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第17回 グローバル市場で黒字化する為に

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テキスト版

アジア新興国の最大の特徴は伝統小売が優勢であるということです。つまり、伝統小売の店舗数を増やさない限りシェアを上げることはできません。今回はそのチャネルを構築する方法を、ステップに分け解説していきます。

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みなさんこんにちは。
スパイダーの森辺です。
今日はアジア新興国におけるチャネル構築のステップについてお話しします。
まず、最初に申し上げたいのは、アジア 新興国の最大の特徴は伝統小売が優勢であるということです。この伝統小売の間口のカバレッジを増やさない限り、消費財メーカーは現地で黒字化したり、現地で高いマーケットシェアを上げることができません。現在多くの日本の消費財メーカーがアジア 新興国で苦しんでいる要因の1つはこのチャネル構築のステップを理解していないからです。
今日はアジア新興国におけるチャネル構築のステップについて一緒に学んでいきましょう。

まず、アジア新興国におけるチャネル構築のステップは大きく分けて3つしか存在しません。まず ステップ1。これは間口の拡大です。間口とは小売店舗、1店舗を1間口と呼んでいます。この間口の拡大がまずステップ1としてあって、ステップ 2に今度は店頭シェアの拡大。獲得した間口、1間口あたりの店頭シェアをいかに拡大していくか。つまりは、いかにたくさんの伝統小売の店舗のカバレッジを増やすか。というのがステップ1に来て、ステップ 2でその獲得した店舗の1店舗あたりの売り上げをいかに拡大していくか。このステップ1、ステップ2が非常に重要な消費財メーカーにとってのマーケットシェアを上げるための活動です。そして ステップ3に来て初めて収益の拡大ということを考える必要があります。従いまして消費財メーカーが設定すべきKPIはステップ1では徹底して獲得間口数、いかに1日あたり伝統小売を何店舗獲得できたか。これをデイリー、少なくともウィークリーで追っていく。獲得間 口数にKPIを設定する。そしてステップ2では獲得した間口の店頭シェア、つまり は1店舗あたりの売り上げどうなったかということをデイリーで追っていく。これが店頭シェア。ここを数百店から数千店レベルで回せるようになれば1つのルーチンが出来上がります。そのルーチンが出来上がった段階で一気にこの作業を同時並行的にスピードを上げて伸ばしていく。つまりはステップ1,2,3でこの黒字のゾーンに出ていく。この図解の説明ですが、オレンジが赤字です。青が黒字です。で、横軸が間口のカバレッジで縦軸が店頭シェアになりますから、10店舗の間口のカバレッジでは1店舗あたり1000個、2000個売ったって黒字化しない。ですから、当然1万個2万個3万個という間口のカバレッジを取って行って、大体1日あたりの日販の平均販売数というのがどの商品にも存在するので、全体 のカバレッジが平均してその日販数に到達して初めて黒字に突き抜ける。したがってこのラインまでは間口のカバレッジを伸ばさないと物理的に黒字化できない。いか にこの限界線まで間口のカバレッジを伸ばしつつ、1店舗あたりの売り上げを上げるか。
こういう風には進まないので、いかに間口のカバレッジを広げながら1店舗あたりの販売数、シェアを伸ばし黒字に突き抜けるか。ということが大切になります。

今日 はアジア新興国におけるチャネル構築のステップを学びました。ポイントは獲得間口数と店頭シェアです。
それではみなさんまた次回お会いいたしましょう。