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第476回 【本の解説】スキルセットよりも「マインドセット」

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も、この『グローバル・マーケティングの基本』 日本実業出版社から私が出している本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は190ページ、「4-8 スキルセットよりも「マインドセット」」ということで、ディストリビューターの選び方のところのお話をしたいと思います。このスキルセットとマインドセットなんですけど、過去にこの番組でディストリビューターを選定するときに選定上重要な3つのことがありますよという話を別のエピソードでやっていると思うんですけど。絞り込んでいく、この絞り込んでいく過程で、絶対評価と相対評価をしてくださいという話をしていると思うんですけど、その絶対評価と相対評価において、このスキルセットとマインドセットの見極めというのが非常に重要で。今、申し上げた通り、スキルセットよりもマインドセットという話なんですけど、ある一定の絶対評価、スキルセットを絶対的に評価をして、絞り込んだら、最後の母集団に対してはマインドセットで相対評価をするというのが非常に重要で、最後はやっぱりこのマインドセットで選ぶことになるんですよね。そういうお話が今日のお話で。

ちょっとスライドをお願いします。スキルセットって何かと言うと、提案力・配荷力・資金力というふうに僕は定義していて、提案力というのは自分たちは小売に売るわけですよね。これはB2Bだったらユーザーに売っていくわけですけどもね。そのユーザーとか小売に対する提案力がどれぐらいあるのと、どういう提案できるんですかと、ただ御用聞きで「商品、新商品です。どうですか」じゃなくて、どういう提案ができるスキルを持っているんだ、そもそもこのディストリビューターはというのが1つですよね。配荷力。これはB2Cの話をしているので、当然そうですけど、どれだけデリバリーできるんですかと。自分たちでやれるんですかと。マーチャンダイジング含めてどうですかというところを配荷力を見ていく。あともう1つ、資金力。これはディストリビューターなので、当然キャッシュを回さないといけない。10億やりたかったら、10億のキャッシュを年間回してもらわないといけないわけですよね。そうすると、キャッシュどうですかということが1つ重要になる。こういうものってもう絶対的な評価ですよね。だって、提案力がなかったら、小売に商品を投入できないし、配荷力がなかったらデリバリーできないし、資金力がなかったら商品を回せない、キャッシュを回せないから、もう絶対的な評価で必要だから、絶対評価してくださいねというのがあります。

この絶対的な評価で残った企業たち、ディストリビューターたちを、最後何で決めるかと言うと、これがマインドセットで決める。1つは企業理念。どういう企業理念を持った会社なの?どういう社風なの?一番重要なのはやっぱり社長の人柄。人柄と書いていますけど、社長が今回、自分たちの商品を取り扱うということに対して、どれだけの熱量とビジョンみたいなものを持ってやろうとしているのか、どれだけ投資しようと思っているのか、どれだけやろうと思っているのかというところをしっかり測るということはすごい重要で。これがマインドセットなんですよね。これがやっぱり大きいところは、絶対的に必要なスキルセットが整っていれば、その中で整ったところで5社あったら、その5社の中でもやっぱりこっちのほうがスキルセットが上とか下とかあると思うんですけど、スキルセットが絶対評価をクリアした母集団の中のスキルセットなんだとしたら、やっぱりマインドセットの高いほうがスキルセットが高いよりも絶対に後々いいんですよね。うまくいかないことというのは必ず起きるので、そのときにどれだけ踏ん張れるかということがやっぱり効いてくるわけですよね。そうすると、マインドセットってすごく重要で、ここを見ていくということが、ディストリビューターを選ぶ上では本当に重要。自分の過去20年間を振り返ってみても、やっぱりマインドセットがいくら高くても、やっぱりスキルセットここまでクリアしていないとやっぱり駄目だよねと。確かに頑張っているのは分かるんだけど、やっぱりここのトップの頂点まではいけなかったね、ここぐらいまでだったよね。これはたぶんスキルセットの問題なんですよね。まあまあ気分はいいのでいいのかもしれないですけど。一方で、スキルセットはある程度クリアして、やっぱりマインドセットすごくいいところとやったら、これだけうまくいったよねというところもやっぱりあるし。スキルセットがすごくいいので、マインドセットはほぼ無視したみたいなのも当初はあったんですよね。そういうところはやっぱりうまくいかなかったしというところを振り返ると、最低限必要なスキルセットがあれば、あとはマインドセット。

もう1個重要なのは、相手のマインドセットは勝手に上がってくれると思わないことですよね。相手のマインドセットというのをこっちでどうやって上げるか、彼らのモチベーション、企業理念とか社風とか社長の人柄みたいなのはもうそのものなので、それ自体は別にこっちがどうこうできる問題じゃない。僕が言っているマインドセットのこの3つの裏にあるものというのは、自分たちの商品にどれだけの熱量を注いで、どういうふうに投資をして、どういうふうにやっていこうと思っているのかという社長のマインドセットを上げるのはこちら側の努力なので、どういう条件提示するか、どういうインセンティブを出すかという、こちら側の努力もあるので、そこもやっぱりしっかり怠らないで、勝手に相手の熱量が上がると思わないということが大変重要になってきます。

今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。