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第529回 B2B 海外事業に成功する企業としない企業の差 その1

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日からしばらく、B2Bの製造業向けのお話をしていきたいと思います。弊社が定期的に東京アメリカンクラブで開催しているセミナーに関しても、B2Cが多かったんですけども、最近、B2Bの製造業の方だけにフォーカスしたセミナーも定例セミナーとしてやっておりますので、ぜひ弊社のWebサイトをチェックしていただければなというふうに思います。

B2Bの製造業なんですけども、B2Cはね、実は消費財が1つの大きな産業で、この消費財って、基本的には売り先って一緒で、いわゆる近代小売で売るのか、伝統小売で売るのか、その両方で売るのかということで、売るターゲットって一緒なんですよね、新興国の場合。その先の本当のターゲットの中間層を狙わないと新興国市場はビジネスにならないので、そういう意味ではターゲットが一緒なので、非常にノウハウが共通しているというか、いろんな消費財のメーカーさんが1つのセミナーとか、こういう1つのエピソードを見ても、求めているものが一緒なんですよね。なので、弊社としても、そういう消費財に対するサービス提供っていうのが若干、若干というか、非常に多くあったわけなんですよね。

一方で、B2Bって、私もこの20年間、さまざまなB2Bの製造業の支援をしてきましたけど、小さな部品から大きな設備まで、非常にたくさんのB2Bの製造業ってあるんですよね。いわゆる半製品の部品を売っているB2Bもあれば、その部品を組み合わせた完成品を売っているB2Bもあるし、じゃあ、その完成品をつくる設備を売っている、そういうB2Bもあるので、非常に多岐にわたっていて、具体的な話をすればするほど、個々の状況によって異なるんですよね、求めるものが、必要なものが。なので、セミナーもね、こういうエピソードもそうなんですけど、自分たちの事業に置き換えて考えていただけるとスッと入ってくるんじゃないかなというふうに思っております。前置きが長かったですけども、早速始めていきたいと思います。

じゃあ、すみません。まずね、今日はB2Bの1回目ということで、海外事業に成功する企業とそうでない企業の差についてお話をしたいなと。これはB2Cも一緒なんですけど、B2CとB2Bで若干違うところがあるので、今日はB2Bだけにフォーカスをしてお話をしていきたいなと思うんですが。基本的に失敗する企業って、やっぱりこれは日本企業に共通する思考パターンなんですけど、3つの思考パターンがあって。スライドをお願いします。1つはプロダクト依存型の思考パターン、そして、もう1つがパートナー依存型の思考パターン、そして、3つ目がパーソン依存型の思考パターンということで、今日はプロダクト依存型の思考パターンについてお話をしていきたいなというふうに思うんですが。

次のスライドをお願いします。プロダクト依存型の思考パターン、はっきり分かりやすく言うと、モノさえ良ければ全て良しという、こういう思考パターンからなかなかやっぱり抜け出せなくて、この思考パターンで、日本って1970年代80年代、いわゆる世界の頂点を掴んだんですね。大きな成功を掴んだ。大きな経済成長、大きな地位を掴んだと言ったほうがいいですかね。アメリカ、欧米に、「Japan as No.1」とまで言わせた、そんな時代があったわけですけども、それってプロダクト依存型の思考パターンで掴んだ成功なんですね。そこから30年40年経って、いまだにこの思考パターンから抜け出せない。今って勝ちパターンが変わってきているわけですよね。ビジネスのやり方が変わってきていて、70年代80年代になかったものって何だろうって考えていくと、まず、テクノロジーがものすごく進化したっていうのは当然そうなんだけども、インターネットが大きな時代のパラダイムシフトとして登場してね、そこから時代がものすごく大きく変わっていったと。にもかかわらず、過去の成功パターンにいまだにすがってしまっているっていう、それがこのプロダクト依存なんですけど。

どういうことかというと、4P、マーケティング・ミックスで考えると、プロダクト、プライス、プレイス、プロモーションのマーケティング・ミックスで考えると、日本で実績のある商品をやっぱりさほど変えずにやろうよねと。もちろん新興国なので、少し安価版でということは当然やるんですね、プライスと併せて。ただ、やっぱり基本的な設計のベースというのは日本で実績のあるものを少し削ぎ落して、なぜならば値段が高過ぎてしまうので、若干は安くするという、そういう意思はあるんでしょうね。日本で慣れ親しんだ販売方法。基本的に販売方法は日本と一緒ですと。販売店ビジネスですと。そういうことをやっていく。直販だったら直販です。できれば、プロモーション投資、B2Bの場合はね、プロモーション、直接的なプロモーションもそうなんですけど、営業力を強化することが、ひいてはプロモーションにつながったりとかっていうこともありますから、基本的にそういった投資の部分はやっぱり実績が出るまでやりたくない。結局、ターゲットがね、海外に出ているにもかかわらず、いわゆる顧客の大半は日系企業です。もしくはプラスαというふうにありますけども、日系に近しい外資系の一部企業に偏ってしまっているというケースが非常に多くて。せっかく、海外進出には2つあって、現地でつくって、安い労働力を活用してつくったものを日本で活用するとかね、先進国で活用する、こういうパターンは別にそれでいいんですけど、今って新興国市場そのものがお金を持ち出しているので、新興国市場がターゲット、そのケースの話をしているわけですけども。そうなっているにもかかわらず、現地に出たんだけど顧客は日系企業ということで、非常に偏ると。当然、ローカル企業と日系企業の数を比べたら、日系企業のほうが圧倒的に少ないわけなので、なかなか売上がスケールしていかないということに陥るわけですよね。

