【本の解説】インドネシア市場 近代小売に関する考察
新刊はこちら » https://www.amazon.co.jp/dp/449565019X
定期セミナーはこちら » https://spydergrp.com/seminars/
テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』、私が去年、同文舘出版から出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。今日は124ページ、近代小売に関する考察ということで、「インドネシアの近代小売どうなの?」という箇所をしていきたいなというふうに思うんですが、インドネシアの近代小売は非常に成長をしていますよと。ジャワ島、ジャカルタ中心だけで近代小売の市場というのは非常に大きい市場ですし。言ってもね、相対的に伝統小売の市場が非常に大きいので、まだ8割ぐらいは、基本的には流通総額の8割ぐらいは伝統小売なので、マクロデータで見るとね、伝統小売というのはマストなんですが、それなりに近代小売はプレゼンスを大きく伸ばしてきていると。基本的に伝統小売に配荷を進める上でも近代小売の獲得というのはマストなので、基本的には近代小売はマストですよと。前回お話したように、スーパー、コンビニの主要大手5社、スーパーだったらトランスマート・カルフール、それから、ハイパーマート、スーパーインド、ヘロー、ロッテと。コンビニだったら、インドマレット、アルファマートのこの2強、もうほかのコンビニは考えなくていいですよと、この2強がすべてだというようなお話を前回したんじゃないかなというふうに思います。
パンデミックを経てね、スーパーなんかの、インドネシアの近代小売、これはインドネシアだけではないんですけど、かなり小型店舗の運営に力を入れていて、もともと大型店舗の出店計画をずっとコロナ前までは出していたんですよね。なんですけど、やっぱりコロナで大型店舗というのはなかなかちょっと厳しくなってきたので、ミニマート的な業態を結構住宅地の中にいっぱい、小さいけど数をたくさんつくるという、そういう出店計画に切り替えてきていて。コロナのときほど極端ではないけど、まだやっぱりそれは残っているし、人々にとって大きなスーパーに車で行ってダーッと買い物をしてみたいなのも1つなんですけど、やっぱり近隣地域で買える、生鮮食品含めて買える、こういうニーズがやっぱり高まっているので、ミニスーパー系の出店が増えていますよと。例えばなんですけど、スープラ・ボガ・レスタリがデイツーデイとかね、積極的に出していますし、プリマ、マタハリ・プトラ・プリマがハイフレッシュというブランドでミニスーパーを展開したりとか、結構、ミニスーパー系が増えてきていますね、というのが多いのかなと。
コンビニはコンビニで、オンザゴーみたいなね、新鮮な果物をその場で買ってパッと食べれるみたいなね、そういうのを結構増やしてきているので。コンビニも今まではガーッと増えてきましたけど、これからってね、今までと同じようなペースで増えていくっていうのはちょっとどうなのかなと。小売自体もやっぱり業態を、形態をどんどん、どんどん、変えてくる、これは先進国でもそうですけども、過去30年とか振り返ってみると、小売の形態って、業態って、すごく大きく変わってきているので、今後また新たな業態に変わる、そんなことも起こり得るのではないかなというふうに思います。
ちょっとね、伝統小売に関する考察も一緒にやってしまおうかなと一瞬思ったんですが、時間がかかるので、伝統小売の考察に関しては次回にしていこうかなというふうに思います。なので、インドネシア、スーパーはトランスマート、ハイパーマート、スーパーインド、ヘロー、それからロッテということで、主要5社、覚えていただいて、コンビニに関しては、もう、インドマレットとアルファマートで3万3,000店舗以上。全体の近代小売数が3万8,000とか3万7,000とかそういうレベルですから、主要なね。そのうちの3万3,000店舗以上はインドマレットとアルファマートということは、いかにその2社が重要かと。一方で、その2社の小売交渉力がどれだけ強いかということも考えながら戦略をつくっていく必要があるのかなというふうに思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。