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第233回 海外事業 – 成功している企業が必ずやっていること(R-STP-MM)

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、海外事業 - 成功している企業が必ずやっていることということでお話をしていきたいと思います。海外事業と言うと、主に海外に売りに行くのか、海外につくりに行くのかということで2つ大きく存在するわけですが、私の専門はグローバルマーケティングなので、海外に売りに行くということを前提に今日はお話をしていきたいと思います。

海外事業に成功している企業が必ずやっていることということで、じゃあ、これをやれば、海外事業を皆さんも必ず成功するのかと言うと、そんな単純な話ではないので、そんな無責任なことは申し上げませんが。ただ、少なからず、失敗している企業は確実にこれをやっていないので、もし今日お話することを皆さんがしっかりとやれれば、失敗をするリスクというのは大きく軽減することができると思います。それでは、今日は一緒に、海外事業を成功している企業が必ずやっていることを学んでいきましょう。

結論から先に申し上げると、成功する企業は何をやっているのかということなんですが、スライドを出してください。マーケティングの基本プロセス、R-STP-MM、必ずこれをやっています。マーケティングに関するリテラシーの高い方は、R-STP-MMと言ったらすぐにパッと、ピンとくるんだと思うんですけども、なかなか、何のことだ?という方も多いと思うので、少し説明をしていきたいと思いますが。

次のスライドをお願いします。マーケティングの基本プロセスということで、このR-STP-MMというものがマーケティングの基本プロセスなんですよね。Rというのはリサーチの略で、STPというのがセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの略、そしてMMというのはマーケティングミックスの略ですけど、別名4Pというふうにも言われますが、4つのPですね、プロダクト、プライス、プレイス、プロモーションの4つのPということで、カタカナがいっぱい出てきて、もうこの時点でうわーっという感じになってしまうんですが。私も実際そうでした。結局、実業をやっている中で、こういったマーケティングの基本プロセスみたいなフレームワークに無理くり実業を当てはめていくことの難しさ、いろいろなフレームワークがあるんですけど、なんか無理くり感があって、現実世界ではそんなフレームワークできっちり当てはまらないから、そんなものにはなかなか収まらないんだというふうなことを思っていた時期もだいぶありますし。いちいちカタカナで面倒臭いという、言っている意味がよく分からないというふうに感じていたこともありますが。

このマーケティングってすごくよく考えられているもので、フレームワーク。特にこのマーケティングの基本プロセスっていろんなフレームワークがあるんですけど、結局最後ここに集約されるんですよね。成功している企業の成功要因、全部紐解いていくと、このRもSTPもMMも完全なまでに最適化されている。逆に、失敗している企業、何百社って僕、失敗の要因を過去分析してきましたけど、やっぱりこのRをやっていなかったからこんな単純なことで失敗をしてしまったり、STPのターゲティングが非常にあやふやだったから失敗をしていたり、特に多いのがこのMM、4Pの中に潜んでいるというのが非常に多いんですけど。私の専門でもあるプレイス、チャネル戦略ですよね、ここが日本企業が非常にB2Cの企業もB2Bの企業も弱いというのがあるんですが。だいたいここに潜んでいるので、やっぱりここはカタカナいっぱい出てきても避けては通れないところなのかなと。
じゃあ、このカタカナをいちいち理解をしても、これは頭にスッと入ってこないので、ちょっと解釈を僕なりに付けてみたので、次のスライドをお願いしたいんですが。結局、このR-STP-MMってこういうことを言っているんですよね。Rから順番にやっていくんですけど。海外事業をいざやろうとなったときに、どんな市場なの?ということと、どんな敵がそこにいるの?ということをやっぱりまず理解しないといけない。これは、どんな市場?というのは、それこそ、どういう商習慣、どういう文化、どういう歴史背景、どういう法規制がある、どういう消費者がいる市場なんですかということを理解をしないといけない。経済規模がどれぐらい、平たく言うと、どれぐらい儲かる市場なのかということをマクロ的な観点から調べていくというのがこのRのマクロ環境分析なんですよね。

マクロ環境分析自体は、ネットでパッとたたいてもらったら、どういう項目を調べたらいいのかいっぱい出てきます。今、私が申し上げたようなことがバーッと出てくるので。結局まとめると、ぶっちゃけ、どんな市場なのよと、どれぐらい儲かるのよというのがマクロ環境分析。そういう観点で捉えると、あまりリサーチ、リサーチになり過ぎないというか、どれぐらいの事業をやりたいのかによって、リサーチの濃淡って変わってくるので、数十億円やりたいのにそんなにグーッと根詰めて調べる必要もないし、何千億円とやるとなれば非常に深いリサーチをしっかりしていかないといけないですけども。そこはある程度の範囲で、どれぐらいをやりたいのかによって濃淡は変えていったらいいんですけど。ぶっちゃけ、どんな市場なの?ということをまず学んでいく。

