基準値の重要性
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、『製造業のためのアジア新興国販売チャネル戦略』、私の新刊の解説をしていきたいと思います。今日は38ページですね。前々回ぐらいから第2章に突入をしていて、第2章が「アジア新興国市場で成功する企業だけが知っている3つの価値観」ということで、シェアの高い企業というのは3つの価値観を非常に大切にしていますよと。今日はその3つ目のお話ですね、38。
「『基準値』を持つと何をもたらしてくれるのか」ということで、「基準値を持たない企業は戦いにも目標にも勝てない」ということで、基準値の重要性について記載をしているんですが。この基準値ね、英語でリファレンス・バリューというふうに言うんですけど、ものすごく僕は重要だと思っていて。必ずそのお客さんのね、お客さん、すでに参入している企業さんのほとんどですけど、新規で参入するにしても、すでに参入している企業でも、基準値をまず掴まないと、何が足りていて何が足りていないのかがまったく分からないので、基準値を掴む、リファレンス・バリューを知るということをまずやるんですよね。
これはどういうものかと言うと、例えば競合の競争力を100とした場合に、今の現状の自分たちの競争力は80なのか、70なのか、はたまた50なのか。要は、われわれのところにご相談に来る方というのは、課題があるということはもう分かっているんですよね。その課題がどうやらこの辺りにありそうだということも、もうある程度分かっていて、課題認識があるからご相談に来られていて。ただ、じゃあ、具体的にどれぐらい何をしないといけないのかっていうところでヘルプを必要としているわけなんですよね。もちろん課題を課題として認識していないという企業さんというのはそもそもたくさんいるんですけど、少なからずご相談に来られる方というのは、もう課題は認識できていますと。じゃあ、その課題がどれぐらいなのか、数値で課題を認識するということと、じゃあ、数値で認識した課題に対してどういう対策を打つかという、ここで悩まれていて、この基準値というのは非常に重要で。例えばね、競合の競争力を100とした場合に、自分たちの競争力は50だってね、倍違うと。倍違うと、やっぱり戦い方って全然変わってくるわけですよね。競合が100に対して自分たちが80、この20の差を埋めるのと、50の差を埋めるのっていうのはもう全然やることが変わってくる。何が足りていて何が足りていないのかっていうことが全然違いますから、足りていないものを補うための方策、経営資源の投下、それから必要な時間軸、これがまったく変わってくるんですよね。ここを理解していかないと、瞬時にパーンとこう、この差を埋めるなんていうことはできないので、やっぱりある一定期間、時間を投資する、費やすということが必要なわけですよね。それを最も効率良く最短でやっていくためにはどういう方法があるのかっていうことを考えていかないといけないので、このリファレンス・バリューの話はね、すごく重要。39ページのね、「最も効果的なポイントを探す」とかね、「指標という武器を最大限に活用する」とかっていうのは40ページですかね、そんなことが書いてありますけど、そんなことを書いているというのがこの42ページまでのお話です。
なので、ちょっとまとめると、第1章でね、失敗する企業というのは必ずこの3つの法則に当てはまっていますよと、この3つの法則に当てはまらないように気を付けていきましょうと。この3つの法則にもうほぼほぼ9割以上は当てはまっているので、まずそれを第1章でお伝えをしました。第2章、じゃあ、シェアの高い企業とか欧米の先進的なグローバル企業って、どういう価値観を大切にしているの? 3つの価値観を大切にしていますよというのが、今回のこの章ですよね。
次、次回からね、第3章、「日本企業が変えなければならないマインドセット」ということでね、やっぱり戦略とか戦術とかの前にその戦略が導かれる土台っていうのがあって、それってマインドセット、思考の部分なんですよね。こういう思考の方法が癖付けられているから、こういう戦略が組み上がってしまう。こういう戦略が組み上がってしまうと、こういう結果になってしまうという、ここは全部つながっているので、このもっと戦略の手前のマインドセットのところのお話を書いた章なんですけど、僕はすごく重要だと思ってるので、次回この第3章についてお話をしていきたいなというふうに思います。皆さん、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。