【本の解説】インドネシア市場 主要6島をドミナント戦略で考える
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』、去年、私が同文舘出版から出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。今日は119ページですね。主要6島をドミナント戦略で考えるということで、インドネシアって非常に島の多い国で、小さいものも集めると1万4,000島ぐらいあるんですよね。その中で主要な島というのは6島あって。この島を見たときに、「どの島からどういうふうに攻略していくのが一番いいんですか」という、そんなお話を今日はしていきたいと思います。
インドネシアの市場ね、人口が3億弱、小売市場規模は50兆に迫る勢い、ASEAN6の中で最も大きな市場であると。小売市場規模もね、ASEAN6の3分の1以上持っていて、インドネシアの攻略はASEAN市場の中でも最も重要であるというふうに言っても過言ではないと思います。多くの食品・飲料・菓子・日用品等のFMCGのメーカーが進出していますよという中で、前々回、この大きなインドネシアの市場を攻略するためにはまずハラルの取得が非常に重要ですと。2024年10月には法改正があって、よりハラルの取得が必要になってきますよと。基本的にハラルでないものは小売に置けませんよというお話をしました。前回、2つ目のインドネシアの攻略のポイントとして、447万店の伝統小売をどう攻略するかということはすごく重要で、基本的には「伝統小売の攻略なくして利益なし」ということはもう業界関係者の皆さん、口を揃えて言っていますので、これはもう構造的に、近代小売の数であったりとか、3万6,800店の主要近代小売がある。一方で447万店も伝統小売があって、でも、3万6,800店だったらなかなかASEANの中では一番多いではないかと、十分ではないのかということなのですが、うち3万3,000店はインドマレットとアルファマートなので、彼らの小売交渉力は非常に強いですよと。そんな中で残る近代小売とだけでやっていくというのは難しくて、近代小売はマストで獲りながら、いかに伝統小売をやっていくかということが重要ですと。
今日のお話は、この主要6島をドミナント戦略で考えるということがすごく重要で。整理をすると、この119ページに地図が載っていますけどもね、このインドネシアの地図を見ながら説明していきますけど。インドネシアのね、まず首都があるのはね、このジャワ島なんですよね。ジャワ島っていうのが一番大きくて。ジャワ島の次がね、このジャワ島の左上の、マレーシアとかシンガポールと並行して並んでいる島が、スマトラ島っていうのがありますけども、これが2つ目の島。この3つ目がスマトラ島の右側にあるカリマンタン。そのさらに右隣にあるスラウェシ。そして、そのさらに右下にあるパプア。そして、最後は皆さん、観光でもご存じのバリ島という、この主要6島なんですよね。基本的に「どこから攻めるの?」ということなんですが、まあね、地方から都に上がってくるという攻め方も事例としてなくはないんですが、基本的にはやっぱりもう、ジャカルタとその他の地域の経済規模があまりにも違うので、基本的に僕は、消費財はジャカルタのあるジャワ島がもうマストです。ジャカルタ攻めをしていくと。インドネシアで最も人口が多い都市はジャカルタで1,000万人なんですよね。1,000万人を超えているんですよ、ジャカルタは。第2の都市と言われるスラバヤもジャワ島ですし、第3の都市のブカシもジャワ島の中で、日本の3分の1ぐらいの面積の中に1億2,400万人いるんですよ、ジャワ島って。だから、それを考えても、もうジャワ島攻めでしょというのが、僕は非常に重要だなと。ジャワ島からやっていくと。インドネシア、これはどういうことかって、インドネシアの人口の2億7,600万人のうち45%がジャワ島にいるということになるので、どれだけジャワ島が重要かということが言えるかなというふうに思います。
これもまたディストリビューターのところでも出てくると思いますけどもね、基本的に島も分かれているし、遠いし、フェリーで島間を移動したりとか、飛行機で移動したりとかなので、基本的にサブディストリビューターを使ったディストリビューション・ネットワークをつくっていくということが非常に重要になってくるんですけども。その話はね、チャネルの話でしたらいいと思いますけど。どういうふうにドミナントに考えるかと言うと、ジャワ島、ジャカルタ、スラバヤ、ブカシというのが非常に重要かなというふうに思います。
それではね、次回は主要の小売プレイヤーのお話をしていきたいなというふうに思います。今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。