アジア新興国 契約締結までにやるべきこと
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、いよいよステップ2ですかね、何回か前のエピソードから「強固な販売チャネルをつくるための3つのステップ」ということでお話をしていて、今日は2つ目のステップ。最初のステップがディストリビューターの発掘選定、ここでもう勝敗の6~7割決まってしまいますよと。一方で残りの3~4割、ここは今日お話する契約交渉で決まると。「3つあるのに2つで100%だったら、最後やる必要ないじゃん」ってお思いに今なった方いらっしゃると思うんですけど、最後の育成に関しては、この100%を維持するために育成というのがあるので、基本的にはもう成功確率の、成功確率というのは目標数値とか目標シェアに対する達成確率、達成度の度合の確率のもう100%はこの契約交渉まででもう決まってしまっているというふうに言っても過言ではないかなというふうに思います。本当に「誰とやるか」を、最初の発掘選定の「誰とやるか」、ここで成功確率の7割はやっぱり決まってしまう。駄目なディストリビューターとどれだけやっても、やっぱり駄目なものは駄目にしかならないので、基本的にディストリビューターの選定というのはめちゃめちゃ重要です、ということが1つ。じゃあ、その選んだディストリビューターがしっかりパフォーマンスを発揮させるために契約があって。契約は儀式ではなくて、本当に、じゃあ、締結したあと、その直後から「どういうふうに約束事を達成していくの?」という、この方法論を契約締結までに決めるという話なんですよね。要は、多くの場合は儀式になってしまっていて、役割を決めるのが契約だと思っているんですよね。そんなことでは全然足りなくて、その役割をお互いに担う、つくる人、売る人という役割を担って、その結果、どういう数字を生むのかということが契約書にしっかり盛り込まれるというのが最も重要でね。さらに言うと、「その数字をどう達成するの?」というところまで盛り込めれば、これは非常に良くて。そこまで盛り込むというのはなかなかハードなのかもしれないので、そこは別途握っておくということがすごく重要で。
ちょっと図を見ながら説明をしていくと、契約交渉があって。これって、「ここいいな。お互い興味があるよね。じゃあ、やりましょう。はい、販売店契約書、これがひな形です。お願いします」ということではなくてね、これってもう単なる儀式ですよね、契約そのものが。そうではなくて、じゃあ、契約をして、「お互いどういう目標値を共有しますか」ということをしっかり決めないといけない。契約条件ですよね、それがね。それから、契約後の戦略のすり合わせ、じゃあ、どの、自分たちのターゲットはもう決まっているわけですから、「そのターゲットに対してどういう組織で何をしてくれるんですか」ということをしっかりすり合わせる。あと、KPIをしっかり設定する。要は、「自分たちの100という数字目標を達成するためにはこのKPIをしっかり見ていかないと達成しないよね」というロジックがあって、それがメーカーとディストリビューターと両社でしっかりと腹落ちして、その上でお互い役割に応じてそれを実行していきましょうということなので、この3つはしっかり契約の中に含める。ここの話し合いで折り合いがつかなかったら契約すべきじゃないんですよね。なんかね、良いディストリビューターというね、この「良い」という、ぼやっとした定義のまま締結をして、じゃあ、やってみて、結果はやってみないと分からないみたいなね、そういう状態で進めているケースが結構多くて、いやいや、そうじゃなくて、契約締結までにある程度この自分たちの100というゴール、このターゲットに対してこの100というゴール、ここをどう実現するのかということを詰めていくということはすごく重要で。これね、欧米系のディストリビューターなんかはもう当たり前にやっていて。国にもよるんですけど、結構ね、インドのディストリビューターとかなんかは、「100やりたいです」ってメーカーが言っても、「本当に100できるの?」と、このエリアで本当に100という数字が現実的なのか、これをしっかりマーケットリサーチをしっかり最初にやって、「100できるね」と、これだけのターゲットがあって、コンバージョンレートがこれぐらいで、「じゃあ、100できるね」という、この事前のマーケットリサーチによる合意形成を持たないと締結しないとかね、そこまでしっかりやっている。ぼんやり100とかね、なんとなく100じゃなくて、そこまでマーケットリサーチをした上での100だったりするんですよね。「じゃあ、自分たちはこの100をやったときに、自分たちの会社にこれだけの利益が残るので、これだけの経営資源を投下します。メーカーとしてはここまでやってください」みたいなことがしっかり折り合い話される、こういう国、ディストリビューターもあります。欧米の企業なんかが使ってきたところはこういうマインドセットで。
でも、本来そうですよね、そうあるべきで。だって、「なんとなく良いから、大手だから、実績があるから、じゃあ、そこに任せて、よし、見てみよう」って、そんなアンコントローラブルな状態で販売チャネルをつくったら、やっぱりこれはおかしな話だし、大手だからとか、実績があるからって、それは他社との実績であって、他社の商材を担いでいる、その結果としての大手であってね、これから参入する自分たちの商品にそれだけの経営資源を投下してくれるかって言ったら、これは分からないわけですよね、ディストリビューターもいろんな事情がありますから。そうすると、やっぱりここまで詰めて決めていくということが大変重要になる。ということなので、必ずわれわれなんかは、締約締結までに契約の条件交渉、契約後の戦略のすり合わせ、それからKPIの設定、ここはしっかり握るということをやっています。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。




