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日本企業が変えなければならないマインドセット

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺でございます。今日も引き続き、この『製造業のためのアジア新興国販売チャネル戦略』ということでお話をしていきたいと思います。

今日は3章…。前回ぐらいからね、目次の内容に沿って解説をしています。今日は3章ですね。3章、日本企業が変えなければならないマインドセットということでね。またね、それぞれの章の話はそれぞれの章で詳しくやっていくわけですけども、3章のところはね、良いものをつくっても売れない、日本企業の根本的な問題、どう戦うかよりも、どこで戦うかということで。

特にこの本は、思考と行動の観点から新興国の販売チャネル戦略を紐解いていくみたいなことを考えながら書いたんだけども、何回か前のエピソードでも説明した通り、シェアを上げられる戦略に行き着くまでのその人の思考、企業の思考の方法が間違っていると、やっぱり正しい戦略には行き着かない。正しい戦略に行き着かないと、正しいアウトカムには行き着かないということが、実際にシェアの高い企業とシェアの低い企業を分析して見えてきたので。なので、僕は、変えなければいけない思考、考え方、マインドセットみたいなものをこの第3章では書いていて。良いものの定義を変える必要性があったりとか、日本の企業のプレゼンスの低下がどれぐらい進んでいるのかとか、あと、品質以外の優勢を見出さないとね、なかなかもう勝てる市場じゃないという。品質っていうものに呪縛のようにとらわれていて、品質を上げないといけないんだということにね、そこからの解放が、解放なくしてなかなか新興国市場で成功って難しいので、そんな話を1つ入れていると。

あと、日本企業の根本的な問題というふうに書いてますけど、コツコツっていう価値観、例えばなんですけど、これがなかなか新興国市場では通用しない。コツコツって、僕、すごく良い響きだし、良い言葉だし、自分の人生の中でもコツコツって、頑張ってきたし、継続こそ力みたいなものってコツコツに通ずるものがあるし、決してコツコツを否定するわけじゃないんだけども。今、新興国市場ではね、リープフロッグみたいな現象が起きていたりとか、あと、今までの、昭和で、コツコツって昭和の価値観だと思うんですよね。でも、リープフロッグって昭和の価値観じゃないし、全然、固定電話を経験せずに携帯電話から入るとかね、パソコン触らずにスマホから入るとか、そういう人たちが増えているわけで、技術の革新も圧倒的に早いとコツコツなんてやっていたら負けてしまうというね。そうすると、リバースイノベーションみたいなことも起きるわけじゃないですか。今までっていうのはやっぱり先進国から新興国にっていう流れがね、新興国から先進国にリバースにイノベーションが流れてくるっていうことだってあるわけで、二段跳び、三段跳びでね、リープフロッグになることもあって、そうするとやっぱりね、コツコツっていう価値観は、ある一定のことには通用するんだけども、シェアを上げるみたいなね、戦略に落とし込んだときにはなかなか通用しないよねとか。

あと、ビッグピクチャーね、前回、グランドデザインの話をしましたけど、グランドデザインが何かしっかりとした戦略図、全体図みたいなものだとすると、ビッグピクチャーはね、僕は瞬間的にパッと頭に浮かぶイメージみたいな定義をしているんだけども、これって人、個人のものだと思うんですけどもね、このビッグピクチャーをやっぱり描く力ってね、これも訓練だと思っていて。ビッグピクチャーを見なくていい状態でずっと目の前のスモールピクチャーばっかり見ていたらね、ビッグピクチャーを見ろって言われたって、なかなかやっぱりこれは見れないですよね。だから、これって訓練だから、習慣がそれを呼んでくるので、こういうこともやっぱり変えていかないといけないみたいなことを書いていると。

あと、どう戦うかよりもどこで戦うかみたいな話。これは新興国の事業って、新興国と言ってもいろんな国があって、ASEANだけでもね、SMTとVIPはまったく違う市場だし、シンガポール・マレーシア・タイ、ベトナム・インドネシア・フィリピン、これは全然違う市場だし、フィリピンとインドネシアとベトナム、タイ、この4カ国が今一番熱い市場ですけど、それぞれも全然違う。でも、共通しているところもあるわけですよね。そうすると、自分たちがどこで戦うかっていうことによってね、成功確率が全然変わってくる。ASEANだけでもやりやすい、エントリーしやすい国としにくい国っていうのがあって、そうすると、どう戦うかみたいなことよりも、どこで戦うかのほうが圧倒的に重要なので、そこの価値観とかっていうものも変えていかないといけないし。あと、都市単位で考えるっていうこともそうだけど、ASEAN経済圏で考える、RCEP全体で考えるみたいなね、こういうことも1つですし、そんなことを書いているという、この第3章、マインドセットにフォーカスを当てて書いている、そんな章に仕上げています。

ということで、今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。