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アジア新興国 『Partner依存型』の失敗事例

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『製造業のためのアジア新興国販売チャネル戦略』の解説をしていきたいと思います。私が去年…、去年じゃない、今年ね、今年、出版をした新刊の解説をしていきたいと思います。

今日は5ページ、Partner依存型の失敗ということで。Partner依存型の失敗、マーケティングを丸投げする企業の末路ということで、前回から失敗をする製造業のパターンは大きく分けて3つありますよと、3つのことに依存していますと。前回がProduct依存型のお話をして、今日はPartner依存型のお話。アジア新興国市場でなかなかシェアが上がらないとか、思い通りの成果が出ない製造業の多くは、決してとても特殊なね、高度な過ちをおかしてしまっているというよりかは、非常にベーシックな部分でつまずいているというのが多いですよという話をして。今回はPartner依存型ということですが…。

このPartner依存型って、一言で言うと、自分たちはつくる人ですと、売ることはよく分からないので現地のPartnerにお任せしましょうと。このPartnerもとにかくでかいところ、実績のあるところ、財閥系、大手みたいなところが基準になっていて。結局ね、大きいと実績がある、だから、そこが安心だって、この発想は非常に分からなくはないし、分かるんですけども、そんな単純なことで良かったんだっけ?っていうのはやっぱりどうしても思うわけですよね。重要なのって、「誰と」売るかよりも圧倒的に「誰に」売るかなんですよね。このPartner依存型に陥る企業の多くは、「誰に自分たちは売るべきなんですか。自分たちのターゲットは誰なんですか」という部分が非常にぼんやりしてしまっている。なんとなくこうね、なんとなくこうだっていうことが非常にぼんやりしていて明確になっていない。B2Cであればね、ベトナムで自分たちが商品を売るべき消費者というのは、中間層のこういうエリアに住んでいて、こういうライフスタイルを過ごしている男性だ、女性だ、なんとかだってあるわけですよね。じゃあ、この消費者が最大のターゲットが最も接点を持つ小売はどこなんですか、ウィンマートなんですか、コープマートなんですか、何なんですかと。そもそも近代小売だけじゃなくて、伝統小売もそうですよねと。伝統小売もどのエリアに存在する、どういう規模の伝統小売ですか。さらに言うと、その小売の中でもどの場所のどのレーンのどの棚の位置にどう置くと最も接点が高いんですかというところ、これがターゲットですよね。ここがやっぱり不明確なまま、とにかく大手って言うんですけど、大手の…。B2Bもそうなんですよね。B2Bなんかは、基本的には企業名、バイネームで出さないといけない。日本とだいたい売り先は一緒ですから。いわゆるインダストリーがまずあるわけですよね。B2Bの場合は、例えば商品をつくっていてもね、自動車産業で使われる場合もあれば、例えばビルの建設で使われるような部品もね、同じ部品でも用途が違うわけですよね。車の部品として使われる場合もあれば、ボートの部品として使われる場合もあれば、何とかの部品として使われる、通信事業で使われる場合もあれば。なので、基本的には用途市場になるわけで。まず、用途市場の絞り込み、どの用途市場から攻めていきますか。僕はこの本ではインダストリーというふうに言ってますけど、どのインダストリーから攻めますか。そのインダストリーの中でもどの企業、これはバイネームで出していく。そうすると、その企業と今現状取引をしているディストリビューターが一番良いわけですよね。取引が今なかったらね、さすがに自分たちのターゲットとしている企業と口座を持つのにディストリビューターも時間かかるわけなので、基本的に1年2年取引できないということはやる前から分かっているわけなので。「誰に」売りたいのかが分かると、じゃあ、「誰と」売るべきなのかっていうことが自然と見えてくる。B2BもB2Cも同じで。

特にB2Cなんかはね、とにかく大手と言うんだけども、大手で実績のあるところ、大手で実績がある。それはそうですよね。それば僕もそうしたい。ただ、大手ということはね、皆さん、これから始める企業よりもより重要な顧客をすでに持っています。シェア20%のA社、10%のB社、8%のC社みたいな顧客がもうすでにいて、市場シェアがね、このA社、B社、C社が一番重要なわけですよね。これから参入をする、なんなら日系企業でダイナミックなプロモーション投資もしない、ちょっと駄目だったら撤退してしまうかもしれないみたいな企業に自分たちの経営資源をダイナミックに投下するかと言うと、なかなかやっぱり難しくて。エース級のチームはA社やB社やC社に行って、そうではないチームがあてがわれるというケースというのは往々にしてある。そうすると、これは必ずしも大手が良かったという話にはならなかったりするわけですよね。あと、大手になると、メーカー担当者と小売担当者というのは別にいて、メーカー担当者と商談するわけですけどね、小売の担当者というのには絶対会わせてくれないです。極力、小売とあまりメーカーの関係性をある一定性の距離感を保たせたがる。そんな中で自分たちの新商品の思いがディストリビューターの中にも2人別の担当がいて、これを通じて小売、さらには消費者に本当に届くかって言うとね、なかなか届かないというケースもあって。そうすると、必ずしも大手が良いかと言うとね、そんなことなくて。少し規模が小さくてもしっかりと手を握ってやっていけるところのほうが良かったりする。そうすると、突き詰めるべきはね、「誰と」売るかじゃなくて、「誰に」売るかということをほんとに明確にすればするほど、「あー、この人とやらなきゃ駄目だ。この会社とやらなきゃ駄目だ」ということが明確に見えてくるので、このPartner依存型は本当にもったいない依存型。そんなような話をここではしていて、B2C、B2Bに分けて書いているので、詳しくはこの5ページ~9ページまで書いてますから…、10ページまでか、ぜひこっちを見てもらえればと思います。

今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。