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第380回 【Q&A】ディストリビューターとの上手な付き合い方とは? その3

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日で3回目ですね。「ディストリビューターとの上手な付き合い方」ということで、3回目のお話をしたいと思います。

すみません。では、もう1回スライドをお願いします。前回、前々回と「ディストリビューターとどうやってうまく付き合ったらいいんですか」と、消費財メーカーさんからの質問で、売上を拡大させるために、ディストリビューターにいろいろと、これやろうよ、あれやろうよといろいろと施策提案をしているんだけども、なかなかそれをやろうという雰囲気にならない。基本、もう任せて口出さないでよと、あなたたちよく分かってないんだからみたいなね、そういうスタンスになってしまっていて。ただ、そうだと言ったって、だからといって、彼らに任せておいたら、それで売上が上がるのかと言うと、そんな感じでもない。なので、何かしたいんだけど、結局動いてくれないんですよね、どうしたらいいですかという、そういう質問がきていますと。

前回、前々回とお話したのは、もうこういう状況に陥ると、ここから変えていくというのは大変ですよと。どうやって変えていくかの方法もお話するけども。なので、こういう状況に陥る前が非常に重要だよというお話をしていて。この番組、前回、前々回、今回と、続けて、「こういう状況に陥らないためにどうすればいいのか」ということと、「こういう状況に陥ってしまったら、じゃあ、どうすればいいのか」という、この2つについて話しますねという話をしています。まだ、こういう状況に陥る前にどうすればいいのかということで前回、前々回お話をして、今回で3回目になりますよと。

「じゃあ、こういう状態に陥らないために」なんですけども、基本的には「誰と話すか」ということと、「どう話すか」という、この2点が大変重要だよという話をずっとしてきています。誰にということに関しては、必ずオーナー社長と握ってくださいと。鶴の一声で、昨日までこうだったものがバーンと変わってしまいますよと。こっちも然るべき立場の人をしっかり当てて、しっかりオーナー社長と握ると。じゃあ、どうやって話す、誰と話す、何を話すで、この「何を」のところで、しっかりと自分たちの理念であったり、目的、目標を共有してくださいと。それに対して共有できないディストリビューターとはやっぱり一緒にやるべきじゃないんですよね。ディストリビューターの選定をしっかりしましょうということも非常に重要なんだけど、その選定のタイミングでそこをしっかり共有しないから、後々に両社の目的がずれてきてしまうということが出てきてしまう。戦略、戦術なんていうのはものすごくしっかりと契約締結の前に決めることであって。契約締結がゴールではないので、契約締結してからいろんなことが変わっていくわけですね。いろんなことが変わっていくところにしっかりと対策が打てるような現場のコミュニケーションラインをしっかり持ちながらチームをつくって一緒にやっていくということをやらないと、それはうまくいかないですよね。「自分たちはつくる人、売るのはあなたたち、お任せです」でやってきていたんじゃ、やっぱり難しくて。自分たちがマーケティングのすべてを把握した上で任せるのと、何も分からないからお任せです、私たちつくる人です、これだとやっぱりなかなかうまくいかないというか、ディストリビューターは聞かないですよね、メーカーの話を。なので、そこをしっかりしましょうねと。

次のスライドをお願いします。理念、目的、目標、戦略、戦術、こういったことをしっかりと、共有をどれだけできている関係なのかによって、そういうコミュニケーションのスタンスというのが大きく変わってきますよと。だから、こういうことをしっかりやりましょうねと。日本企業は契約締結までがゴールになってしまって、守りの契約はしっかりできているんだけども、攻めの契約がイマイチですよという状況が非常に多いので、そこはしっかり気を付けましょうねということが1つですよね。

じゃあ、起きてしまったらどうすればいいのかという話を少ししたいんですけども。起きてしまったら、これはやっぱり時間をかけて変えていくしかなくて、自分もそうだと思うんですけども、例えば自分の妻に、何でもやってきて、しているのに、いきなり「今日から僕は亭主関白です」と言って、それが「三つ指立ててお帰りなさいと言ってください」と言ったって、そんなもの、「何言ってんの?」と言われる話と一緒で、今までこういうスタンスで何十年もディストリビューターとやってきたのに、いきなりスタンスを変えて、変わるかって、絶対変わらないですよね。

過去の歴史をしっかり紐解いていくということはすごく重要で、多くのB2CもB2Bも、ディストリビューターさん、アジア新興国のディストリビューターともう数十年付き合っているんですよ。何なら、付き合った当初は、別にアジアなんて、アジア新興国なんてどうでもいい市場だった。国内がやっぱり最重要地域だったし、その次は欧米でしょと。アジアなんていうのは生産拠点だし、「売れるんなら売ってみたら?」ぐらいのスタンスで、ほぼ放置状態で任せてきた。だから、大した協力もしていないわけですよね。日本ではこんな値段で売っているし、先進国ではこんな値段で売っててこんなスペックですと。「そんなに多少改良することもできないよ。値段もそんなに安くできないよ。ただ、これでいいんだったら売っていったら」という中で彼らもやってきているわけなんですよね。やってきている中で、どんどん、どんどん、海外度合いが、アジア新興国市場の成長とともに上がってきて、ここ10年15年はかなり真剣にやっている中で、担当者も何回も変わってきているわけですよね。担当者も変わってきている中でディストリビューターは疲れているんですよね。今まで一緒にこんな施策をやってきたのに、結局尻切れトンボで帰任しましたと。駐在員が帰任しました。そしたら、また0からですよね。またわけ分かっていない人が駐在で着任して、その人とまた取り組みをして、またよく分かってきたなと思ったらまた帰任してという、このジョブローテーションの日系企業の人材ローテーションが繰り返されて、正直、ディストリビューターもまたか状態になっているところというのは決して少なくなくて。担当になっているほうは、新しい気持ちで「よし!」って来るんですけど、向こうはほぼほぼ疲れているみたいな。社内の引継ぎではそんな話全然聞いていなかったのにと、それは引継ぎで悪いことを言う人ってそんなにいないでしょうし、そこまで理解できている人というのも少なかったりするわけなので。そういう状態にあるということも理解しないといけない。

あと、もっといろんな状態がディストリビューター側にはあるので、その辺の話をまた次回ちょっと詳しくしていきたいなというふうに思います。

今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。