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ASEAN6の小売市場 各国の市場規模

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、ASEAN6の小売市場についてお話をしていきたいというふうに思います。このASEAN6ですが、もう皆さんご存知、SMTとVIPの6カ国を合わせてASEAN6というふうに呼んでおります。ASEAN、SMTというのは、シンガポール、マレーシア、タイ、ASEANの中でも先進的な国々を私は総じて先進ASEANのSMTというふうに呼んでいて、今まさに新興国、新興真っ盛りのVIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンを新興ASEANというふうに呼んでいます。それ以外にラオスとかミャンマーとかカンボジア、CLM、カンボジア、ラオス、ミャンマー、CMLというのがあって、それ以外に、ちょっとブルネイは特殊なのであるんですが、このASEAN6が日本の企業にとっては、特に今日お話するのは消費財メーカー、FMCG、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカーにとっては、今、主戦場になっていて、特にタイ+VIP市場になっていると。このASEAN6の小売市場のお話をまずしていきたいなというふうに思います。

じゃあ、スライドをお願いします。この1枚目のスライドですけど、これは2022年のデータですけども、私の『ASEAN6における販売チャネル戦力』 同文舘出版から去年出した本で使われているものですけども、ASEANの6のそれぞれの小売市場規模を出していると。ASEAN6合計で117.9兆円、約118兆円ということですけど、これは当時、為替が136円で、現在145円ほどなので、120数兆円ぐらいの市場規模ですよと、ASEAN6を見るとですね。これって大きいの?小さいの?ということなんですが、日本がだいたい150兆円ぐらいですよね、小売市場規模。ということなので、ASEAN6の小売市場規模はもうほぼほぼ変わらなくなってきていますよと。追い抜かれるのは時間の問題。それぞれの国で見ると、インドネシアの40数兆円、そして、フィリピンの20数兆円、ベトナムの20数兆円、タイの17兆円ぐらいというふうにね、為替で、思ってもらっていいと思いますけど、マレーシアの13兆円、シンガポールの6兆円ということでありますが、それぞれね、インドネシアとかフィリピン、ベトナムは大きいけども、そのほかで見ると、日本に比べたら小さいじゃないかと、国と比較したらね、というふうにお思いかもしれませんが、ASEANというのは国単位で見る、都市単位で見るという視点も非常に重要ですが、このASEAN経済圏を1つの国として見るという、こういう視点もまたすごく重要で。なぜならば、僕が住んでいた1980年代後半から比べても、ASEAN同士の国々の距離がより近くなってきていて、これって人・モノ・カネ・情報の行き来もそうなんだけども、物理的な行き来もそうなんだけども、やっぱりタイで流行ったものがベトナムで波及したり、マレーシアで流行ったものがインドネシアに波及したり、国間でいろんな行き来がなされているので、基本的に、東京、大阪、名古屋、福岡、札幌みたいな感覚でこのASEAN全体を見るということも、またすごく必要な観点なので、合計合わせて130兆円ぐらいの市場規模というのは、非常に大きい市場である、決して小さくないですよということで。

今、本当にここ10年で…、7年ぐらいですかね、7年で、企業の消費財メーカーのASEANシフト、やっぱり中国が少し尻込み、今していますし、中国に対して、中国マーケットに対して。また、景気減速などの要因もあるので、かなりこのASEANのテコ入れ。すでに大手の消費財メーカーさん、弊社にご相談いただくようなメーカーさんも、ほぼほぼASEANの市場には進出していて、進出しているんだけども、今までディストリビューター任せにしてきたとか合弁先任せにしてきたものを、どうやって、じゃあ、自分たち主導でアクセルを踏み込んでいくか、ギアチェンジしていくかみたいな、そういうお話が多いので、このASEAN市場というのはこれからますます、小売市場規模が日本を抜くというのは、もうここ数年以内に完了していくと。

そもそも人口構造が違うので、基本的にVIPだけで5億人いるわけですよね。インドネシアで3億弱、2億7,000数百万人、ベトナムが1億弱、9,700、9,800万人ぐらいいて、フィリピンが1億数百万人なので、VIP、ベトナム1億、インドネシア3億、フィリピン1億、1、3、1というふうに覚えてもらったらいいと思うんですけど、それだけで5億いるわけですよね。タイとね、シンガポールは600万人ぐらい、マレーシアも数千万人で、タイが比較的多いので、8,000万人ぐらいいますけども、それを合わせたらね、ここの地域に6億人ぐらい住んでいるわけですよね。日本のそれでも6倍、人口減少する日本に比べたら、もう本当に大きな市場でありますから、日本の消費財メーカーにとっては大変重要ですよということですよね。ごめんなさい。タイの人口は6,600万人ぐらいですね。8,000万人ってどこかとあれしてしまいましたけども。それでも、やっぱりそこに6億人はいるわけで、ASEAN6ね、日本の6倍近い数字がそこにありますよと。消費財メーカーにとって胃袋の数ってやっぱりすごく重要で、3食食べてくれる胃袋、つまりは3食以上と言ったほうがいいのかな、大量に、3食というよりかは大量に消費してくれる胃袋というのがやっぱり食品メーカーなり、菓子メーカーなり、飲料メーカーにとっては非常に重要で、これはどういうことかと言うと、やっぱり若い世代のほうが食べるわけですよね、老人よりもね。そうすると、若い世代がどれだけいるかということはすごく重要で、これだけの6億人の人口の平均年齢、日本が40何歳、もう50に近かったと思いますけどもね、一方でASEANのほとんどの国は、まだ20代とか、行っても30歳前半とか、そういうレベルなので、胃袋の力が全然違いますねと。爆発的な消費パワーをまだまだ秘めていますよと。確かに首都はね、1人あたりのGDPが1万2万を超えているという都市がいっぱいあるんですけど、まだ平均で見ると数千ドル、1人あたりのGDPが数千ドルで、これだけRCEPの一角を担うというね、RCEPには世界のGDPの3割が集まっている市場で、これからますます成長していくということは容易に見てとれるわけですから、この市場をしっかりやっていくということは消費財メーカーにとっては必須の事項であるというふうに思います。

それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。次回は、このASEAN6の小売市場を少しブレークダウンして、今回はマーケットサイズの話をしましたけども、少しブレークダウンして、どのような近代小売、伝統小売、それぞれの比率であったり、数であったり、規模であったり、そんなところをちょっと分解してお話をしていきたいなというふうに思います。

今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。