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第185回 ASEAN市場 導入機から成長期に移行するために必要なこと

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、消費財メーカーがアジア新興国市場の地で導入期からいかに成長期に移行できるのか、移行するためには何が必要なのかということについてお話をしていきたいと思います。

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では早速、本題のほうに入りたいんですが、消費財メーカー、ここで言う消費財メーカーとは、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカー、FMCG及びその周辺の消費財メーカーが新興国市場に参入をして、当然、事業というのは導入期から、この図の通り、導入期から成長期に移行して、成長期から成熟期に入って衰退をしていくという中で、新たな事業なり新たな製品なりをどんどん、どんどん、出していくというのが一般的なパターンですよね。その中で、多くの消費財メーカーが、導入期、参入をした当初は導入期なので、導入期から5年経っても7年経ってもなかなか成長期に入れないと、この導入期からグーッとカーブが成長期に上がってくるところに入れないという企業が決して少なくはないと。その要因についてのお話と、じゃあ、成長期に入るためには何が必要なんですかというお話をしたいなというふうに思います。

まず、結論からお話をしますと、必要なのは、自社のセールス体制とディストリビューション・ネットワークなんですね。つまりは、チャネル力を強化しないと、アジア新興国では絶対に成長期には入れないと。なぜチャネル力を強化をしないと入れないのかということなんですが、ここが非常に重要になってくるんですけども。結局、成長期に入れない企業というのは、必ず法則があって、ストアカバレッジが低いと、これが絶対的な法則。ストアカバレッジが低くて、さらに、横軸がストアカバレッジですね。ストアカバレッジって、この図では間口と書いていますけども。すみません。定義合わせしましょう。森辺が間口とかストアカバレッジと言ったら、これイコールです。いわゆる自分たちの商品が置かれている店舗数のことを間口と言います。この店舗のことを間口というふうに僕は呼んでいて。ストアカバレッジというのは、その名の通り、ストアのカバレッジなので、ストアカバレッジ。これはいわゆる自分たちの商品がどれぐらいのストアに入っているかということ。横軸ですね。常に横軸。セルインとかって、僕、言ったりもするかもしれませんけど、お店にセルインすると。売れたらセルアウトですよね。セルアウトする。今度、縦軸がインストアマーケットシェアとかセルアウト。横軸が、ストアカバレッジ、間口、セルインというふうに呼びますけども。気分によってどういう単語を使うか、なかなか違ったりするので、あれなんだけども。ストアカバレッジとインストアマーケットシェア。インストアマーケットシェアというのは、例えば、この小売店舗の売上が、例えば、1日100万円だったとします。100万円のうちの、カテゴリーがいろいろあるわけですよね。チョコのカテゴリー、アイスのカテゴリー、クッキーのカテゴリー、ビスケットのカテゴリー、クッキーとビスケット、一緒か…。ポテトチップスのカテゴリー、何とかのカテゴリーと。その中で、いわゆるチョコレートのメーカーというのは、別にスナックと競合するわけじゃないですよね。チョコレートと競合するわけなんですよね。そうすると、100万円のうちの10万円がチョコレートの売上ですと。そうすると、この10万円を5社で分けていたら、どれだけ自分がたくさんシェアを獲るかということがインストアマーケットシェアで、100万円のうちの10万円がチョコですと。チョコを5社で分けていると平均2万円なんだけども、いかに3万獲るか、いかに4万獲るかというのがインストアマーケットシェア。そうすると、いかにたくさんのストアカバレッジを獲って、いかにたくさんの縦軸、インストアマーケットシェアを獲っていくかということが重要で。ストアカバレッジが高いのにインストアマーケットシェアが低いということは、現実的にはあり得ないんです。なぜならば、ストアカバレッジが高くて売れないもの、いわゆるたくさん店に置いたんだけど売れなかったら、どんどん、どんどん、店から淘汰されていくわけですよね。店から棚落ちしていくと。棚いくらって棚代取るわけですから、新興国の棚というのは。そうすると、小売店にとっては、売れないものを置いておく暇なんてないわけですよね。なので、売れないものというのは必然的にストアカバレッジが低くなってきますので、ストアカバレッジが高く維持されていて売れていないなんていうことはあり得ないわけなんですよね。そうすると、成長期になぜ入れないかと言ったら、圧倒的にストアカバレッジが足りていないんですよね。アジア新興国の最大の特徴は伝統小売ですと。圧倒的に伝統小売が近代小売よりも多い。例えば、1:9とか、2:8で伝統小売のほうが多いわけですよね。ベトナム、最も近代小売が少ないASEANの国ですけども、ASEAN6の中で最も近代小売が少ない。たかだか、たった2,000店舗しかない、近代小売が。一方で、伝統小売50万店。ASEANで最も近代小売が多い国でも、インドネシアですけども3万5,000店。うち3万店はアルファマートとインドマレットの、この2社のコンビニなので、その他othersで5,000店舗しかない。一方で、伝統小売300万店存在するという中で、近代小売しか置けていない。もしくは、近代小売の中でも日系の近代小売とか、ローカル系でも、ローカル系の近代小売の輸入品棚にしか置けていないみたいな会社、メーカー、FMCGのメーカーだと、ストアカバレッジが足りなさ過ぎちゃって、これだけのストアカバレッジじゃどれだけインストアマーケットシェアを上げても、どれだけセルアウトを上げても、正直儲からないので、成長期には入っていけないというのはもう当たり前なんですよね。そうすると、いかに伝統小売まで含めたストアカバレッジをあげるかということがすごく重要で。もちろん、ストアカバレッジを上げても、インストアマーケットシェアが上がらなかったら、ストアカバレッジは下がってきちゃいますので、物理的にチャネルの力でストアカバレッジを上げるということと、同時に置いたものが売れるという、セルアウトできるという施策を同時に展開をしないといけないということなんですが、それが全然できていませんよねと。それを、じゃあ、どうやって実現するんですかというのが最初に申し上げたチャネル力の強化なんですよね。自社のセールス体制をしっかり強化をする。ディストリビューターだけでやるというところもあるんでしょうけど、基本的には先進的なグローバル消費財メーカーは、MTは自社のセールスの体制をきっちり構築して自社でやっていますと。一方で、手間のかかるTTに関しては、ディストリビューション・ネットワークを構築して、ディストリビューション・ネットワークによったストアカバレッジの拡大を行っているので、この2つをしっかりやっていかないと永遠に伸びないと。

多くの日本の消費財メーカーは理由なき1カ国1ディストリビューターみたいなことをやっていたりとか、あと、なかなか、導入期だからまずは近代小売なんだと。そのうち伝統小売をやると言って、なかなか伝統小売に入れずに、結局いつまで経っても導入期なんていうメーカーというのは非常に多くて。時間が経って、4年5年、参入から4~5年経つと、当時の導入期、参入をした担当者というのは日本に帰任になりますから、そこからまた新しい人が、引継ぎはあったとしても、またゼロリセットでやっていって、また3年4年そこにいて、7年経ってもまだ導入期と。また今度、2陣が帰って3陣。今度10年目、はい、また、まだ導入期みたいな、こんな状態が長く続いているというのが、日本の消費財メーカー、これ、少なくないというのが今の現状で。これをしっかり変えていかないといけない。アジア新興国最大の魅力は30億の中間層で、FMCGであれば、中間層を狙うような商材を売っている企業であれば、ストアカバレッジをしっかり伸ばして、そのためには自社のセールスとディストリビューション・ネットワークをしっかり構築して、チャネル力を強化するということが重要になってくると思います。

それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。