成果が出る企業の4P4C分析
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、『製造業のためのアジア新興国販売チャネル戦略』の解説を、私の新刊の解説をしていきたいと思います。今日は91ページ、3Cと4Pで参入戦略を描くというところのお話ですが、前回までですね、この僕がこの本でもね、過去の僕の本でも、この本でも、すごく推奨している魔法のフレームワークであるマーケティングの基本プロセス、この基本プロセスの中に日本の製造業のアジア新興国展開の課題、問題のポイントというのは全部含まれていますよと。ここが最適化されればモノは売れるので、モノが売れないということは、シェアが上がらないということは、このフレームワークのどこかいずれか、もしくは複数箇所がおかしいのであるという話をずっとしてきたと。この3Cと4Pをね、プラスアルファのフレームワークとしてお話をしていて、前回、3C分析というのはファクトですよと、ファクトをどれだけ集めるかというのがポイントで、4P分析というのは他社との比較であると、他社と比較して自分たちがどうなのかというところで比較論で見ていくということと、あと、ファクト論で見ていくというのが、もうこの3Cと4Pの違いですよと。今日、この91ページは、この4Pで、なかなか成果が上がらない企業の4Pがどういう4Pで、一方で、じゃあ、成果が上がる企業の4Pってどうなっているのかというところについてお話をしていきたいと思います。
まず最初のスライドを見ていただいて、成果が出る企業の4Pというのは、基本的にはこの1のターゲティング、ターゲットがめちゃめちゃ明確ですと。これはB2Cであろうが、B2Bであろうが、ターゲットがめちゃめちゃ明確になっていて、そこに4Pとか4Cを当てていくんですけど、この時点で4Pの概念ではなくて、4Cの概念で中身が組み立てられているというのが非常に大きな特徴。例えば4Pというのはプロダクト、プライス、プレイス、プロモーションなので、分かりやすく言うと、製造業側がね、売りたい側がどんなプロダクトを売りたいのか、どんなプライスで売りたいのか、どんなプレイスで売りたいのか、どうプロモーションしたいのか、すべて製造業からの観点なんですよね。これはこれですごく重要で。
プロダクトアウトとマーケットインという言葉があるんですけど、これは両方とも重要でね。プロダクトアウトというのはメーカーが考えていることを市場に押し付けていく、押し付けてと言うと言い過ぎかもしれないですけど、市場に投下していくと。一方でマーケットインというのは、市場が何を求めているかをしっかりと理解して、市場の意見を聞き入れて商品を開発していくということなんですけど、これは両方必要で。まず、なぜ両方必要かと言うと、消費者は必ずしもメーカーの、メーカーが「皆さん何が欲しいですか」と聞いたところでね、真実というのはね、消費者も気づいてないというケースが往々にしてあって。消費者の心の中にあって、それって消費者自身が、本人自身が気づいてないので、いくら市場に聞いたって出てきませんよという観点が1つ。ただ、一方で、ある一定の領域においてはやっぱり消費者の意見は聞いていかないといけないということでマーケットインというのは必要ですよと。もう1つプロダクトアウトというのは、ときとして消費者はね、製造業の顔に共感を得るということが、昨今、往々にしてあって。「私たちのクールはこれです」と、「これを私たちはクールと思っているので、これをクールと思う人たちだけ買ってくださいと、そうじゃない人たちは買わなくて結構です」という、こういうスタンスね、こういうスタンスが消費者の心を掴むということは往々にしてあって。一方で、日本企業にありがちな八方美人戦略と言うんですかね、おじいちゃんもおばあちゃんも、お父さんもお母さんも、男の子も女の子も、みんなに笑顔というね、これはあまりクールとしない、こういう消費者もいるわけなので、このプロダクトアウトとマーケットインというのは必ず必要で。
それと同じように4Pと4Cというのはすごく重要なんですよね。4Pというのはメーカー側の視点で見たもの。一方で、4Cというのは、これはまずカスタマーバリューと、それからコストね。カスタマーバリューというのは、プロダクトはカスタマーバリューに置き換わる、どういうことかと言うと、顧客にとって価値なの? このプロダクトは価値になるんですか、顧客が求めている商品なんですか、顧客の価値ですかということ。プライスというのはね、こっちから見たら価格なんだけど、買う側から見たらコストでしかないわけなので、顧客費用、コストのCですね、顧客が賄える、許容できる価格なのかということ。プレイスに関しては、コンビニエンスに変わっていく。顧客が買いやすい方法、これって顧客にとって利便性が追及されていますかと、このプレイス、このチャネル戦略はと。プロモーションは、コミュニケーションに変わる。顧客とのコミュニケーション、顧客が選びたくなるような仕掛けをね、どう顧客とコミュニケーションを取っていますかという、これがやっぱりあるべき姿で。売れている商品をこの4Pとか4Cのフレームワークに当てはめていくとね、ターゲットと4C・4Pのフレームワークに当てはめて、もうね、見事なように、見事な通りにこの最適化されてるんですよね。一方で、じゃあ、シェアの低い企業の4P・4Cはどうなっているかと言うと、まずね、ターゲットありきじゃないんですよね。4Pありきなんですよね。4Cという概念は、そこにはもう、ほぼない。結局、ターゲットに対しての4Pとか4Cであるべきなのに、もう自分たちがすでに日本国内もしくは先進国で実績が出た4Pをそのまま持ってくるわけですよね。プロダクトに関してもあまり変えたくないと、日本で実績のある商品をできればさほど変えずに。プライスに関しては、アジア新興国なので少しは安くするけど、できれば日本と同じぐらい、プレミアムでと。プレイスは、日本で慣れ親しんだ方法が基本なので、現地の各国の独特の流通事情というのはなかなか最初から加味されない。プロモーションに関しては、できればあまり、実績が出るまでは投資したくないというかたちで、結果としてのターゲットになってしまうので、B2Bだったら結果としてローカル企業には売れないと、B2Cだったら中間層には売れないみたいな話になってしまうわけですよね。
やっぱりね、これだとなかなかやっぱりうまくいかないですよね。絶対的にまず大きな間違いとしては、ターゲットに対して4P・4Cをどうぶつけるかという、この順序が全然違うということと、4Pではなくて4Cの概念で考えるということがめちゃめちゃ重要ですよというお話でございます。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。