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【本の解説】ベトナム市場 伝統小売の攻略のための販売チャネル

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』、去年、私が同文舘出版から出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は105ページ、ベトナムですね。ベトナム、伝統小売を攻略するための販売チャネルを構築するということで、105ページから109ページまでですね、これでいよいよベトナムが終わりですけども。これらのページでは何を書いているかと言うと、ベトナムに出ている消費財メーカーの課題って、総じて何かと言うと、伝統小売の攻略なんですよね。結局、8,700店舗ぐらいしか…、8,200店舗か、8,200店舗ぐらいしか主要な近代小売がないベトナム市場においてね、66万店の伝統小売があって、この伝統小売で売れないとシェアは上がらないし儲からないという、こういう構造になっていて。その中でなかなか伝統小売が攻略できませんということなんですよね。これには製品と価格の適合化というものはもちろんあるんだけども、そもそも販売チャネルが構築できていないという、ここに問題があって。

ベトナムのディストリビューターの最大の特徴としてはね、セールス機能がないという大きな特徴があって。結局、メーカー自身がセールスをしないといけないし、ディストリビューターにセールスがいるように見えても、それはメーカーが派遣していたり、メーカーが費用負担をしていたりという構造になっています。彼らって、基本的にはデリバリーというのがディストリビューターの仕事で、セールスというのはメーカーの仕事だという切り分けをしているので、基本的にセールス機能を持っているディストリビューターというのは限られていますよと。そんな中で自分たちなりの販売チャネルをつくっていくんだけどもね。もうだいたい型があって、僕の言うところのネスレ・リーバ型の型をつくっていく必要があって。マイクロディストリビューションしていくんですけど、基本的には現地法人が近代小売を直接やって、伝統小売に関しては100~200のディストリビューターを使い、エリアごとに攻略をしていくということをしていかないといけない。そこにはセールスのマネジメントというのはすごく重要で。人がぼんぼん、ぼんぼん、辞めていきますと。増えたと思ったら減って、増えたと思ったら減っての繰り返しで、きついこと、難しいことをお願いすると辞めていくし、お給料はまだまだシェアが低いから安いでは通用しないし、ベトナム特有の大変さというのがいろいろあって、そこをクリアしていくと。

僕は、この106ぺージのところに「ドミナント戦略で戦い、独自の型を習得する」というふうに言っていますけども、基本的には近代小売での実績というのがまずマストで、8,200店舗でどうやって存在感を出すか。なぜならば、伝統小売というのはエボークドセットに入っているものを消費者は買うので、指名買いをするということですよね。なので、近代小売で売れていないものは売れませんよと。なので、近代小売がマストおであるということと。伝統小売は自社主体でディストリビューターを活用していく。言ったら、自分たちでチャネルをつくっていかないといけないので、ディストリビューターにお任せして何か売れていくみたいな世界を想像しても、これは売れないので、難しいですよと。もし仮に売れるという世界をつくれるんだとすると、もう半分近いマージンを取っていかれるし、そもそも間尺に合わない構造、利益構造になってしまうのでね、自分たちで苦労して積み重ねていくと。それを最小限でやっぱりやっていかないといけないので、ドミナントでエリアごとにそれを増やしていくということがいいのではないかなというふうに思っています。そんなことを書いているのがこの109ページまででございます。

今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、それではまた次回お会いいたしましょう。