第65回 注目すべきディストリビューターの機能
新刊はこちら » https://www.amazon.co.jp/dp/449565019X
定期セミナーはこちら » https://spydergrp.com/seminars/
テキスト版
ディストリビューターは日本と、アジア新興国では機能が異なります。その機能の違いを知らなければ、想定していた役割を任せることができない可能性が出るのです。ディストリビューターを知る上で、特に注目するべき機能について解説いたします。
=================================
みなさんこんにちは。スパイダーの森辺です。
今日は「注目すべきディストリビューターの機能」ということでお話をしたいと思います。日本と違って、アジア新興国のディストリビューターの機能は、少し変わっています。このことを理解しないと、せっかくマーケットシェアを上げようと思ったのになかなかマーケットシェアが上がらないという結果にも繋がります。今日は「注目すべきディストリビューターの機能」について一緒に学んでいきましょう。
まず、最初に申し上げたいのは、アジア、今回はASEANということでお話をしたいと思いますが、ASEANのディストリビューターの機能は日本のディストリビューターとは若干異なるということです。
主な機能ですが、例えば日本の消費財メーカーが現地に法人がなかった場合、彼らに輸出をする。そして彼らはそれを輸入しないといけませんから、当然輸入機能、インポート機能を持っているか持っていないかというのは、1つ土台として大きなものになると思います。持っていない場合は、現地の輸入業社を通じて活用するディストリビューターに販売をしていくということになるので、大概の場合は、日本から輸出で消費財メーカーが現地のビジネスを行う場合は、輸入機能を持っているディストリビューターとお取引する必要がある。この輸入機能の土台以外に、デリバリー機能、セールス機能、MD機能、プロモーション機能と大きく分けて4つ存在します。まず、デリバリー機能というのは配送、配荷をしていく機能。自分たちの持っているクライアントに物理的にデリバリーをしていく機能。セールス機能というのは、その名の通り売込みをしていく。売込んで注文をとっていく。現金回収をしていく。そして、MD、マーチャンダイジングの機能と、プロモーション機能。プロモーション機能というのは、どちらかというとATLというよりかはBTLの機能を持っている。プロモーション企画、実施がBTLに限ってできるという、そういう機能ですね。私が特に注目したいのは、現地に法人があって、現法が自分たちの現法がディストリビューターを使って現地のTTなりMTなり配荷を進めていくっていうんであればこのまま輸入機能はいらない。ただ、日本から輸出をしていくという場合であれば現法はないという場合はまず輸入機能を持っているか持っていないかというのは大前提重要になる。その後必要なことは、MDの機能やプロモーションの機能というのは重要なんですけど、ちょっと一旦置いといて、まず考えなきゃいけないのはこのデリバリーとセールスの機能なんですよね。日本の常識でいうと、セールスの機能がないディストリビューターなんてありえない。基本的にはセールスをするのがディストリビューターですからありえない。そういう感覚を持っていると思います。ただ、ASEANではデリバリーしかない、機能を持っていないディストリビューターも多く存在します。例えばベトナムなんかは顕著でセールス機能とデリバリー機能はパーンと別れちゃってる。そうすると小さい所なんか、ほとんどデリバリーしかしてない。自分の管轄エリアの既存顧客にひたすらデリバリーをする。それって日本でいうとヤマトとか佐川なんです。でもそれをディストリビューターというふうに彼らは認識をしてるし、みんなもディストリビューターとして使っている。一方でセールス機能を持っているディストリビューターの大手どころってベトナムとかだと40社くらいしかない、40、50社くらいしかないわけですよね。そうするとそれ以外の所ってほとんどデリバリーが中心でセールス機能としては貧相なものである。ここをわからないと自分たちはセールスまで含めてお願いしたかったのに、単にデリバリーをする会社だと。例えばP&Gなんかは、自分たちの現法の従業員がセールスをするんで、基本的に、ユニリーバネスレなんかは、自分たちの現法の何百人っていうセールスがセールスをするんであなたたちディストリビューターにはデリバリーだけしてほしい、そういうエリアも当然ある。なのでデリバリーだけできるところを使ったりする。ですから、このデリバリーとセールスの機能を両方持っているかということは、大変ディストリビューター選定の上では重要になりますので日本の消費財メーカーもASEANではここに、特に着目をする必要があります。
それではみなさんまた次回お会いいたしましょう。