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第511回 【本の解説】Q&A 新興国で成功するために最も重要なことはなんですか?

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』 日本実業出版社から私が出している本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

いよいよ、この解説シリーズも本当に長かったなと思うんですけど、最後になりました。今日は267ページ、「ケース10 新興国で成功するために最も重要なこととは?」ということで、長かったですね、皆さん、ご視聴ありがとうございます。これでようやくこの本は終わりということで、次回以降ね、何のお話をしようか、ちょっとまだ全然考えていないんですけど。いくつかね、コロナも明けてセミナーも始まっていて、コロナの間にASEANを中心としたグローバルサウス、新興国市場で得た情報なんかも交えて、少しセミナーでお話しているような内容をこの番組でもちょっとご紹介をしていきたいなというふうに思います。そのあとは、もう今年の8月ぐらいには出ると思うんですけど、ASEAN6の販売チャネルに関する本が出ますので、その新刊の解説をやっていくのって、まだまだもうちょっとあとだと思いますけども、そんなこともやっていきたいなというふうに思いますので、皆さん、引き続きよろしくお願いします。

じゃあ、最後のね、この「ケース10 新興国で成功するために最も重要なこととは?」ということでお話をしていきたいなというふうに思うんですが。結論は、最もということなので、やっぱり1つに集約をすると、戦略を持つということに集約されるのかなというふうに思います。戦略って、インプットがないと、やっぱり絶対良い戦略というのはつくれない。戦略ってアウトプットなので良い戦略がつくれなくて、この時点で間違ってしまっている企業って非常に多くて。インプットがやっぱり弱いですよね。ターゲットに対して4Pをあてていくというのが、これ、マーケティングの鉄則で、その中でやっぱりターゲットがぼわっとしちゃっていて、本当に明確にターゲティングをするということと、そのターゲットにどういう4Pをあてていくんだという。うまくいかない企業というのは、この4Pが間違っているからうまくいかないんですよね。ターゲットに対して4Pが最適化されていない。ここが最適化されていたら、必ず成果は出るので、最適の度合いが高ければ高いほど大きな成果が出るので、問題の多くはこの4Pに潜んでいると。これがベースになって戦略ってつくられるわけなので、やっぱりここのインプットが少ないと、当然戦略としてのアウトプットも弱くなってしまう。

実際には、企業というのはアウトカムまで出さないといけない。成果まで出さないといけない。戦略を実行して、それを成果にしていくわけなんですけど。なぜここで僕はアウトカムじゃなくて、アウトプットである戦略が重要だというふうに言ったかというと、やっぱり10年とか15年前課題感からまったく変わっていない企業って非常に多いんですよね。15年前に受けた相談と今受けている相談がほぼ同じ。15年間、じゃあ何をやってきたのかと言うと、それなりにやってきているわけなんですよね。アウトカムを出すためにそれなりに動いてきているんですけど。結局、戦略という仮説の精度が悪いので、何かがむしゃらにやってきているという。その中で仮説検証が繰り返されないまま、とにかくがむしゃらにやってきたと。これも1人の人が15年間がむしゃらにやってくると、そのノウハウが1人の人の中に蓄積されていくので、16年目17年目というのは、これは大きな成果に結び付くんですけど、この15年の中で何人もの人に担当が引き継がれる中がむしゃらに頑張ってきているので、仮説検証のプロセスが記録として残されていないので、過去の先人がやってきたことがなかなか今の戦略に生かしきれていない。これだと本当に良いアウトカムなんて絶対に出ないのでもったいないですよね、いくら実行しても。なので、やっぱり戦略の精度を極限まで高めてしまう、1回しっかり投資して高めてしまう、そこから仮説検証のプロセスをやっていったほうが、圧倒的に伸びが良いというか、成果につながりやすいので、やっぱり戦略が非常に重要ですと。

戦略って、絶対これが正しいなんていうのはなくて、ただ精度を、確率論を上げると言ったほうがいいですかね。確率論を極限まで上げる。上げて実際に実施してみて、やってみて、そこで必ず修正が必要なので、個々の経営資源によって絶対に同じ戦略をやったって違う結果が出てくるわけなんですよね。それを修正修正しながら1つの自分たちの勝ちパターンの型づくりをしていくということをやっていかないといけないので。この型をやっぱりつくらないといけない。型の中には基準値、自分たちの基準値、勝つための基準値、シェアを上げるための基準値がないといけないし、指標もないといけない。こういうものは戦略をつくることで見出していけると。仮説検証を繰り返し、基準値を手に入れて、指標を手に入れたら、それが自分たちの勝つための型になっていくという、ここをやっぱり鍛えていく。成功している先進的なグローバル企業は必ず自分たちの型を持っているので、A国でもB国でもC国でも、ASEANという地域では必ず同じ型で展開しているんですよね。ここがやっぱり非常に重要。新興国全体で同じような類似の型を多少現地に適合させながらやっているということなので。やっぱりここをしっかり持つと。日本企業で型づくりまでできている企業ってやっぱり数えるほどしかなくて。そこをしっかりやっていかないと、なかなか今後のグローバル競争、新興国市場、ASEAN、グローバルサウスを中心とした新興国市場で勝っていくということは難しいんじゃないかなというふうに思います。なので、戦略をしっかり高めるということをやっていく。

社内の経営資源だけじゃ戦略づくりに足りないんだったら、外部を使うということを私はやったらいいと思うんですよね。そこに費用が掛かって、コストが掛かるからと言っていたら15年間同じところで足踏みしているという状態なので。別に弊社に相談をしてくださいというポジショントークをしているわけではなく、外資系の戦略コンサルだってあるし、日本のシンクタンクだってあるし、しっかりと分かっている、現場感のある人たちに相談して、そして彼らと一緒に何か1つつくり上げると、必ずその前には進みますから。費用対効果で見てどうかというのは別にしてね。なので、足踏みしないということは重要なので、ぜひ戦略を高めていくということをやっていけたらなというふうに思います。

それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。本当に長い間この解説にお付き合いいただき、ありがとうございました。次回以降ね、セミナーで最近話しているお話なんかを中心にやっていきたいなというふうに思っております。それでは、今後ともSPYDER CHANNELをどうぞよろしくお願いいたします。また次回お会いいたしましょう。