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第488回 【本の解説】中小企業には中小企業の『戦い方』がある その4

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も、この『グローバル・マーケティングの基本』 日本実業出版社から私が出している本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日でね、5-1は最後にしましょうかね。今日は221ページ、5-1…。5-1は218ページから始まりますけどね、221ページのコラムと書いてある「「人脈がある」に騙されない」ということで、中小企業が失敗するパターンで、これは1つお話をしておいたほうがいいなというふうに思ったので、ちょっとコラムとして書いているんですけどもね。

海外に行くと、いろんな人に出会うんですよね。いろんな人がいろんなことを言ってくると。日本人でもいろんな人がいろんなことを言ってくると。だいたい怖い話、危ない話、海外は怖いよ、危ないよというお話が入って、そのあと、「でも、自分たちはこんなにすごいから任せておいて」という、こういうだいたいパターンなんですよね。自分たちがすごいというところにね、これもね、2000年代に比べるとだいぶこういうことを言う人も減ってきましたけどもね、日本では想像できないようなことを口にする人がいるんですよね。これは、日本人でも、ローカルの人でも。例えば、中国だったら、私は共産党の強いコネクションがあるとか、武装警察の何かがいるとか、親戚が何とかだとか、いろんなことを言うんですけど。そんなの中国で共産党員なんて1億人以上いるし、ピンからキリまであるわけで。日本で出会った人がね、「私は自民党に強いコネがあるんで任せておいてくれ」なんて言ったら、怪しいとしか思わないですよね。だから、日本でもしそれを聞いたらどう思うだろうということを想像したときに、日本ではあり得ないということはね、だいたい世界でもあり得なくて。強いコネとか、裏が取りにくい財閥とのコネがあるとか、とにかく人脈、人脈みたいな。人脈があるという系は、まずもって話半分の半分の半分ぐらいでやっぱり聞いておくべきで。仮にそれ、人脈があったとしても、もうふにゃふにゃしていて、アンコントローラブルで、捕まえにくい。日本で例えたときにあり得ない話というのは、あまり聞かないほうがいいと。

僕、これは初めて海外に移住して住んでいたのは14歳のときにシンガポールに初めて住んで以来35年ぐらい海外と関わってきていて、仕事でも20年関わってきていて1つ思うのは、日本のことわざで「能ある鷹は爪を隠す」というのがありますけども、これは万国共通で、やっぱり本当の実力者は「自分がこうだ、ああだ」とピーチクパーチク言わないですよね。自分の本当の実力を見せびらかすというのはね、やっぱりその程度のと言ったら失礼かもしれないですけど、その程度の話なんですよね。だから、あり得ないような人脈の話をしてくるというのは、会ったことはあるのかもしれないし、しゃべったこともあるのかもしれないけど、じゃあ、それがあなたのビジネスで何か強力な役に立つかと言ったらね、これは絶対に役に立たない。僕、人脈で何かがうまくいったなんていうのは見たことがないし、今の中国とかASEANではもうそんなことはあり得ない。カンボジアだ、何だって、メコン経済圏に行けばね、まだ多少はあるかもしれないけども、アフリカでもなかなか難しいと。1970年代80年代だったらね、一中堅中小企業がそういう現地の政府、中央政府ではなくて地元政府、地方政府のあれによって少し取り計らってもらったみたいな話はもちろんあったと思うんですけど、今のこの2023年代現在においてね、アフリカでもそんな取り計らいがされるなんていうことはまずもってないので、人脈うんぬんという話をしてくる人がいたら、もう耳をふさぐということが非常に重要で。結局ね、それにトラップされるとアンコントローラブルだし、期待だけがどんどん膨らんで、いろんなことが間違った方向に行くので、とにかく人脈に頼らないという。人脈はある意味大切なんだけども、いわゆる日本で言うとあり得ないような話というのは、世界でももうあり得ないので、そこに陥らないということは非常に重要ですよというお話でございます。

それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。