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第31回 競合の脅威を知ることが重要である

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テキスト版

日本企業は、グローバル展開をする前に知っておくべき重要な事が存在します。グローバル展開の失敗の原因を分析すると、進出する前から負けることがわかっていたというケースは少なくありません。それを避けるためにも、基本的且つ重要なフレームワークの「R(Research)」があるのです。「R」の解説と共に、特に重要なポイントについて解説いたします。

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みなさんこんにちは、スパイダーの森辺です
今日は、「Rをやれば、負け戦は避けられる」についてお話しします。多くの日本企業のグローバル展開の敗因を分析すると、この戦略では出る前から負け戦をして撤退をする、ということがわかっていたというケースが少なくありません。その多くの日本企業はこのRを軽視した。逆に言うと、このRさえやれば、出る 前から負ける戦をする、ということを避けられます。今日は「Rをやれば、負け戦は避けられる」について一緒に学んでいきましょう。

まず、最初に申し上げたいのは、このR というフレームワークは企業がグローバル展開をする、最も基本的かつ重要なフレームワークです。Rとはリサーチの略で、マクロ環境分析、そしてミクロ環境分析、SWOT分析の3つから構成されています。まずこのマクロ 環境分析というのは平たくいうと、どの様な市場なのかを可視化すること。つまりはその市場は儲かる市場なのかどうなのか。その国の外資規制はどういうものがあるのだろう。その国の市場独特の特性とは何なのかということを可視化する。多く の日本企業はこのマクロ環境分析はデスクリサーチ要素なので無難にこなします。問題はこのミクロ環境分析とSWOT分析です。ミクロ 環境分析というのは、平たく言うと敵の脅威を知るということです。つまりは、競合となる企業の具体的な戦闘能力を測る。自分たちと比べて、敵の戦闘能力はどれだけ高いのかということを知るのが、ミクロ環境分析。そしてSWOT分析というのは、マクロ環境分析で得たインプットと、ミクロ環境分析で出たインプットをこの中に入れることによって、実際にみなさんがこの市場に出た時に、どんな 機会があって、またどんな脅威があるのかということを徹底的に分析するのがこのSWOT分析。まずミクロ環境分析においては、総じて日本企業はいいモノを作れるばっかりに敵を本当の意味で敵視していない。ということから、敵の脅威を知るということをおろそかにしてしまう。一方で
SWOT分析のこのどの様な機会があるのか、どのような脅威があるのか。機会と脅威を具体的かつ客観的に見なければならないのに、機会を楽観視する、脅威を楽観視する。この楽観視 したSWOT分析では行ってから負ける、出る前から負けることがわかっていたという結果につながります。
重要なのは、敵 の脅威を具体的につかむということと、このSWOT分析における機会と脅威を楽観視しない。多くの日本のメーカーは行ったら何とかなるんじゃないか、行ってから学んだらいいんじゃないか。行ってから学ぶ、こんなスピードでは今のアジア新興国では到底敵いません。そして行ってもどうにもならないのがアジア新興国です。どれだけ機会と脅威を事前に分析できるか。ここにかかっているのです。逆に言うと、R をやればハナからわかっている負け戦は避けることができるのです。
それではみなさん、また次回お会いいたしましょう。