アジア新興国市場で失敗する企業が陥る3つの依存
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『製造業のためのアジア新興国販売チャネル戦略』ということでお話をしていきたいなというふうに思います。皆さん、もう買っていただいてますよね。まだの方は概要欄にリンクを貼っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。去年出した、この『ASEAN6における販売チャネル戦略』、これもね、ASEAN6、SMT、VIT、シンガポール・マレーシア・タイ、ベトナム・インドネシア・フィリピンということで、こちらはFMCG、消費財メーカー、食品・飲料・菓子・日用品のメーカーに向けて書いていますので、ぜひ該当する業種の方はご購入をお願いします。あと、この日本事業出版から出している『グローバル・マーケティングの基本』、これはね、基本的にはどういう企業でも問題ないかなというふうに思いますけども、よろしくお願いします。ということで、今日はこの本の解説をしていきます。『製造業のためのアジア新興国販売チャネル戦略』ということで、前回ね、この本が今までの本と何が違うのかということで、思考と行動から販売チャネルを紐解いていく、そんな観点でちょっと書きましたよと。販売チャネル戦略とか参入戦略をつくる上で思考ってすごく重要で、シェアの高い企業の思考とシェアの低い企業の思考というのはもう全然違うというのを僕はこの自分のキャリアの中で見てきていて、それをご紹介を前半すごくしていると。なぜならば、間違った思考のままでいると、永遠にその間違った思考を持った人がつくる戦略というのは、あんまり新興国市場に適合してないものが出来上がってしまう。この適合してない戦略で実際にアクションを取ると、当然アウトカムはあまりいいものにはならないということを考えているので、思考の重要性にこの本では触れていますよと。簡単な事例で言うと、積み上げで考える人と逆算で考える人と、もうこれは癖付けなので、潜在意識の中ですべてを積み上げで考えていってる人と、潜在意識の中ですべてを逆算で考えていってる人っていうのはいて、そうすると、やっぱり前者で考えていくと、局地戦では勝つんだけどもね、日本人は優秀なので、でも、全体最適ではなかなか難しかったりとかいうことになるので、いかに思考法を変えるかっていうことが正しい戦略、勝てる戦略、シェアを上げるための戦略を描けるかということになるので、その思考の重要性に前半フォーカスをしていますよと前半の話をしていて。
みっちり思考を変えていきましょうということで、この第1章からね、「アジア新興国市場で失敗する企業が陥る3つの依存」ということで、こんな目次を書いてますけど。ここではね、やっぱりシェアの低い企業というのは必ず3つの依存パターンに陥っていて、それはプロダクト依存型、パートナー依存型、パーソン依存型って何かに依存するんですよね。戦略以外の何かに依存する。その依存がプロダクトだったり、その依存がパートナーだったり、その依存がパーソンだったりっていう。
これは、プロダクトって何を言っているかって言うと、いわゆる私たちの商品、品質良いんだから、絶対いけるよねっていうところが戦略の中心にあるので、その他の戦略が言ったらおろそかになる、プライスであったり、プレイスであったり、プロモーションであったり。もう品質が良いということが正義なので、これで1点突破しようとするって、もうさすがにそれは通用しないですよと、これどのインダストリーのメーカーでもね。品質が良いなんていうのは当たり前だし、かつての悪かろう安かろうの時代に比べて、中国やASEANの企業も技術革新が非常に進んでいるしね。今、もうミリ単位の品質の良さを競ったって、それはユーザーや消費者にとって良いことにはならないので、そこで戦っては駄目なんだけど、そこで戦っているという企業が非常に多いので、このプロダクトの話。
パートナーもそうなんですよね。とにかく海外に行くと、現地のことはよく分からないので、不慣れなので、強いパートナー、大きなパートナー、良いパートナーをつくろうということになっていくわけですけども。「誰と売るか」よりも、「誰に売るか」のほうが圧倒的に重要なので、そこではないよねと。まず、明確に「誰に売りたいんですか」ということをはっきりさせる。ここがなんとなくぼんやりしてる人は、どうしても「誰と売るか」のほうに神経がいってしまうので。基本的には「誰に売るか」をもうガチガチに明確にする。B2Bだったらバイネームで企業名・部署名・担当者名を出していく。そうすると、じゃあ、「その人に今すぐリーチできるのは誰なんだ」っていうことがはっきりしてくるわけなので。そうすると、「誰と売る、誰と売るべきなのか」っていうことが見えてくる。なので、「誰に売るか」ということがすごく重要なのに、「誰と売ろう、誰と売ろう」と。この「誰」も大きいところ、実績があるところっていうふうになっていくわけですけども。大きいところはなぜ大きいかを考えてもらったら分かると思うんですけど、大きいということは、これから始める企業よりも重要なプリンシパル、企業、顧客をいっぱい持っているから大きくなっているわけですよね。そうすると、そんなに大きなところと一緒にやって、なぜすでに売上の2割を取り扱っているような顧客をそっちのけで真剣にやってくれるの?っていうことが言えるのかっていうことなので、基本的には自分たちのステージに応じてパートナーだって選んでいかないといけないわけですよね。なので、そんなことを書いていて、パートナーで失敗しているという事例はたくさんありますよと。
3つ目のパーソン依存型っていうのは、これは戦略がないから駐在員に頼るとか、人に頼るっていう、走りながらなんとか頑張れということなんですけど。走りながらやるってね、これは耳障りが良い、非常に、一見すると非常に良い言葉なんですよね、走りながらやるって、スピーディーな感じがしますしね。なんですけど、0→1を生むようなね、何かイノベーションを生み出そうとしているわけではなくて、アジア新興国展開の失敗事例・成功事例なんてたくさん落ちていて、0→1じゃないんですよね。もう誰かがチャレンジしているところを、より良くうまくやっていこうという話でね、それを走りながらって、いわゆる基礎調査もインプットも何も入れずにやっていくってほんとに多くて。それはなかなかちょっと難しいでしょうというようなことをこのパーソン依存型では書いているというのが、この第1章のところですね。
なので、こういう企業は失敗しますよと。これね、もう100%言い切れます。100%、シェアの低い企業はこの3つの依存のいずれか、だいたい全部に当てはまっているんですけど、すべてに当てはまっていて、シェアの低い企業ね、それぞれに違う理由があるなんていうことは絶対なくて、全員共通しているんですよね。もうほぼ、ほぼ共通していると言っていい。今まで何百社見てきましたけどもね、何百社じゃないな、何千社見てきましたけども、ほぼ、ほぼ失敗している企業はこの3つの依存に当てはまっていて、当てはまっているっていう認識すらない。それを指摘されると極度に嫌がるっていう。なので、なかなか大変な問題なんですけども。基本的には素直に受け入れて改善をしていくっていうことはすごく重要だと思います。
今日は1章のところの解説でした。次回またね、2章3章とやっていきたいなというふうに思います。ぜひ皆さん、まだ購入してない方はね、Amazonでご購入いただいて、高評価をAmazonでお願いします。Amazonで買ってなくても評価を付けられるようなので、ぜひよろしくお願いいたします。それでは皆さん、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。