ASEAN 販売チャネルの競争力
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。前回に引き続き、基準値ね、基準値のお話を前回したと思うんですけども、基準値の考え方として、「競合と比べて自分たちってどうなんだっけ?」って、これもまた基準値だよね。というのも、シェアって、競合から1%奪うから自分たちのシェアが1%上がるので、常に競合との戦いなんですよね、マーケットに出たら。そうすると、いかに競合と比べて自分たちはどうなのか、例えば競合が100だったときに、競合の基準値を100としたときにね、自分たちは120なの? それとも80なの? 70なの? 50なの? 30なの?というところを常に見て、自分たちの競争力を高めていくということをやっていかないといけない。特に、販売チャネル周りの競争力で日本企業は圧倒的に遅れていて、ほんの一握りの消費財メーカー、もしくはB2Bでもいいですけど、製造業しか完成度の高いチャネルをつくれていないので、一方的な製品の優位性では長けているんだけども、相対的な販売チャネルの優位性に劣っているということなので、そこのチャネルの競争力を上げていってくださいというのが僕の持論で。今日はその話、どういうふうにして自分たちの基準値を見ていくのかというポイントを見ていきたいなというふうに思います。今日は対象は製造業なので、別に前回、消費財メーカーだけでお話をしましたけども、製造業、B2B含めて全般で考えてもらったらよろしいんじゃないかなというふうに思います。対象は、最近、タイ+VIPみたいなところが多いですけども、アジア新興国、アジアじゃなくてもね、新興国全体で考えてもらってもいいですけども、そんなところの地域を対象にしていきたいなというふうに思います。じゃあ、すみません、スライドをお願いします。このスライドの通りですけども、やっぱり競合を100とするというね、この100の内訳がどうなのかということを見ていかないといけなくて。そうすると、やっぱり3つのことを競合の可視化をしていくっていうのが非常に有効で。1つはチャネルストラクチャーの可視化。これはどういうものかと言うと、競合がどういうストラクチャーでチャネルをそもそも築いているの?と。直販、それから中間流通と、大きく分けて2つの経路があるわけですよね。最近だと、B2CなんかはEコマースって3つぐらいあって。大きく分けたら、直販か、中間流通利用かで。さらにこの直販と中間流通もね、B2Cなんかでいくと、Eコマースがあったり、オンのマーケット、オフのマーケット、これは業務用のマーケット、それから一般小売市場のマーケット。この小売市場のマーケットも、近代小売もあれば、伝統小売もあるので、それぞれのチャネルに対してどういうストラクチャーを組んでいるの?と、これはね、ほんとにまさに設計図で、このストラクチャーを間違えていると、どんなに頑張ったってシェア伸びないじゃんと。例えば、インドネシアでチャネルストラクチャーがもう近代小売1本勝負みたいなね、伝統小売が447万店あると言っているのにね、近代小売一直線でね、伝統小売を無視してね、それはシェア獲れないに決まっているでしょうというのが業界の常識なので、例えばそういうチャネルとかね、なっているわけなので、まずチャネルストラクチャーを可視化しましょうねと。
じゃあ、可視化されたチャネル、確かにこれだけのチャネルストラクチャー、設計図を描いているんだけども、そこにどういう組織を配置しているの?と、どういうリーダーのもと、何人のセールスマン、セールススーパーバイザーを配置しているんですか、と。それが十分足りているケースと、足りていないケースというのがあるわけなので、どうなっているのかというのを2番目に見ていかないといけない。その組織がちゃんとあったとしても、それをどうマネジメントしているかによって全然得られる結果って違ってきますよね。10人でね、しっかりとしたマネジメントをすればね、管理育成をすればね、100という結果も出せる。けど、同じ10人でも、マネジメントを間違えたら50ぐらいの結果しか出ないなんていうことはざらにあるわけなので、このマネジメント体制もしっかりやらないといけない。例えば1日の訪問件数とかね、訪問したらどういうことをやっているのか、1、2、3。それを誰にどう報告して、どんなことを、セールス以外の仕事をどういうふうにセールスから取り除いていて、アシスタントがやっているのかとか、そんなことを含めてマネジメント体制、育成の体制なんかもそうですよね。何カ月に1回、メーカーも関わってこういう育成制度をやっているとかね、こういうインセンティブ制度を設けていますみたいなものも含めてですけども、そういうことを見ていきますと。それを自社と競合を比べたときに、自分たちには何が足りていて、何が足りてないの?というところを見ていくと。競合で一番できているところを100とした場合に、競合Bは95点、競合Cも95点、競合Dが90点、自分たちは60点、65点、みたいなね、こういうケース、日本の製造業の場合は非常に多い、チャネルに関してはね。商品に関しては圧倒的に120点みたいなケースというのはあるんだけども、チャネルに関してはそういうケースが多いので、競合チャネルと比較して基準値をまず導き出すということが大変重要であるということでございます。
この基準値、ぜひ皆さんもね、意識してみてください。今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。