伝統小売攻略に必要な方程式
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き前回と…、前回の続きになるのかな。前回が「伝統小売攻略における組織体制とマネジメント体制はどうあるべきなのか」ということをお話をしていますと。対象は食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカーで、彼らが伝統小売の攻略をするためには基準値を持たないといけないよねと。その基準値というのは、組織体制と組織のマネジメント体制における基準値であると。そこがないとなかなかやっぱり勝ち筋を見出せませんよというお話を前回させていただいていると。今回は、伝統小売を、じゃあ、引き続き攻略していく上でね、われわれが活用している方程式みたいなところの話をしていきたいなというふうに思います。この方程式が合ってないのに伝統小売で成功するなんていうことはまずなくて、この方程式に自分たちの今の競争力を全部当てはめていくと、どれぐらいできるのかっていうのが容易に出るので。この計算は嘘をつかないので、常にこの計算に応じて経営資源の投下配分を決めていくということがものすごく重要なので、そんなお話をちょっと今日はしていきたいと思います。じゃあ、早速、スライドをお願いします。伝統小売なのでね、ASEANの場合はVIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンがまずは中心になってくるのかなと。ベトナムで66万店、インドネシアで470万店…、447万店か、ごめんなさい、447万店、フィリピンで80万店ということで、この伝統小売をどうやって攻略していくかなんですが。伝統小売での売上をね、赤いところ、=(イコール)、じゃあ、何で構成されているかと言うと、もうこれは間違いなく間口数×店頭販売数なんですよね。ストアカバレッジ×セールスパーストア、もしくは、間口数、ストアカバレッジ×インストアマーケットシェアとかっていう言い方を僕はしていたときもありますけども。基本的には、もう、シンプルに言うと、どれだけの間口に商品を並べられたかっていうことと、じゃあ、その並べた間口でね、お店でどれだけ回転しましたかという、もう、ここなわけですよね。なので、もう、「並べる」ということはすごく重要で、この並べるということ、間口数を獲るということが、いわゆるチャネル周りのお話で、日本企業が非常に不得意な領域ですよね。
一方で、じゃあ、並べたものが手に取られる、これは近代小売でのプレゼンスももちろん影響してくるし、一方でプロモーションの要素が非常に強いので、どれだけそれが知られているか、要は、伝統小売で商品を買う人というのは指名買いなんですよね。基本的には、「おばちゃん、あれちょうだい」「おじちゃん、あれちょうだい」の世界なので、伝統小売の店先でね、狭い店先で「どれにしようかな。これにしようかな」なんていうことはまずなくて、「あれちょうだい」。この「あれ」になるということは、やっぱり近代小売で「あれ」になっていないといけないし、伝統小売でそもそも「あれ」になっているから売れるという話でね。これはもう非常に、勘違いしてはいけなくて、並べたら売れるなんていうことは絶対になくて。しばらくは近代小売が必須、100%必須とまでは言わない、近代小売で売れてなくてもね、売れているケースとかね、売れている都市、国というのはあるので、100%とまでは言わないし、地方のほうだけで限定、地方の伝統小売限定で売れていたりとかね、グローサリーまで、近代小売と言ってもグローサリーレベルまでとかっていう、メインの近代小売には置いていないのに売れているというのもあるので、マストとは言わないけども、やっぱりある程度認知があるということはすごく重要なので。間口数を獲るということがチャネル、左後輪だとすると、店頭販売数を獲るというのは右後輪のプロモーションに相当する話で。
じゃあ、このね、売上=間口数×店頭販売数を少しブレークダウンしていくとね、まずこの間口数のところなんだけども、総間口数分のSM1人あたり担当間口数×KDSM数と書いてあると思うんですけども、このSM1人あたりの担当間口数というのはセールスマン、セールスマン1人あたりの担当間口数、ここに日本企業は結構あれがあって、シェアの高い企業ってね、消費財でね、1人あたりで1日25件ぐらい回っているんですよ。一方でね、シェアの低い日系の現地法人のセールスを見ていると、10件程度、多くても15件とかね、そういうレベルでしか回れてなくて、10件から15件の差が、1日ですよ、毎日あるわけですよね。新規の獲得で、なんか言った場合はね、それはそこからどれぐらいコンバージョンするかという話なので、やっぱり多く数を回らなかったら、絶対に間口なんか獲れないんですよね。このSM1人あたりの担当間口数×KDSM数、キーディストリビューターのセールスマンの数、自社のセールスとディストリビューターのセールスといるわけですよね。これを深堀って見ていくと、そもそも数足りてないじゃんと。セールスマンの数が足りてない、総間口数に対してセールスマンの数が足りてない上に、セールスマンの質が悪くて回れる件数も足りてないみたいなケースが往々にしてあるので、間口が全然伸びませんと。×店頭販売数なので、間口が伸びてないのでプロモーションも打てない。なので、八方塞がりの状態になるわけですよね。間口を伸ばさなかったら、プロモーションを打ったって、これは砂漠に水をまくようなものなので、これは併せてやっていくということがすごく必要で。
店頭販売数をどう伸ばしていくかって、もちろんね、製品、プライス、これがクリアになっているから伝統小売に並べようという判断をするので、ここでね、4Pで言うプロダクト、プライスのところはもうクリアになっているということは前提ですと。じゃあ、プレイス、プロモーションって考えたときに、プロモーションをね、じゃあ、何か億単位でバンバン投下できるかと言ったらできないわけで、それを中途半端にね、ディストリビューターに年間1,000万ぐらいの予算預けて「やってください」と、「使った分だけエビデンス付きで報告してくださいね」って言ったとてね、そんな、ディストリビューターがプロモーション最適化なんかできないので、やっぱりそこはこっちで握らないといけないし、と僕は思っているし。それよりも、この方程式に合わせたセールスマンの数、セールスマンのディストリビューターの中のセールスマンの数、それのマネジメント方法、前回の話ですよね、それになっているのかということがやっぱりすごく重要になってくるというお話でございます。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。




