HOME » 動画番組 スパイダー・チャンネル » 【本の解説】インドネシア市場 伝統小売なくしてシェアなし

動画番組 スパイダー・チャンネル

【本の解説】インドネシア市場 伝統小売なくしてシェアなし

新刊はこちら » https://www.amazon.co.jp/dp/449565019X
定期セミナーはこちら » https://spydergrp.com/seminars/

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』、去年、私が同文舘出版から出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は117ページですね。インドネシア、447万店の伝統小売なくして利益なしということで。インドネシアの市場の特徴として、前回、ハラルの話をしました。インドネシアのマーケットを獲っていくためには、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカーがインドネシアのマーケットを獲っていくためには、ハラルの取得が絶対ですと。ハラルというのはイスラム教の教えで「神に許されているもの」というのをハラルと言って、「許されていないもの」はハラムと言う。このハラルの承認をマストで取っていかないといけないですよと。どちらか分からないもの、シュブハに関しては基本的にはハラムと同じ、選ばれない存在になってしまうので、ハラルの取得が非常に重要ですよと。2024年10月から、基本的には小売でハラル認証の取れていない商品、食品を置くということはできなくなりますので、法律で禁止されますので、基本的には輸出であろうが、現産現販であろうが、ハラルの取得がマストになりますというのを前回やりました。

このハラルということが1つインドネシアの市場にとっては大変大きなものであるということと、もう1つが、447万店の伝統小売という、この存在も大変大きくて。基本的にインドネシアでビジネスをやるのに、もう、伝統小売から逃げていたらビジネスできないですよというのが、これ、食品・飲料・菓子・日用品等のメーカー、FMCGのメーカーの市場の現状です。この447万店の伝統小売に対して、じゃあ、近代小売はどれぐらいあるのかということなんですけども、3万6,000店ぐらいしかないんですね。3万6,800店ぐらいですかね、主要どころ、弊社のカウントで、最新のカウントになりますが、そのうち3万3,000店はインドマレットとアルファマートという、インドネシアの2強のコンビニエンスストアなんですね。そうすると、3,000数百店舗の主要の小売しかないと。もちろん大きなものから小さな…、小さなものというか、いわゆる主要と言われているような小売なので、このアルファマートとインドマレットで3万3,000店以上あって、この小売交渉力ってとてつもないんですよね。この2つのコンビニと交渉することの大変さ、それからこの2つを除いてしまうと、インドネシアの近代小売の少なさ、これは他のASEANと同じですので、さらに伝統小売が447万店あって。近代小売を獲るということはもちろんなんだけども、プラスアルファ、伝統小売を獲らないとなかなか事業としては難しくて。インドネシアのいわゆるこのFMCGに関連するいわゆる小売、事業者、流通事業者、メーカー、全員が口を揃えて言うことは、「インドネシアでは伝統小売の獲得なくしてビジネスなし」ということ、「利益なし」ということを言いますので、基本的には近代小売はマストで入れて、同時に伝統小売も獲っていくということが大変重要になってくると。

伝統小売自体も、実際にこの5年とか見ると、毎年3万店ずつぐらい減っているんですよね、毎年3万店ぐらい減っている。ただ、もう447万店あったら、毎年3万店減っても、これ、全部なくなるので90年ぐらいかかるわけですよね。仮に2倍3倍のスピードで進んだとしても、60年30年かかるわけなので。これだけ時間がかかったら、その間に伝統小売のデジタル武装のほうがより速いスピードでね、3倍のスピードで伝統小売が減ったとしても、30年伝統小売は存続し続けて、その30年あったら、伝統小売がどんどん、どんどん、デジタル武装していくので、正直、コンビニよりもより便利な存在に仕上がってくる。だから、数としては減るんだけども、新しい形態のより便利な小売としてね、デジタルとつながることによって生まれ変わるはずなので、基本的に伝統小売を攻略できなければ、なかなかインドネシアでは存続をし続けるということは難しいので、伝統小売から逃げないということはすごく重要ですよね。ということで、インドネシア、重要なポイント2つ目は、447万店の伝統小売でございます。

また、次はね、インドネシアは島が非常に多いので、この主要6島を考えたときにどういうふうに攻めていくかということについてお話をしていきたいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。