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第301回 主要競合のマネジメント体制の可視化

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続きお話をしていきたいと思います。

今日のお話は、主要競合の「組織のマネジメント体制の可視化」ということでお話をしていきたいと思います。前回、主要競合の組織の可視化ということをお話したんですが、今回はその組織を主要競合がどのようにマネジメントして今の高いシェアであったり売上を達成しているのかということを見ていくというお話です。対象は、いつも通り製造業、B2B、B2C問いません。そして、対象エリアは新興国全般というふうにしていきたいと思います。

早速なんですが、高いシェアを上げている企業というのは必ず非常に素晴らしい組織体制がしっかりと構築されていて、そして、その組織体制をうまくマネジメントしているんですよね。その差異が自分たちの組織や自分たちの組織のマネジメント方法とどれぐらい開いているのかということをしっかり可視化していく。それができると自分たちには何が足りていて何が足りていないのかということが明確になる。そして、その足りていないことを補うということが、先進的ないわゆる自分たちよりも先にいっている企業へのキャッチアップの唯一の方法なわけですよね。そこにウルトラCはないですし、必殺技もない。自分たちの今のレベルをしっかりと見極める。そして、競合と比較することによって自分たちに足りないものは何なのかをあぶり出す。そして、そこを埋めていくということをやっぱりしていかないと、マーケットシェアの差は埋まっていかない。とくに先進的なグローバル企業は、新興国市場で非常になるほどなと言えるような組織をつくっているし、そしてその組織体制のマネジメントが非常にうまい。この組織体制のマネジメントってディストリビューターのマネジメントも含みのお話ですけども、非常になるほどなと納得のできるような体制になっているので、実際にそれがどういうふうになっているのか、ということをちょっと見ていきたいと思います。

スライドをお願いします。この図の通りなんですが、高いパフォーマンスをあげるためには、組織体制がまず非常に重要です。過去この番組でも先進的なグローバル企業と日本企業の組織体制を比較して、それぞれカバレッジの違いを見て、なぜ日本のメーカーは自分たちの商品を置けているお店のカバレッジが低いのかということを組織体制別に見ていきましたけども。もっと掘り下げて見ていくと、やっぱり先進的な企業、グローバルな企業は組織体制が非常に明確で、現地で基本的には先進的に現地で活動していますから、現地法人があるということがありきなわけでございますが、その組織体制が、1つ競合A社、B社、C社、D社と書いてありますけども、これはすべてがA社~D社までが先進グローバル企業というふうに仮定したときに、やっぱり非常に優秀な統括部長を採用している。

日本企業の場合、この統括部長というのが「日本語ができる」ということの条件が必須である企業がまだ少なくない。かつてはもうほぼ9割がた、日本語ができないとこの統括部長の座にはこれなかった。もしくは、そもそもこの統括部長が日本人です、日本から来た駐在員です。結局、その駐在員のナレッジによって組織がつくられていますから、それは外資の先進的なグローバル企業というのはもう完全に統括部長の座というのはローカルの優秀な人材を採用していますから、日本語ができるという条件付きにしてしまった時点で、もう優秀な人材の確保なんていうのは難しいわけですよね。

なので、まずリーダーが優秀であるということが絶対条件なので、リーダーを比較したときに、組織の一番重要なパーツというのはリーダーですから、リーダーがどうなのかということをまず見るということが必要で。自分たちの組織のリーダーと主要競合のリーダーのスキルセットやマインドセットのレベルってどれぐらい違うのかということをまず把握しないといけない。

なかなかやりたくない部分なんですよね、これはね。そのリーダーが10人とかのエリアマネージャーがしっかりとした組織にはいて、それぞれに担当エリアがあって、そのエリア内で複数のディストリビューターを先進的なグローバル企業というのは使っていますから、それぞれのエリアに複数のディストリビューターがいてエリアをマネジメントしますから、エリアのマネージャーのこの10人は自分たちのエリアの業績で自分たちのボーナスであったりインセンティブが決まってくるので、そのエリアにいるディストリビューターを含めて管理をしていく。そもそも、なるほどなと、たとえばB2Cの消費財で言ったら、10万間口、20万間口、ストアカバレッジが10万、20万獲れているというような企業というのは、なるほどこれは獲れる組織に物理的になっているよねと。エリアマネージャーが3人ぐらいしかいなくて10万間口獲れって、物理的に不可能なわけですよね。ディストリビューターも1社しかなくて10万間口獲れって、物理的に不可能なわけですよね。そういう物理的な不可能が先進的なグローバル企業の組織にはないと。

