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第536回 B2B製造業−売上を構成する方程式

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も、B2B製造業の、アジア、ASEAN、グローバルサウスを中心とした新興国市場への販売チャネル戦略のお話をしていきたいと思います。

今日のお話は、B2Bの製造業が売上を構成するために必要な方程式のお話をしていきたいと思います。売上やシェアを上げるために、自分たちの戦略をいかに細分化していくか、ブレークダウンしていくかということはすごく重要で、自分たちの売上を達成するためには、どのような指標がどういうふうに掛け合わさってそこに近付けるのかということを数式で見ていくことが非常に重要だというふうに思っています。われわれは、しきい化して、どれだけの経営資源をその式に当てはめていくかということ、これは非常に重要なことで。こうしていくと、自分たちに足りているものと足りていないものが数値で分かるので、何をやっていく必要があるのかということが非常に単純明快に分かってくるんですよね。今日はその方程式のお話をしていきたいというふうに思います。

では早速、スライドをお願いします。これがその式を非常に単純化したものなんですが、「売上=」というふうになっていますが、この売上を上げるために、売上を上げたいと、シェアを上げたいでも何でもいいんですけど、この売上を上げたいという赤い目標があったときに、じゃあ、そもそもこの売上を上げるということは、何と何を掛けることで構成されているんですかということを考えていくと。そうすると、1つがやっぱり前回お話した顧客カバレッジ、どれだけたくさんの顧客をカバレッジできるか、これは日系企業、欧米企業、ローカル企業を含めて、どれだけたくさんの顧客をカバレッジできるかということと、基本的には1顧客あたりの販売数が売上を決めるわけですよね。この2つを、カバレッジが横軸、1顧客あたりの販売数が縦軸だとしたら、どうやって高めていくかということが非常に重要で。もちろんこの式を広げていくと、ここにプロモーションのATLだったりBTLの要素が関わってきたり、それからB2Bの場合は、アフターサービスのクオリティをどうやって変えていくかとか、プロダクトの機能や品質をどういうふうに変えていくかみたいなことを掛けたりしていくと、当然、式はもっと複雑化するんですけど。シンプルに考えるということはすごく重要なので、基本的にこの「売上=顧客カバレッジ×1顧客あたりの販売数である」というふうにした場合にね、じゃあ、これってつまりどういうことなの?イコールどういうことなの?ということになるんですけども、それが下の式で。そのターゲット市場の顧客総数がまず、総顧客数というのが絶対に分母に来るわけなんですよね。これを分母に置いたときに、SM1人あたりの担当顧客数、これっていうのがセールスマンです。SMはセールスマン。セールスマン1人あたりが現実問題何社顧客を担当できるんですかと、既存の担当者もいれば、新規の担当者もいるし、既存をやりながら新規をやっている場合もある。それ含めて、どれだけ担当できるんですかということと、KDSMというのはキー・ディストリビューターのセールスマンの数。基本的にはキーとなる自分たちのディストリビューターに何人自分たちの商品をセールスしてくれているセールスマンがいるの?と。そのセールスマンの数が10人で、1セールスマンが10顧客持っていたら、これで100顧客になるわけですよね。100顧客×1顧客あたりの販売数が10個だったら、100×10で1,000とかっていう話になるわけですよね。これを見ていったときに、あれ? 自分たち、1人あたりのセールスマンが持てる担当顧客って、なんかぼやっとしていたよねとか、キー・ディストリビューターって1社しかいないので、そこに独占的にやらせているんだけども、そこが何人のセールスマンを持っているかって、だいたいは分かっているけど、自分たちの製品の専任者が何人いて、それが日々どういうふうな活動をしているかというのはもうお任せなので分かりませんみたいな。基本的には定期訪問して、どうですか、どうですかと言うんだけども、結果指標の追っかけにしかなっていませんみたいな会社が非常に多いわけなんですよね。ここを、ディストリビューターとも詰めていかないといけない。これは、ディストリビューターを必要とするB2Bの製造業の業態。

一方で、直販というケースだってあるわけですよね。完全に直販というケースももちろんなくはないわけなんですけども、大手顧客は直販ですと、特販顧客みたいな直販して、その他をディストリビューターにやらせているというケースもあるので、その場合は直販の比率も同じように掛けてもらったらいいと思うんですよね。別に、キー・ディストリビューターじゃなくて、自前のセールスマンの数になるので、式はもっとシンプルになると思います。ここがそもそも詰め切れていないのに、売上をいくら上げようと思ったって、売上を上げる、構成しているのって、ここのセールスマンがどういう組織で、何をしているから売上が上がるという話なので、基本的にはここを詰めていくと。この方程式を完成させていくということが非常に重要で。この式をベースにディストリビューターともコミュニケーションを取るというのは1つの成功パターンにつながっていく大きな要素だと思っています。

弊社がアウトソーシングの事業で顧客の売上を新興国市場で上げるときは、必ずディストリビューターとこの式をベースに決め事をしていきますし、この式をベースに途中で修正を繰り返していくので、ぜひ皆さんもこの式をベースに、今一度販売チャネル戦略を見直してみてはいかがでしょうか。

皆さん、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。