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【本の解説】フィリピン市場 基本情報

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、『ASEAN6における販売チャネル戦略』ということでお話をしていきます。

今日はいよいよ第6章、フィリピン、135ページに入りましたね。フィリピンに入りました。135ページから138ページまでは基本情報ということでね、フィリピンの市場の特性なんかが書いてあるページですけども。フィリピンを理解するときに一番重要なのは、消費財メーカー向けに書いている本なので、特に消費財メーカーにとって一番重要なのは、まず人口が多いということですね。どれぐらい多いのかと言うと、1億強あります。ASEAN6の中でもVIPと言われる、ベトナム、インドネシア、フィリピン、この3つが非常に魅力的な、これから将来性ある市場なわけですけども、ベトナムが1億弱、インドネシアが3億弱、フィリピンが1億強ということで、僕は1、3、1というふうに考えるようにしているんですけど、非常に人口が多いですよと。

もう1つ、平均年齢が24歳、非常に若いですよね。出生率が高いというのもあるんですけど、フィリピン市場ってキリスト教徒、ASEANで唯一のキリスト教徒の国なので、中絶が駄目なんですよね。それで子どもが多いというのもあります。どれぐらいキリスト教徒が多いのかと言うと、9割以上がキリスト教徒なんですね。基本的には中心となるキリスト教徒というのは83%以上がカトリックで、キリスト教もいろいろ宗派がありますから、その他が10%ぐらいということで、非常にキリスト教が多い国ですよと。

あと、フィリピン市場を捉えるときにあるのが、たくさん島があるんですよね。たくさん島があるんですけども、大きく分けて3つに分かれますよと。上と真ん中と下と。一番上がメトロマニラのあるルソン島ですね。真ん中が、いっぱい島がごちゃごちゃしていて、皆さんもたぶんセブ島とか行ったことあると思うんですけど、セブ島があるビサヤスという島。一番最後がミンダナオ島という、非常に大きいダバオなんかがあるね、下のほうに行くとね、一部イスラム教徒もまだ住んでいたりするんですけど、この3つの市場に分かれていると。消費財メーカーにとってやっぱり一番大きいのは、メトロマニラのあるルソン島が非常に1つ大きなマーケットとしてあって、特にメトロマニラ、首都。やっぱりあとはセブを中心としたビサヤスも非常に大きな市場なので、そんな3つに分かれていますよというところを覚えておいてもらったらよろしいんじゃないかなというふうに思います。

基本情報のところには、1人あたりのGDPであったり、それから名目GDP、経済成長率、物価上昇率、失業率、総貿易額等々、記載をしていますので、こちらは本を見ていただければと思います。
フィリピンもASEANの中だとやっぱりね、日系企業はマーケットとして捉えて積極的に出ていくのが比較的遅れたかなと、ASEAN6の中ではですね。シンガポールとかマレーシアは人口が片や600万人、片やマレーシアは3,000万人とか4,000万人とかそういうレベルなので、シンガポールとマレーシアはセットでやりますよみたいな、そういう市場で。重要なのって、タイ+VIPで、ベトナム、インドネシア。やっぱりインドネシアは3億人いるし、ハラル腹決めして行こうという、そういう市場で。ベトナムもね、工場の進出を結構見きりをしていたりするので、積極的にやりますよと。
一方で、やっぱりフィリピンって生産大国としての国家の企業誘致みたいなことは出遅れたというか、してこなかった傾向が非常に強いので、結構モノって輸入品なんですよね。インドネシアでつくったものが入ってきたりとかっていうのがあって。一方で、英語圏ですよね。タガログ語もしゃべるけども、フィリピン人はみんな英語をしゃべりますから。そうすると、ASEANの中で最も英語が流暢にしゃべれる国ということで、やっぱりインプットする情報源というのは英語の国の情報をインプットする。特にアメリカの情報をインプットするので、消費者の向いている目がアメリカがやっぱりファーストであって、その次に日本とか韓国とかっていう。インドネシアとかだとね、日本を見てくれて、マレーシアも日本を見てくれていたりとかっていうのはありますけど、やっぱり英語圏の影響を非常に著しく受けているので、欧米系の消費財メーカーの一大市場でもあるということを考えると、日系企業にとっては少しやりにくい市場だったりもするんですよね。なので、そんなところをちょっと考えながらフィリピンを見てもらったらよろしいんじゃないかなというふうに思います。

次回以降はフィリピンの市場の特性ということで、これは伝統小売の非常に重要な地域になりますし、フィリピンの3大小売、SM、ピュアゴールド、ロビンソンズという、非常に大きな3大財閥小売があるので、それの小売の流通構造についてもお話をしていきたいなというふうに思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。