日本の新興国の組織を見ると、もう物理的にこれは10万、20万の間口を獲るなんて無理じゃん、物理的に10%、20%のシェアを獲るなんて無理じゃんという組織体制が出来上がっている。すぐにそんな大きな組織をつくれということを言っているのではなくて、組織というのは徐々に大きくしていく必要がありますから、じゃあ、ロードマップがあるのかとか、10年後の組織体制のあるべき姿を描いた上でゴールからの逆算で今の組織があるのかということを見ると、なかなかそうはできていないというのが1つ大きな要因としてあります。
皆さんから見て右のほうのマネジメント体制のほうの図ですけども、競合A社、B社、C社、D社も現地法人とディストリビューターがいたときに、競合のセールススーパーバイザーが1日に何をやるかということが明確に決まっているんですよね。ディストリビューターには新規店の獲得と既存店のフォローみたいなことをやらせているんですが、それがしっかりとディストリビューターの会社の中にメーカーの席がしっかり設置されていて、そこに毎日出勤をして、そして日々セールススーパーバイザーはディストリビューターに課しているKPIがしっかり行われているかということを確認をずっと一緒にしていくわけなんですよね。

ディストリビューターに任せて丸投げで、「あとはお願いします」でうまくいくわけなくて。多くの日本の企業の失敗要因というのは、ディストリビューターを決めて、そのディストリビューターにお願いをして、そしてブラックボックスにされて彼らがどこに何をどう売っているかというのは全くメーカーには見せない状態がつくられてしまっている。これはうまくいっているときはいいんですよね。ディストリビューターさん、ありがとうございます。ただ、うまくいかなくなったときに、どこに要因がどうあるのかということが全く見えないというのは、これは日本のメーカーの課題で。そして、それが不満となり、何年か経ってどんどん、どんどん、悪くなっていくわけですね。それが不満となって、どうしたらいいのか、どうすべきなのか、ということが議論されるようになっていくわけなんですが。

ディストリビューターとメーカーなんていうのは利害が一致する部分と一致しない部分があって、ディストリビューターにとってのスイートスポットというのが必ずあるんですね。ある一定の売上までくると、ディストリビューターは華僑の一族企業ですから、自分たちがいかに豊かになるかということが最大のプライオリティ。成長よりも自分たちがどう潤うかということが最大のプライオリティだとすると、彼らにとってのスイートスポットというのがあって、たとえば20億とか30億みたいなところのレンジがスイートスポットになってくると、これ以上やろうと思うと人は採用しないといけない、新たに営業活動をしないといけないと余計な投資が増えるんですよね。もしかしたら、そのあと40億、50億といけるかもしれないけども、今の一番高利益率の30億円とかのスイートスポットに留まっておきたいという心理が働くというのがディストリビューターには必ずあるので、ここのだいたいスイートスポットに到達すると、メーカーとぎくしゃくし始めるというのがけっこう往々にしてある。

競合の組織体制におけるディストリビューターのマネジメント方法を明確にするということはすごく重要で、基準値をつくる必要があるんですよね。自分たちがやっていること、自分たちの組織ってどうなのと。基準値がないので、自分たちの組織が優れているのか、優れていないのか、問題があるのか、問題がないのかすら分からないというケースが非常に多くて、そしてその組織体制でどういうアクションをすればいいのか、自分たちのやっているアクションって十分足りているの?それとも足りてないの?それをやっぱりうまくいっている競合の組織の体制とマネジメント方法を見ることによって自分たちは何が足りていて何が足りていないのかということをしっかり可視化していく。その足りていないところを補うということが非常に重要になってくるので、競合の組織のマネジメント方法の可視化というのはシェアを伸ばしていく上では大変重要な項目になってまいります。

それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。