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ASEAN 現実的なディストリビューター選定

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、強固な販売チャネルのつくり方についてお話をしていきたいと思います。前回からかな、前回か前々回からか、強固な販売チャネルをどうやってつくっていくかというお話をしていて、主にFMCG、B2Cの消費財のメーカー向けのお話ではありますが、B2Bの製造業にとっても自分たちの事業に解釈を変えてもらえればよろしいかなというふうに思います。

強固な販売チャネルをつくるための3つのステップというのを前回お話をしていて、1つがディストリビューターの発掘選定、もう1つがディストリビューターとの契約交渉、そして最後がディストリビューターの管理育成ですよと。今はまだこの一番最初のディストリビューターの発掘選定のお話をしていて、このディストリビューターの発掘選定で成功確率の6~7割は決まってしまいますよというお話をしてきたわけですね。今日は、じゃあ、実際にこのASEANを対象にしたときのね、ディストリビューターの現実的な選定ってどうなっていくんでしょうと、自分たちに適したディストリビューターを選定する必要がありますと。必ずしも大手で実績があるところが自分たちに適したディストリビューターかって言うと、そうじゃないケースも当然あって、自分たちにいかに適したディストリビューターを選定するか。この「適した」というのは、「誰と」売るよりも、「誰に」売るほうが圧倒的に重要なので、「誰に」売りたいのかということが明確になってないと、この「誰と」売るべきか、つまりは適したディストリビューターの発掘はできないですよという話を前回していて。そうは言っても、実際にやっぱり適した、「あー、ここ、適しているのにな」って思っても、結局、ASEANなんかはもうディストリビューターの椅子取り合戦は終わっているんですよね、一巡してしまっていると。中国もそうだし。インドなんかは、まさに今、始まっている、そういう状況なので。この一巡してしまったディストリビューターの椅子取り合戦の中で、じゃあ、どこの辺りのディストリビューターをね、落としどころにするのが現実的な選択になるのかということについて今日はちょっとお話をしていきたいと思います。

では、スライドをお願いします。これは横軸が自分たちの取扱商品が近い・遠いですね、縦軸がディストリビューターの規模が大きい・小さいということで。言ったら規模が小さくて、自分たちの取扱商品から遠い、いわゆる左下はもう不要なので、基本的にはこの、何も色がついてないと思いますけど、そこはもう除きますと。そうしたときにやっぱり一番いいのは右上ですよね。大手で実績があってとかって皆さんが想像されるのって、もう右上の角みたいなところ、企業規模も大きい、大手、実績もあって、そして商品の取り扱いも自分たちに近いというか、同じ。これはどういうことかって、商品の取り扱い、例えば食品メーカーはディストリビューターもね、食品系が、フード系が強いディストリビューターもいれば、ノンフード系が強いディストリビューターもいるし、じゃあ、食品といってもね、お菓子が得意ですよというディストリビューターと、われわれは調味料が得意なんですという、これで遠い・近いというふうに言っていて。やっぱり一番いいのは右上なわけですよね。でも、そんなディストリビューターは、もうすでに他社に獲られているか、もしくは他社と大きな事業をやっているので、これから新たにお取り引きをする皆さんの商品に対して、どれだけ、じゃあ、本気になってくれるかっていうとね、必ずしも経営資源を大きく投下をしてくれるとは限らないわけですよね。そうすると、グループAがそれはいいんだけども、グループAでも少し左に寄っているとかね、少し下に寄っているとか、中堅規模、もしくは若干商品が遠い、こういうところと現実的には組んでいく。やっぱり私が思うのは、もうこれは商品にもよるんですけど、商品がやっぱりあまりにも違い過ぎると、これはFMCGの場合は、結構ね、大変だと思うんですよね。フードを得意としているディストリビューターはやっぱりフードの、例えば近代小売で言うと、フードのバイヤーと関係が近しいので、ノンフードのバイヤーとは関係が遠かったりするわけですよね。でも、一方で伝統小売というステージで繰り広げるときはね、別にこれはフードのバイヤー、ノンフードのバイヤーって分かれてないですから、基本的にそういう伝統小売では十分ワークすると。ディストリビューターにそもそも近代小売を任せること自体がナンセンスなので。なので、若干左に振っても僕は全然構わないと思っていて。それよりも、どれだけ一緒になってやっていけるか、次回お話するマインドセットのところのお話をしますけども、スキルセットがクリアした上でどれだけマインドセットを同じにできるかというほうが僕は重要だと思うので、現実的にはこの赤い枠の辺りから選んでいくということが多いのかなというふうに思います。

導入期はね、やっぱり日本のメーカーさんは漠然とね、大手、財閥系、実績のあるところ、こういうところを選びたがるんだけども、それは大きくて実績があって財閥だったら安心なんだけども、この安心って何から来ているかって言うと、すごく表面的な話でね、本当に重要なのって、自分たちのターゲットに対して本当にこのディストリビューターは売れるの?と、売れるスキルセットがあるの?と。スキルセットはあっても、マインドセットがついてこなかったら、そのスキルは十分に使われないので意味がなかったりするんですよね。だから、「スキルとマインドが本当に自分たちのターゲットに向いていますか」ということを見極める期間が契約締結までの話でね。選定なんか特にね、このスキルとマインドのセットがしっかり合っているか、自分たちのターゲットに対して本当に売れるのか、売ってくれるのか、売れるのかという物理的なスキルはスキルセットだし、売ってくれるというそのマインドセット、経営資源をしっかり投下してくれるというのはマインドセットだし、この2つをやっぱりしっかり見ていくということが大変重要になってきますよというお話でございます。

今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。