【本の解説】フィリピン市場 地域1番店伝統小売の見分け方
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』 日本同文舘出版から私が去年出した本ですが…。日本同文館出版じゃないよね…。失礼しました。同文館出版ですね。あれ、何回か日本同文館出版と言っていたかもしれないな。私の書いたこっちの本が日本実業出版で、日本とついているので、それと混同して日本同文館と言ってしまいましたけど、すみません、同文館出版です。撮り直すの面倒くさいのでこのままいきますけども…。今日は143ページ。フィリピン、地域1番店的店舗を押さえることが鍵ということで。伝統小売の攻略についての話で、ディストリビューション・チャネルをつくっていく、もっと言うとディストリビューション・ネットワークをつくっていくことになるんですけども、その中間流通の話ではなくて、今回は小売のお話で、伝統小売もいろいろ種類があるんですよということで。やっぱり地域1番店をまず押さえていく、伝統小売のピラミッドの大きい一番上から押さえていくということはすごく重要で。なぜかと言うと、フィリピンの伝統小売は、前回のお話でも話した通り、近代小売から商品を仕入れているわけですよね。全部が全部じゃないですけども。ピュアゴールドから商品を仕入れています。じゃあ、このピュアゴールドに商品を仕入れに行っている地域1番店、問屋から仕入れている地域1番店って、例えば午前、午後一ぐらいまでは小売店をやっているんだけども、3時以降裏で問屋の機能が始まって、地域の伝統小売に配達をしたりね、地域の伝統小売がそこに商品を仕入れに来たりということがあって。地域1番店の物量って、やっぱり大きいんですよね。住宅街の奥に入っていけば入っていくほど伝統小売って小さくて。別にみんながみんな、自分たちが一番大きな伝統小売になろうとかね、自分たちもっと稼ごうなんて思ってなくて、今日暮らせるこの分だけのお金を稼げたらいいという人たちが伝統小売をやっているので。住宅街の奧で伝統小売を細々とやっているおばちゃんとかって、今日一日何千円売り上げたい、そのための仕入れにわざわざ、じゃあ、近代小売に自分のあれ仕入れに行くかと言うと、地域1番店から仕入れてなんていう構造があるので、まずは地域1番店を獲るということはすごく重要で。1~2ブロックとかに必ず1個ぐらいあるんですよね。
地域1番店の一番の特徴はね、まず店舗面積がでかいですよ。そりゃそうですよね、見た目からそうで。だいたい伝統小売って、おばちゃん1人とか、おじちゃん1人なんですけど、その伝統小売の地域1番店に行くと、もちろんPosレジは置いてないんだけども、結構、横幅5メーターぐらいあって、奥行きも5メーターぐらいあってね。中に何人か店員がいるんですよね。「あれください」と言うと、裏から持ってきたりとか、上から出したりとか。店員が何人かいますと。あと、SIMカードを売っている。SIMカードを売っているようなところはね、SIMカードも仕入れが高いので、結構ちゃんとしたところじゃないと仕入れられないし。あと、コカ・コーラの大きな看板が出ていたりとか、あと、アイスクリームの、ネスレのアイスクリームの大きな冷蔵庫とか、コカ・コーラの冷蔵庫で、その冷蔵庫がね、ちょっと冷蔵庫のコカ・コーラだったらコカ・コーラって書いてあって、そこにコカ・コーラ製のドリンクしか入ってないということはね、これはコカ・コーラの社員が頻繁に来ているということなんですよ。ほかのものを入れたら「やめてくれ。うちでこれ出しているんだから、コカ・コーラ製だけ入れてくれ」というので、頻繁に来ているので重要視されているとかっていうことになるんですよね。アイスもそうですよね。やっぱりそのアイスのシェルフがあって、クーラー、冷凍庫があって、そこが例えばウェールズだったらウェールズのアイスしか入ってないとかね。よくチェックしに来ているので。あと、最近だとね、新しいメーカーがちょっと小さい冷蔵庫を置いたりとか、いろいろしているので、そういうのを見てくると、ここは地域1番店だなとかっていうことを見抜いていけますので、そんなところからちょっと見抜いていくということが非常に重要かなというふうに思います。
地域1番店はでかいもでかいんですけど、業者さんが出入りしているなと、問屋なりメーカーなりが足を運んでいるなという形跡がやっぱりありますよね。冷蔵庫にちゃんと同一ブランドしか入ってないかとかってチェックしに来てたりとか、あと、新しい新商品の棚が設置されているとかね、そういうのは非常にやっぱりあるので、そこは1つ見てもらったらなというふうに思います。
あと、フィリピンで多いのはね、僕はグローサリーが非常に多いので、ちょっとこれはTTでもないんだけども、Posレジ入ってないからMTでもないと。でも、店舗面積って奥行き10メーター以上あるよねと。横幅も10メーター近く、7メーターぐらいあると。店員も何人かいて。でも、レジは1つ2つで、レジにはいわゆるボスのおばちゃんがいて、引き出しからお金を出して渡しているみたいなね。これは伝統小売と言うにはちょっと、うーん、なんとなくドアはないけど、一応、扇風機なのか、エアコンなのか、それらしきものはついていて、冷たい風は出てきているしみたいなね、そういうようなところもあるので。グローサリー系、それから伝統小売、伝統小売の中でも地域1番店、そして一番頂点にあるのがMT、近代小売で、その最も上位に位置するのが3大、フィリピンの3大小売、SM、ピュアゴールド、ロビンソンズというふうに覚えていただければなというふうに思います。
この地域1番店を獲るためにディストリビューション・ネットワークをつくっていくわけですが、ディストリビューション・ネットワークみたいな中間流通の話はまた後日そういうページがありますので、そこでお話をできたらなというふうに思います。
それではね、次回は主要小売プレイヤーということで、フィリピンの3大近代小売のお話をしていきたいなというふうに思います。今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。