じゃあ、本来どうあるべきなの?ということなんですが、そもそも4Pと、このターゲティングのこの順番も違うんですよね。4Pありきでターゲットを決めているので、結局、必然的に牌の少ない日本企業に偏ってしまうわけなんですけど、本来はターゲットが絶対に先にあって、自分たちは誰に売りたいの?この国に出たときに誰に売るの?と。B2Bの場合は企業、企業ネーム、バイネーム・インダストリーをまず選定する。あとでちょっと説明しますけどもね。インダストリー、次回の回かな。パートナーの依存型のところで説明しますけど、基本的にB2Bはインダストリーが4つぐらいにだいたい分かれるんですよね。自分たちのつくっているものはどのインダストリーで使われるのか。例えば、自動車のインダストリーで使われる、通信のインダストリーで使われる、何々のインダストリーで使われる。次のスライドですね、これの今の話。そのインダストリーの選定と、全部の4つのインダストリーを同時に攻められたら、それは一番いいですけども、基本的には選択をしていかないといけない。1つのインダストリーに集中して、そこのインダストリーの顧客、ターゲット、バイネームで企業名を挙げて、そこに対してモノを売っていく。

そうすると、やっぱり4Pというよりかは4Cの観点で考える必要があって、4Cとは、カスタマーバリュー、コスト、コンビニエンス、コミュニケーションということで、顧客が求める価値って、顧客価値って、顧客が求める商品って何なの?と。日本でこれが売れていますということ、最終的に日本で売れているものを売るにしても、結局、日本でこれが売れています、これどうですかということではなくてね、これ、パイオニア戦略だったらいいですよ。何もないところに、日本でこれが売れているので、これをデファクトスタンダードにするって、グーッと押し付けていくって、これはいいですけども。ほとんどの日本のB2Bの海外展開というのは、すでに先駆者がいる状態で始まるわけで、むしろデファクトスタンダードがつくられた状態にあるところに、いやいや、日本の品質もっといいからどうですかと持っていっても、それはなかなか受け入れられないわけで。顧客が求めている商品って何ですかということ。そして、顧客が許容できる価格。これは品質が良いから高いって、これは分かるんだけども、許容できなかったら駄目ですよね。安くしろとは僕は決して言うつもりはなくて、1円でもモノは高く売ったらいいんですけども、その高さが価格の高さが顧客に対して許容できなければ、これはひとりよがりになってしまうわけですよね。勝手に言っているだけの話なので。高いモノを売るんだったら、それだけの付加価値を顧客に理解させないといけない。欧米の先進グローバル企業なんかは、ストーリーがそこにあるわけですよね。だから、顧客がそれを許容するわけですよね。品質で許容するということはほとんどなくて、品質ってなかなか価格に許容できる時代じゃなくなってきていて、なぜならば、中国の企業でもつくれるし、アジアの企業でもつくれるし、その差って、本当に見えにくくなってきてしまっていると。そうすると、もっと見えやすいもので付加価値を出さないと、顧客は絶対に許容しないですよと。あと、顧客利便性というのは、顧客が買いやすい方法。本当にそれが顧客が買いやすい方法ですか。皆さんが日本でやってきた売り方が顧客が本当に買いやすい方法なんですか。顧客はどういう方法で、今現状買っているんですかということも考えないといけないので、買いやすい方法。そして、顧客コミュニケーション、これは顧客が選びたくなるような仕掛け。まったくせずに、ひたすら単純営業だけして、どうですかと。モノは良いです、ちょっと高いですけどもと。そんなことでなかなか顧客に浸透していくわけはないので、基本的にはこの4P、ターゲットが先であって、そして、4Pから4Cの観点に置き換えるということで、このプロダクト一辺倒、モノさえ良ければ全て良しという考え方は捨てて、いかにターゲットに対して4Cを最適化するかということを考えていく。フィリップコトラーは、モノが売れるには、ターゲットに対して4Cを最適化することだというふうに言っているわけなので、基本的にはターゲットに4Cを合わせていくと。うまくいかない企業の要因は、全てこの4Cの中にある、4Pの中にあるということになりますので、ぜひ皆さん、再度自分たちのターゲットと4P、4Cを見直してみてください。

最初のプロダクト依存型、今日でこれでおしまいですけども、次回、パートナー依存型がどういう失敗をするのかということについてお話をしていきたいと思います。

それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。