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第257回 チャネルの時代に必要なマーケティング

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「チャネルの時代に必要なマーケティング」ということでお話をしていきたいと思います。

前回、輸出型チャネルビジネスが非常に重要ですよというお話をしました。日本企業が従来行ってきた輸出型の輸出ビジネス、いわゆる港から港のビジネス、これをもうやめないといけない。今はグローバル競争はチャネルの時代に突入しています。チャネルの時代とは何なのかと言うと、たとえビジネスモデルとしては輸出であったとしても、自分たちの商品が相手の国の港に着いてから、どういう中間流通を通じて、どういう小売に、どういうふうに並べられて、どういう消費者がそれを手に取って、何を思ってリピートしているのか、否かということを熟知して行うビジネスをチャネルビジネスというふうに言っている。このチャネルビジネスを行わないと、ただ単に出荷をしているだけ、ただ単にFOB Japanで出荷をして、後のことは知りません。ただ単に日本の問屋に販売して、並行輸入されて後のことは知りません。このビジネスではもうグローバルのビジネスでもこれは何でもないですし、グローバル市場のシェアが伸びる、売上が伸びるなんていうことはあり得ない。競争環境、市場環境は劇的にこの30年で変わっている中で、メーカーは、製造業はチャネルビジネスを行わないといけない。このチャネルビジネスを行うということは、やっぱりマーケティングがすごい重要で。なぜならば、自分たちの商品が相手の国のインポーターを通じて、中間流通、ディストリビューターですね、ディストリビューター1次、2次を通じて小売、小売もMT、TT、伝統小売、近代小売、いっぱいあります。そういったところを通じて、どういう消費者、中間層ですね、アジア新興国の場合、中間層が何を思って、それを手に取って、リピートしているのか、こういうことを理解するということはまさにマーケティングで。

この時代に必要なマーケティングってどういうマーケティングかと言うと、日本で理解されているマーケティングとやっぱりちょっと違うんですよね。日本で理解されているマーケティングというのは、どちらかと言うと、非常に狭い意味で捉えられがちで、販売促進が中心になってくる。特にB2Bなんかはマーケティング必要ないでしょうという概念がまだまだ根強くて、B2Cの対消費者に対する、いわゆる川下の販売促進をマーケティングというふうに捉えられがちです。ただ、一方でグローバルになると、その国に合った商品が何なんだ、その国の人たちが賄えるプライスって何なんだろう、0からの消費者獲得だし、0からのチャネル構築だし、こういったことを、言ったら、広く捉えてマーケティング、マーケティングをもっと広く捉えないといけない。これがまさにグローバル・マーケティングと国内でやっているドメスティック・マーケティングの非常に大きな違いなわけで、これをやっぱり実行していかないといけない。

先進的グローバル企業、アジア新興国市場で成功している先進的なグローバル企業は1社の例外もなく、このチャネルビジネスをしっかりと実施をしているし、チャネルビジネスに必要なマーケティングをしっかりと実行しているということがございますので、日本企業もチャネルビジネスに移行して、そして、グローバル・マーケティングをしっかりとやっていく。消費者に対する販売促進が中心なマーケティングではなくて、もっと広い意味でマーケティングを捉えていくということが大変重要になってまいります。

それでは皆さん、今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。