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第469回 【本の解説】強固なチャネル構築に必要な3原則 その3

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、『グローバル・マーケティングの基本』 日本実業出版社から私が一昨年前に出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日もね、170ページ、4-3、続きです。前回、前々回からの続きで、強固な販売チャネルをつくることに必要な3原則は何ですかという話をしていて、1つはデザイン力ですよ、もう1つがマネジメント力ですよ、3つ目がコミュニケーション力ですよと。このデザイン力とマネジメント力というのは前回、前々回でお話をしていて、販売チャネルをつくるときにはまず最初にデザインしてください。どういうターゲットにどういうふうに到達する販売チャネルを自分はつくるべきなのかということを、市場環境、B2Cだったら伝統小売を含めた市場環境と、あと、競争環境ですね。競合がどういう販売チャネルを持っていて、その販売チャネルで今のシェアがあるわけなので、競争環境を加味した、市場環境を加味した、自分たちが到達したい販売チャネルをまずデザインしてください。そのデザインに応じて販売チャネルというのは構築されていくわけなんですが。いざ構築が始まったら、今度は販売チャネルをマネジメントしていかないといけないですよと。販売チャネルを僕は水道管に例えて、デザインというのは自分たちが到達したいターゲットにどういうふうに水道管を伸ばせばいいのかをデザインしてくださいねと。

もう1つ申し上げたのが、新興国市場ではこの水道管は詰まりますよと、放っておいたら詰まりますよと、任せておいたらずっと水が流れているということはありません。なので、常にデザインをしてください。ディストリビューターをシンプルに管理をしていく。マネジメントというのは管理育成なんですけど、シンプルに管理育成をして、自分たちが成し遂げたい目標数値に必要なKPIが何なのか、これを事前にディストリビューターと握ることで、このKPI、1点にだけ集中をして、それができているかできていないかだけを追い続けていく。できていなければ、そこに対策を打つということがマネジメントですよと。B2CでもB2Bでもそうなんですけど、基本的にはストアカバレッジ、どれだけたくさんの店に置けるかと、どれだけたくさんのユーザーに売れるか、B2Bだったら。一方で縦軸というのは、じゃあ、そのお店でどれだけたくさん売られていくか、B2Bだったらそのユーザーでどれだけたくさんの予算が獲得できるかという縦軸と横軸と。この縦軸に関しては、基本的には3つ目のコミュニケーションということが大きく影響してくるので、マネジメントはまずストアカバレッジですというお話をして。

今日まさにこのコミュニケーション。3つ目の…。ちょっとスライドをお願いします。コミュニケーションのお話なわけですけども。この縦軸ですよね。ストアカバレッジをマネジメントで伸ばして、どうやってセールスパーストア、1店舗あたりの売上を上げるのか、ということですけども。このコミュニケーションには2つの意味があって、1つはディストリビューターとのコミュニケーション、もう1つは消費者とのコミュニケーション、2つの意味があると。ディストリビューターをマネジメントするということは、やっぱりマネジメントする側とされる側、いろいろ思うところもあるので、結局マネジメントをするのであればするほどやっぱりしっかりコミュニケーションを取らないといけなくて、ディストリビューターとコミュニケーションがしっかり取れてないときにいろいろなことが問題が起きていくわけなので、まあまあ大丈夫だろう、この「まあまあ大丈夫だろう」がどんどん拡大していって、半年会っていないけどまあまあ大丈夫だろう、1年会ってないけどまあまあ大丈夫だろうと。2年会ってないけどまあまあ大丈夫だろう、みたいな話なんですよね。人間慣れてくるので、どんどん「まあまあ大丈夫だろう」の幅が広がっていってしまうので、基本的にはしっかりコミュニケーションをディストリビューターは取るということと。あと、消費者とのコミュニケーションですよね。ストアカバレッジを上げて、できるだけたくさんの店に商品が適切なかたちで置かれて、そしてそのお店での1店舗あたりの売上を上げるというときに、消費者とのコミュニケーションが取れていなかったらやっぱり上がっていかないんですよね。なぜ消費者は、その並んだ商品を手に取るのか。競合と同じ棚に同じように並ぶわけですよね。そのときになぜ競合の商品ではなくて御社の商品を手に取るのかと言ったら、それはやっぱりコミュニケーションが取れているからですよね、消費者との。消費者が御社の商品を理解をしているから。つまり、コミュニケーションってプロモーションだし、PRだし、そういったコミュニケーションがしっかり取れているから消費者が御社の商品を選ぶということになるので。置いたら売れるというのは絶対にあり得なくて、基本的にそんなのが起こり得るのは日本だけで、新興国市場に行ったら基本的にはやっぱりコミュニケーションを取って理解をしてもらうまでは置いても売れないので、このコミュニケーションをしっかり取るということが大変重要になってくるということで、この3原則「デザイン」「マネジメント」「コミュニケーション」、この3つの三原則をしっかり認識して、強固なチャネルづくりをしてみてください。

今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。