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アジア新興国 攻めの契約交渉

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日でこのディストリビューターとの契約交渉も最後かなというふうに思います。強固な販売チャネルをつくるためには、ディストリビューターの発掘選定、それから契約交渉、管理育成が重要ですよと。今日はこの真ん中の契約交渉の最後ということでお話をしていきたいと思います。対象は、B2Cの製造業、消費財メーカー、FMCGが中心になります。食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカーが中心のお話です。

じゃあね、まずこの契約交渉のお話なんですが、一番このメッセージとして重要なのって、ディストリビューターとの契約交渉、これって選定でもう7割決まりますと。契約交渉をどうやるかでもう100%決まってしまいますと。ここまででもう成功確率の100%が決まってしまう。じゃあ、管理育成要らないじゃないかって言うんだけども、管理育成はこの100%をどれだけずっと維持できるかのためにやることなので、基本的にはもう契約交渉までで100%決まってしまうというぐらいの気持ちで考えてもらったら構わないと思うんですよね。契約交渉って、「うちのディストリビューション契約ってこれがひな型なので、これを締結して終わりです」っていうような契約を結構していて。私、今まで25年近く、何百というディストリビューション契約をレビューしてきたけども、やっぱり日本のB2Cの製造業の契約書って、契約書の守りの側面は非常に完璧なんだけども、攻めの側面が非常に弱くて、契約交渉してないんですよね。何をしているかと言ったら、契約をしているというだけの話で。これはやっぱりね、もったいないなと思っていて。契約交渉をどれだけ巧みにやるかということでね、ディストリビューターに火をつけることもできればね、やる気を起こすこともできれば、彼らがもともと契約交渉を始めたときには「これぐらいの経営資源で」って考えていたものを、もっと大きな経営資源を投下させることを引き出すような、そういう要素にもなるし、契約交渉をどうやるかでディストリビューターの動かし方を大きく変えていけるんですよね。契約交渉をしている1~2カ月の中でね、相手の人となり、オーナーの考え方、こういったものも見えてくるわけなので、ここじゃないと思ったときには、契約締結しないで引くという、そういう判断にもなるわけなので。あとで分かって、こんなはずじゃなかったということを、出来る限り契約締結前に分かっておくという意味でも非常に重要で。じゃあ、そのノウハウとかセンスって全部この番組を通じてお伝えできるのかって言うとね、なかなかそうもいかないと思うんだけども、今回の番組エピソードで分かりやすくテクニカルなお話でお伝えしたいのは、独占と非独占とか、コミットメントの有り無しとか、あと、単年度か複数年契約かみたいなね、この3つの武器を巧みに使うだけでディストリビューターとの協業ってね、ものすごく活性化させることができるんですよね。

ちょっとスライドをお願いします。このスライドの通りね、上の図、契約書っていうのは攻めの部分と守りの部分がありますよと。基本的には守りの部分は完璧だと思います。一方で、やっぱり攻めの部分がもったいないなというのが今まで私がレビューしてきた契約書でたくさん見てきたもの。もちろん欧米の先進的なグローバル企業とディストリビューターが結んでいる契約書だってたくさん見てきましたし。どうやって手に入れているんだという話ですけど、それはお答えしませんけど。そんなものも見てきて比べたときにね、1つやっぱりあるのが、独占をやたら意味なく渡しているみたいなね、なぜこの会社に、このディストリビューターに、このエリアまで独占を与えているの?と。このディストリビューターが強いのはここじゃんと。なのに、なぜ強くないエリアまで独占与えてしまっているんですか、とか、これはまったく意味ないんですよね。ディストリビューターって必ず「独占」って言ってくるので、僕は独占を与えることはすごく良いと思います。ただ、独占って、彼らが弱い地域に独占を与えたらあぐらをかくだけなので、基本的には彼らの商圏を守ってあげる、彼らに経営資源の投下をしてもらうので、その経営資源を投下させるために、じゃあ、彼らの商圏を守ろうということで独占契約をしてあげる話なので。これはね、やっぱり独占は僕は賛成。ただ、エリアを絞る、顧客を絞るというね、絞らないと駄目。何でもかんでも独占というのはね、これはやっぱり駄目だなというふうに思います。この国、全部独占とかね、この県、この省、全部独占とか、いやいや、この県は本当に全部、彼らは見れているの?とかね、あと、ほかのディストリビューターと比べたときにどうなの?とか、あと、複数のディストリビューターを使う場合だってあるわけですよ。そうすると、後々のことを考えたときに、やっぱりこうしておいたほうがいい、ああしておいたほうがいいということを短中期的な判断で考えないといけないというのは1つですよね。そういうことを考え過ぎて非独占というのも、これまた良くなくて。非独占なんだったら、いつなんどきね、ほかのディストリビューターを活用されるか分からないし、うちが独占じゃないのでっていうこともあると。でも、まあまあ、やたらめったら独占を与えるぐらいだったら、非独占にしておいたほうがいいと思います。その代わり、彼らの商圏を守ってあげる何か別途の覚書を結んでおくとかね、そんなことはしてあげたらいいと思うんですよね。

あと、コミットメントもそうですよね。これは独占か、非独占かって、やっぱり独占欲しいんだったら、コミットメントしてと。これは目標とは別の話。目標10億と。ただ、最低5億は買ってねと。最低5億は買ってねと。目標は10億でいいけど、最低のコミットメントもなくて独占欲しいってどういうこと?ってね。これは数字的なコミットメントじゃなくてもいいですよ。じゃあ、独占を与える代わりに、セールスマンを何十人用意してくださいと。専属を何人用意してください。こういうコミットメントでも良くて。独占という権利をそんなに安々と安売りせずに、それと引き換えにしっかりコミットメントをもらうということがすごく重要なので、そういうことをうまく使っていく。

あと、結構、契約書を見ていると、単年度契約になっている契約書って結構多くて。単年度で何ができるんですかっていう話でね。契約開始で1年でね、そんなにたくさんできなくて。結局、1つのディストリビューターとの取り組みね、少なくとも2~3年は見るわけですよ。ここと本当にこのままやっていけるかみたいな話はね。だとすると、やっぱりメーカー側も腹を決めて複数年で契約をするということをね、2年とかね。結構、欧米系の先進グローバル企業は2年の契約とか多いですよね、2年、3年。そうしないと、やっぱりディストリビューターの立場からしてみたら、経営資源を投下できないですよね。だって、来年切られるかもしれない、1年で切られるかもしれないのに、新しい人材、採用できませんとかね、そんなに力入れられませんと。当然ですよね、経営者としては当然の判断になるので、基本的にはやっぱり複数年契約とかね。単年契約、「基本的には続けますよと。なんだけども、形式上、単年度でなんとかうちのひな型、これなので」みたいなのはね、日本では通じても、なかなかやっぱりアジアでは契約書に書いてあることがすべてなので。アジアではというか、世界ではという話だと思うんだけども。

なので、やっぱりこの独占、非独占、コミットメント有り無し、それから複数年、単年、これらをうまく組み合わせて、どうお互いの効果が出る契約になるかっていうことがすごく重要。これが僕は攻めの契約だというふうに呼んでいるいるので、守りだけじゃなくて、攻めもしっかり決めていく。先進グローバル企業はこの攻めをしっかり組み立てているので、ぜひ皆さんも契約書をもう1回見直してみるということをしてみてはいかがでしょうか。

今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。