アジア新興国市場で成功する企業だけが知っている3つの価値観
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『製造業のためのアジア新興国販売チャネル戦略』 同文舘出版から私が今年出した新刊ですけども、この本の解説をしていきたいと思います。もう皆さん、買っていただいていることが前提です。まだ買っていただいてない方は概要欄からぜひAmazonで買っていただいて、一緒にめくりながら解説をして、聞いてもらえればより分かりやすいかなというふうに思います。前回ね、第1章の解説をして、今日は第2章、「アジア新興国市場で成功する企業だけが知っている3つの価値観」ということでお話をしたいと思います。前回はね、シェアの低い企業って必ず共通しているある依存があって、3つの依存があって、この3つの依存に必ず共通しているというのが私が過去見てきたシェアの低い企業の実態で、こういう企業は成果が出ませんよというお話を前回していて。じゃあ、逆に今日は「シェアの高い企業ってどうなんですか」っていうことのお話に…。今日はというか、この2章はね、なりますと。
シェアの高い企業がね、大切にしている3つの価値観、それを書いていますよと。1つが、スピードが持つ本当の価値観ということで、これはね、別にスピードが速いのが良いみたいなありきたりのことを言っているのではなくて、スピードが速いということがどういうサイクルで成功に近づくのかということをお話していて。例えばなんですけど、なぜ、一般的に言われるのはね、日本企業は判断が遅いとか、スピードが遅い、NATOだって、これはNo Action, Tak Onlyみたいなことを言われるわけで。一方で欧米を中心とした先進的なグローバル企業は決断が早い、スピードが速いみたいなことを言うわけですけども、じゃあ、なぜスピードが速いのかっていう話なんですよ。別に物理的な話なのでね、スピードが速いって、必ずしも速ければ良いというものでもないし、早く決断をして早く動いたことで失敗をするというケースだってあるわけだから。じゃあ、何をもって先進的なグローバル企業はスピードを速くしているのかって言うと、実は物理的なスピードの速さっていうものの価値もそうなんだけども、スピードが速いということはね、結局、誰よりも早く失敗をするっていうことで。誰よりも早く失敗をするっていうことは、誰よりも早く学ぶということ。誰よりも早く学ぶということは、誰よりも早く成功する確率が上がっていくという話なので、これを高速で回すことで相対的に成功の確率を上げているという、こういう2つの価値が実はスピードには含まれていますよみたいな話を欧米の先進的な企業の事例をもとにお話をしていたり。あと、イノベーションの話も少ししているのかな。なぜディスラプティブ・イノベーションみたいなものが日本ではなかなか生まれてこないのかみたいな話もしているっていうのがこのスピードのところですよね。
あと、グランドデザインが重要だという、グランドデザインがなぜ重要なのかということで。グランドデザインって何ですかっていう話なんだけども、いわゆる全体で負けるというケースが多くて、局所では勝つんだけども。例えば、インドネシアで勝つんだけど、ASEAN全体で負けるとか、ASEANでは勝つんだけども、アジア全体で負けるとか、基本的には局地戦じゃなくて、全体最適で勝たないと、実は意味がない。オセロと一緒ですよね。そうすると、オセロって、四つ角をどうやって取っていくかということを最初に全体を見るわけですよね。でも、オセロを始めたね、分かんない、幼稚園生ぐらいのときとかって、基本的にはいかに自分が白だったら黒をひっくり返すかみたいなところにフォーカスがいくわけなんだけども、幼稚園のときに小学生の高学年の人とオセロをやって全然勝てないとか、親とやって全然勝てない、なぜ?って言うと、幼稚園の子はこのいかに自分の相手の黒を白にするかっていうことを考えているけども、うまい人っていうのは全体最適で、いかに四つ角を取るかっていうところから戦いを進めてくるので、勝ちようがないっていうのと一緒でね、グランドデザインってすごく重要で、グランドデザインを描く力がシェアの低い企業はやっぱり少なくて、シェアの高い企業っていうのは絶対グランドデザインを描いている。グランドデザイン、ビッグピクチャー、共通するんですけど、こういったものの見方。このものの見方って訓練なので、やっぱり目の前のことだけやっていればいいんだって言われて、目の前のことだけやっていると、大きな絵を見るなんていう発想がそもそもないので、不得意になってしまうんですよね。でも、シェアの高い企業っていうのは必ずそういうことを見ているので、そんな話をグランドデザインのところではしていますよと。下から上じゃなくて、上から下の思考法に長けているというね。どちらかと言うと、われわれは一歩一歩階段を上がってっていうね、この上には何があるか見てないと、自分の目ではね、ただ、きっとその上には幸せな世界が待っているはずだっていう、半ば自己洗脳みたいなかたちで一歩一歩上がっていくっていう、こういうマインドセットがね、われわれ日本人には非常に強いのかもしれないけども。実はこれ、合理的ですかって言うと、まったく合理的じゃなくて、ほんとにやっぱり頂上まで一旦パッと行って、ちゃんと欲しいものあるねって思ったら、逆算でね、どうやったら最短で上れるかっていうことを考えたほうがいいので。必ずそこには天国があるはずだって上ってきて、なかなかね、20~30年経ったら時代も変わるのでね、そうはなってないっていうのが、たぶんわれわれの実社会の中にもいっぱいあると思うんですよね。年功序列で終身雇用でやってきてって、うわーってやってきたのに、蓋を開けてみたら、えっ、違うじゃないと、定年手前でリストラになったりとかっていうことはいっぱい起きているわけですよね。健康保険、国民年金も、納めてきてたら60でもらえるって聞いていたのに、今、何歳でもらえるのか知らないけど、そういう実態になってくるわけなのと一緒で、まず先を見てから逆算するという、そういうことを書いている、というのがこのグランドデザイン。
あと、シェアの高い企業がね、1つ大切、大切というか、必ず持っているものは基準値なんですよね。基準値ってこの番組でも話ましたけど、自分たちの競争力を100とした場合に、競合の競争力ってどれぐらいなの?と、もしくは競合の競争力を100とした場合に、自分たちの競争力ってどれぐらいなの?と。競合が100ですと、100でシェア30%持っていますと。ここからシェアを1%2%5%10%奪っていかないと、自分たちのシェアは上がらないわけですよね。そうすると、競合の競争力を100とした場合に自分たちがね、これ70なのか、50なのか、30なのかっていうことをまず明らかにしないといけなくて、この問いに即答できた人ってね、ほぼほぼいないんですよね。この差異が日々のシェアの差になっていって、いかにこの差を埋めて追い越していかないと、シェアっていのは物理的に上がっていかないので、こういう基準値をすごく大切にしているんですよね。そんなことを書いているっていうのが、この第2章のところになります。
なので、第1章ではシェアの低い企業はこういう傾向にあるよという、失敗する企業というのはこういう傾向だよっていう話を第1章でしていて、第2章では一方で、じゃあ、成功する企業っていうのはこういう特徴がありますよっていうお話をしているということでございます。それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。