世界経済の3割を占めるRCEPの重要性
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『製造業のためのアジア新興国販売チャネル戦略』、私の新刊でございますが、この解説をしていきたいと思います。今日は第3章、最後ですね。第3章の最後なので、ページ、61ページぐらいからお話しましょうかね。前回ね、少し、強い企業は戦略を都市単位で考えるというお話をしましたと…。ごめんなさい、今日は63ページか。これは63ページ、アジアはもはや1つの大きな経済圏ということで、この第3章はマインドセットの話をいろいろしてきたわけですけど、最後ね、ちょっとマインドセットとは少し離れてしまうのかもしれないですけど。このRCEPって地域的な包括的経済連携のことを言う、2022年の1月ぐらいに結構ニュースで話題にもなったと思うんですけど、ASEAN10カ国、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ブルネイと、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの15カ国が参加している包括的な経済連携なわけなんですけど。これはやっぱりすごく重要で、ちょっとスライドを見てもらったらと思うんですが、このスライドの通りね、この地域に人口が22.7億人いて、世界の人口の約3割がこの地域にいて、GDPの世界の約3割がここにあって、貿易総額の約3割がここにあると。国内のね、日本国内の経済がこれだけシュリンクしていく中、欧米という大きな市場があって、今でこそこのRCEPというね、今までだと中国とか、ASEANとか、オセアニアとかって別々で見てましたけど、この地域を包括的に全体を捉えて、ここをどう獲っていくかということをやっぱり考えていく必要が日本企業はすごくあって。この地域、これだけ大きなね、世界の3割の地域が時差1時間~2時間ぐらいのところに、特にASEANなんかは存在しているわけですよね。フライト時間でも2時間半~7時間半ぐらいのところにあって、主戦場がね。こんなにすばらしい市場がこんなに近くにあるって、もうまさに恵みでしかないわけですよね。
これを包括的に全体像として見るということもそうなんだけど、人・モノ・カネ・情報がものすごく行き来する、特にASEAN圏内なんかは、シンガポールで流行ったものは瞬時にインドネシアに行くし、タイで流行ったものは瞬時にベトナムに行くみたいなね、僕が住んでいた1980年代とか90年代よりも、よっぽど人・モノ・カネ・情報の、互いの地域への交流が増しているので。もちろんインターネットの出現もそうだしね。そうすると、ASEAN全体を見ていく、RCEP全体を見ていくという視点と、一方で前回とか前々回ぐらいに話したね、どう戦うかということよりも、どこで戦うか、どこの国が勝ちやすいのかという視点で見ていくということもそうだし。あと、国単位で見る、地域単位で見るということも重要なんだけど、一方で都市単位で見るということも大変重要になってくるので。これはバランスなんですよね。戦略だって短・中・長で見ないといけない。住める地域だって、広い地域、地域で見る、国で見る、都市で見るということをやっていかないといけないので、バランスをすごく大切にしながら。ただ、一番の今回のメッセージとしては、このRCEPという経済圏、世界の3割を握る経済圏をやらない手はないので、ここにしっかりと経営資源を投資していくということはこれから日本の製造業にとってはますます重要になってくるということでございます。
今日はこれぐらいにして、次回からね、第4章、アジア新興国市場で最低限必要なフレームワークということで、フレームワークの話をちょっとやっていきたいなと思います。いろんなマーケティングのフレームワークありますけども、新興国市場でね、もうこれだけ覚えたらいいですよと、これだけ押さえたらいいですよというフレームワークをこの章では解説してますので、その話をしていきたいと思います。皆さん、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。