アジア新興国 ディストリビューターの発掘選定
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、ディストリビューター、強固な販売チャネルのつくり方ということでお話をしていきたいと思います。前回ね、強固な販売チャネルをつくるには3つのステップが必要ですよと、1つがディストリビューターの発掘選定、もう1つがディストリビューターとの契約交渉、そして3つ目がディストリビューターの管理育成ですよと。この3つがしっかりステップとして踏まれないと強固な販売チャネルはできませんよというお話を前回しています。今日は、一番最初のステップの発掘選定のお話をしていきたいと思います。
じゃあ、早速スライドをお願いします。前回も少しお話をしましたけども、このディストリビューターの発掘選定で成功の6~7割ぐらいは決まっていきますよと。誰とやるかってめちゃめちゃ重要ですよと。ここを失敗すると、「駄目な相手とどれだけやったって、もう駄目なものは駄目にしかならない」っていうぐらいに私はいろんな経験をしてきましたので。労力もパワーもかかるし、それに対する成果がやっぱり低いし、ROIが悪いので。であれば、もう最初に最適な相手を選ぶということがね、やっぱりすごく重要なんですよね。じゃあ、この最適な相手って何なんですかという、ここがめちゃめちゃ重要で。なかなか成果の上がらない企業の販売チャネルを見ていくとね、「なぜここと組んでいるの?」と、「いや、いろんな経緯があって」というね、いわゆる「誰と組むか」ということは重要なんだけども、「誰と組むか」よりも「誰に売るか」のほうが圧倒的に重要で。「誰と組むか」というのはね、売りたい相手、「誰に売るか」、この売りたい相手に売れる相手と組むべきなので、デカいとかね、ディストリビューターの規模がデカい、財閥系だ、実績がある、日本に親日だとか、こういうことってあまり関係がなくて、大手と組んだとしても、売りたいところに売れないケースなんて往々にしてあって。要は結局、大手というのは自分たちよりも重要なプリンシパル、メーカーをたくさん抱えているわけですよね。そうすると、優秀なチームや人材は全部そこにいきますと。彼らの会社の経営資源の大半はそこにあてがわれる。なぜならば、そっちに資源を投下したほうが売れるから。特にこれから、じゃあ、市場を伸ばしていくような企業とか、日系企業みたいに多額なプロモーション予算が出ないような場合はね、やっぱりそんなにダイナミックな経営資源投下をしてもらえないんですよね。そうすると、本当に大手がいいの?っていうと、そうじゃなかったり。導入期は中堅クラスのディストリビューターで、こちらで扱いやすいようなね、首根っこを掴みやすいようなディストリビューターを使うほうが得策だったりするわけなんですよね。
なので、重要なのは、まず、ディストリビューターの選定はすごく重要です。発掘選定はすごく重要です。でも、その前に「自分たちにはどういうディストリビューターがふさわしいんだっけ?」ということからまず決めていくということがすごく重要。この「ふさわしい」というのはね、やっぱり「誰に売りたいの?」という話なんですよね。B2C、FMCG、食品・飲料・菓子・日用品、これだったらね、近代小売に売りたいとか、伝統小売に売りたいとか、じゃあ、近代小売でも、このスーパーに売りたい、伝統小売だったらこの地域の、このクラスの伝統小売に売りたいって、これが明確になる必要があって、じゃあ、「そこに売れるディストリビューターは誰?」ということで絶対的に絞り込んでいくわけですよね。まず、そこに売れないというディストリビューターは絶対評価の段階で削られていくわけですよ。あと、売上もそうですよね。「10億やりたい」と言っているのに、売上が5億しかなかったら、これはキャッシュが回りませんから、こういうディストリビューターも当然削られていく。どんどん、どんどん、絶対的な、自分たちが絶対的に必要なスキルがないところを削っていくと、最終的には数社の候補が残る。それらを相対的に比較して初めて「ここにしよう、あそこにしよう」という話になってくるので。このロング、ミドル、ショートに絶対評価と相対評価で絞り込んでいくというプロセスはめちゃめちゃ重要で。「今、自分たちの手の届くところにあるディストリビューターにやらせてみよう」とかね、これ、1回ディストリビューターと組んだら、そんなにバサバサ変えられないんですよ。まず、「初年度だから予定通りいかなくてもしょうがないね。もう1年見てみよう」と。2年目ぐらいになると中途半端に実績出すので、「まあ、ちょっと実績も出てきたし、予定よりはだいぶ低いけど、もう1年見てみよう。石の上にも3年って言うもんね」ということでもう1回見て、3年経ってまた中途半端に売上が伸びて、「うーん。まあ、人間関係もできてきたし、頑張ってはくれてるので」みたいな話でだらだら、だらだら、付き合いが延びていって、長くなればなるほどディストリビューターを交換すると、変更するということがしにくくなっていくということになるので、基本的には1回決めてしまったらなかなかディストリビューターを変えるというのはね、これは現実的じゃないし、売上が中途半端についてくると、それこそ大変なので。やっぱり最初にしっかり決めるということがものすごく重要ですよと。
ディストリビューターの発掘選定、成功の6~7割は決まりますので、今一度しっかりとしたプロセス、絶対評価と相対評価のプロセスをやっていくということと、大手、実績、それは大手で実績があったら言うことないけども、それが自分たちが売りたいところに売ってくれるとは限らないので、まず自分たちがどうしたいのか、自分たちは誰に売りたいのかということがあって初めて誰と売るべきなんだということがあるということをしっかりと認識をして整理をしてもらえたらなというふうに思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。




