3つの共通点についてお話ししたいと思います。

まず 1つ目の共通点、これはアジア新興国戦略の真髄が中間層獲得からぶれないということです。ユニリーバ、ネスレ、P&Gといった欧米の先進グローバル企業も、今では十分日本の消費財メーカーの脅威にまで成長してきたアジアの地場の消費財メーカーも戦略の軸が中間層獲得から絶対にぶれない。多くの日本企業は頭では中間層獲得が重要だということは理解しつつも、どうしても日本の消費者と所得が近しいアジア新興国の富裕層から攻めたがる。そして徐々に中間層に入るんだという意思は持ちつつも、最初の段階から中間層をターゲットにしていないので、なかなか中間層に売ることができずに、結果として現地で高いシェアをあげられない。そんな消費財メーカーは少なくありません。
2つ目 。2つ目は、彼らは中間層獲得のための強固なディストリビューションネットワークを構築している。つまり、アジア新興国の最大の魅力は中間層である。中間層が購買をする接点を持つ店舗というのは、もちろん近代小売もあるが、数十万数百万ある伝統小売が非常に重要になってくる。そしてこの数十万数百万存在する伝統小売を多くの日本消費財が行っているような、1カ国1代理店制度では物理的に配荷できない。到達できない。結果として、中間層の獲得ができない。ただ、欧米の先進グローバル企業や、ローカルの消費財メーカーはこの中間層獲得するために非常に重要な伝統小売を抑えるために複数のディストリビューターをネットワーク化して、それをディストリビューションネットワークとして保有しているというのが2つ目のポイント。
そして 3つ目のポイント。これは、現地法人がないのであれば、近代小売も当然ながらディストリビューターを使うということになるのですが、多くの日本企業は現地法人がありながらも、近代小売もディストリビューターを使っている。それによって、近代小売とのコミュニケーションがまず不足する。近代小売は数が限られているにもかかわらず、ディストリビューターを活用することで、確かに労力は楽だがその分余計なマージンを払うので、価格競争力が持てない。そういった結果になっています。
欧米の先進グローバル消費財メーカーも、地場のローカルの消費財メーカーも例外なく現地法人がある会社は近代小売は必ず直販をしている。近代小売を現地法人があるのにディストリビューターを使っているのは、1社の例外もない。

つまり 、成功している欧米の先進グローバル消費財メーカーや、今では日本企業の十分な脅威とまで成長した、アジアの地場の消費財メーカーには本社に確固たる戦略を持っている。本社が確固たる戦略を持っている。したがって現地法人があり、とにかく駐在員を送り込み走りながら考えろ。気合と根性でなんとかしろということは一切ない。
全て が確固たる戦略をベースにチャネル構築が行われ、チャネル戦略が実行されている。ここが日系と現地で成功している、欧米ローカルメジャーとの大きな違いです。
私たちも東京の本社がいかに確固たるチャネル戦略を持つかということが重要になってくるのです。

それではみなさん、また次回お会いしましょう。