儲かる市場であればあるほど、そこには必ず強い敵がいるわけですよね。どんな敵がそこにいるんですか。A社、B社、C社、D社がいます。それぞれ、どれぐらいの競争力なんですかということをしっかり見ていかないと、いざリングに上がったはいいけども、自分はライト級なのに、ヘビー級の選手がそこにいたら殴られてノックアウトで済まないわけですよね、ヘビー級の選手とライト級の選手が戦ったらね、下手したら命を落とすかもしれないわけなので。どんな敵がいるんですかということをしっかり見ていく。そこに今申し上げた、自分が上がったら、実際何が起こりそうなの?自分は勝てるんですか?儲かるんですか?敵に勝てるんですか?勝てないまでも2番手3番手で稼ぐことができるんですか?これがSWOT分析なわけですよね。
ここまでのRというのは、海外事業を始める前に完了させておくべきことで、これをしっかりやらないで、とにかく法人立てて人を送ってドワーッと出て、なかなか成果が出ない。けど、大企業の場合、余裕があるから赤字でも5年も6年も7年も事業を続けていられるよというケースもあれば、中小企業の場合はもう撤退だという企業もあるわけで。このRがきっちりやられないでドーンと出てしまったというケースが非常に多いというのが1つですね。
次にSTP。STPというのは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの略ですけど。どんな層に実際売ったらいいんですか?というのがセグメントですよね。例えば、B2Bなんかでも、自分たちの顧客、部品をつくっていたら、自分たちの顧客は自動車インダストリーにもいれば、通信機器のインダストリーにもいるし、何とかのインダストリーにもいるので、これがまさにセグメントですよね、いくつかのセグメントがある。B2Cであっても、例えば、富裕層のセグメント、中間層のセグメント、貧困層のセグメントという分け方もあるし、オンラインで買う消費者のセグメント、オフラインで買う消費者のセグメント、オフラインでもスーパーで買うセグメント、コンビニで買うセグメント、いろいろセグメントがあるわけで。まずざっくり自分のいわゆる販売をする層をセグメントするということが、どんな層に売ったらいいのかということをまずやるのがセグメンテーション。
その中でも、具体的にどこを狙うの?というのがターゲティングで。例えば、B2Bだったら通信事業を狙います。B2Cだったら中間層を狙います。中間層の中でもこの都市に住んでいる、もしくはこのエリアに住んでいる人とか、20代女性で独身の人とか、そうやってターゲットをどんどん、どんどん、しぼめていくわけですよね。B2Bでも、売上が年間何百億円以上の会社とか、もしくはどこどこは何々産業で何々をつくっている会社とか、より具体的に具体的にしていくわけですよね。具体的にしたものがターゲティング。その中でも具体的にどこを狙うのかということですよね。

そのターゲットに対して自分たちの立ち位置はどうあるべきなの?というのが、まさにポジショニングで。いや、自分たちは安い商品を売っているというポジショニングなんだよなのか、いやいや、高級ブランディングで行くんですよなのか、そういう自分たちの立ち位置ですよね、ポジショニング。だいたいの場合、日本のポジショニングと海外のポジショニングを変えるって、かなりおかしなことになるので、ポジショニング自体はやっぱり日本で確固たるポジショニングがあるので、それを海外に行っても引き継いでいくというのが非常に重要で。ポジショニングは変えないけど、その他をローカライズしていくということが必要なので、ポジショニングはほとんど変わらないと思います。これがSTP。

MMというのは、プロダクト、プライス、プレイス、プロモーションなんですけど、結局、現地のB2Cだったら中間層をターゲットに設定したわけですよね。何が求められているの?彼らはいくらだったら賄えるの?どこだったら彼らにとって買いやすいの?近代小売、伝統小売、どこですか?どうしたら彼らはほかの競合の商品よりも頻度を高く手に取って選んでくれるんですか?その仕掛けの方法は何ですか?ということを追求していくのがプロモーションだし、B2Bでも一緒ですよね。この国のこのインダストリーのこういう具体的なターゲットはどういう機能の製品を求めているんだ?彼らは相場がいくらだったら、これを毎年毎年購入してくれるんだ?どういうふうに売ったらいいの?直販、それともディストリビューター経由?ディストリビューターも具体的にどこ?みたいなのがプレイスだし。どうしたら、じゃあ、彼らにその選択肢を得てもらえるんですか?ということを追求しているのがB2Bのプロモーションだし、こういうことをやっていくのがR-STP-MMなわけですけども。

これもまたちょっと機会を見て、詳しく深掘って、R、STP、MM、それぞれ深掘っていきたいと思いますが、基本的にはこういうことなんですよね。マクロ環境分析、ミクロ環境分析、SWOT分析、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング、それからプロダクト、プライス、プレイス、プロモーションと、非常にカタカナが多いけども、結局訳すとこういうことで、非常にシンプルで必ず成功する企業はここが最適化されている。ターゲットが明確だし、ターゲットが何を求めていて、ターゲットはいくらだったら賄えて、ターゲットはどこだったら買いやすくて、ターゲットはどうしたら選んでくれるのかということがもう完璧なまでに分かっているので、戦略が非常にカッチリしている。また、Rをしっかりやっているので、こんな単純なことで失敗したのかというミスを侵さないというのも1つ特徴だと思います。皆さんもぜひこのR-STP-MMに当てはめて海外事業をやってみてはいかがでしょうか。

それでは今日はこれぐらいにして、皆さんまた次回お会いいたしましょう。