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第569回 【本の解説】「誰と売るか」よりも「誰に売るか」

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。今日も、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』 日本同文館出版から私が去年出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は、25ページですね。何よりも先にターゲットを明確にするという部分ですけども、これは前回から確か、輸出の場合の強固な販売チャネルのつくり方の流れでこうきていて、いわゆる輸出でASEAN6を攻めるときには、ASEAN6もいわゆる新興国と後進国というか、後進国が新興国になっていくプロセスの解説をさせてもらって、その中で大きくSMTとVIP、シンガポール、マレーシア、タイと、ベトナム、インドネシア、フィリピンのVIP、これはまったく市場が違うので、参入の難易度が全然変わってきますよと。特にASEAN6だけではなくてその他の地域も、アジア新興国全体で考えたときにどういう参入の順番になるのかみたいな、そんな話をさせてもらったと。その中で何よりも先にターゲットを明確にするということで、今日お話をするんですけど。

これはどういうことかと言うと、「誰と売るか」よりも「誰に売るか」のほうが圧倒的に重要だということを申し上げていて、なかなかうまくいかない会社の多くは、とにかくディストリビューターさん、いわゆる販売店さんを探さないといけないということで、「誰と売るか」ということに躍起になるわけなんですよね。でも、その「誰と売るか」ということよりも重要なのは「誰に売りたいのか」。輸出でやる場合に伝統小売はほぼほぼ難しくなってくるので、近代小売のどの小売に入れたいのかと、もっと言うと、どの小売のどのレーンのどの棚に入れたいのかということが重要になるわけですよね、これはFMCGの場合。これは別にFMCGでないB2CでもB2Bでも一緒ですけど。そうなってきたときに、じゃあ、その棚を獲れるディストリビューターとやらないといけないので、よくありがちな「とにかく大きなところ」「とにかく実績のあるところ」、それは大手で実績があったらそれに越したことはない、それはその通りなんですけど、自分たちが参入初期、もしくは導入期の状況において、大手のディストリビューターと組んでも、仮に組めたとしても大して相手にしてもらえないということもあり得るわけですよね。彼らの、いわゆる大手で実績あるというのは、別のプリンシパル、メーカーの取り扱いがあって、別のブランドを取り扱っていて、それに関しては大きな実績がある、それに関しては経営資源を最大限投下するけども、じゃあ、「今まさにこうして始まるメーカーのためにどれだけ力を割くの?」と言うと、必ずしも期待通りにはならない。そんなケースもたくさんあるわけですよね。そうすると、ある程度こちらがコントロールしやすい中堅規模ぐらいのディストリビューターと組んだほうが、結果としてうまくいくというケースも多々あるわけですよね。なので、重要なのは「誰に売りたいのか」ということをまず明確にする、その上で「誰と売りたいのか」「誰と売るべきなのか」ということを考えるということです。

「誰に売りたいのか」を細かく細分化して明確にすればするほど、「誰と売らないといけないんだっけ」ということが明確になるわけですよ。なぜディストリビューターの選定基準が「大手がいい」とか、「実績があるところがいい」みたいな、ぼやっとするかと言うと、「誰と売りたいか」がぼやっとしているからですよね。「誰と売りたいか」がぼやっとしていない明確な企業は、「誰と売るべきなのか」という条件をね、そんな「大手で実績がある」とかっていう、こういうぼんやりじゃなくて、もっと明確、「この小売の、この棚の、ここに置けるディストリビューターで、こういうセールスがこれぐらいの人数あてがわれるぐらいに経営資源を投下してくれるようなところでないと駄目だ」とか、もっともっと明確になるので、そこをしっかり把握をしないといけない。常に「誰に売りたいのか」ということが上位概念なので、「誰と売るか」よりも「誰に売るか」ということをまずは考えるということが大事でございます。

これぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。