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ASEAN・インド 良いディストリビューターの定義 その1

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、良いディストリビューターの定義についてお話をしていきたいと思います。対象エリアは、いつも通り新興国、ASEAN、インド中心になると思います。対象インダストリーは、まあまあ、いつも通り消費財が中心ですが、別にB2BでもB2Cでも、製造業の皆さんが対象になるかと思います。

今日はね、良いディストリビューターの定義ということでお話をしていきたいんですが、特にスライドはなくて、こういうかたちでお話をしていきますが…。何を持って良いディストリビューターとするかということは非常に重要で、この番組でも過去のエピソードで何回もね、ディストリビューターの選定で成功確率の7割が決まってしまいますよというお話をしてきたと思います。ディストリビューターの選定で7割が決まって、そのディストリビューターとどういう契約交渉をするか。つまりはどういうKPIを設定して、どういう攻めの部分と守りの部分の契約項目を確定させて、どういう目標数値を設定するのか、独占・非独占をどうするのか、どのターゲットにどういう組織をつくって日々何をやるからそれが達成するのか、プロセスの部分ですよね、そういう諸々の契約交渉をどううまくやるのかで、これで3割が決まるので、100%決まってしまいますよと。最後、管理育成をすることで、この100%を維持していけると。100%になって終わりじゃなくて、これをずっと維持し続けなきゃいけないので、そのために管理育成がありますよと、そんな話を過去のエピソードでもしてきていて。

この最初のステップ1のディストリビューターの選定で成功確率の7割を決めるというふうに言うんだけども、じゃあ、すごく重要なディストリビューターの選定を成功するために、もう1つ手前のところで重要なものがあって、それはターゲットを明確にするということなんですよね。結局ね、「誰とやるか」によって成功確率の7割が決まるって私は言っているわけですよね。でも、「誰とやるか」よりも「誰に売るか」、「誰と一緒に売るか」よりも「誰に売るか」のほうが圧倒的に重要で、この「誰に売るか」が明確になっていればなっているほど「誰と売るべきか」ということがさらに明確になってきて、この「誰と売るか」というものがしっかりすると成功確率の7割が決まると言っているので、まずもって「誰に売りたいんだっけ」と、自分たちは「誰に売るべきなんだっけ」ということをもう明確にする、消費者のインサイトを明確にしていくということがまずもう絶対的に重要なわけですよね。

どの国の、どの都市の、どのエリアの、どういう属性の消費者に、どの小売を通じて売りたいのかということが明確になると、この一番のターゲット層はこの小売で、顧客接点を最も持っている小売というのはここなんだと。じゃあ、ここに確実に売れるディストリビューターである必要があるので、基本的には大きいとか、小さいとか、実績があるとか、財閥系だとか、そういうことは関係なくて、そこに本当に売れるかどうかの判断軸になっていくわけですよね。そのときの判断軸として、今すでにその小売と口座があるのか、例えば…。分かりました。分かりやすく具体的な事例で言うと、タイの小売市場はCPグループがセントラルグループで牛耳られていて、CPがセブンイレブンを持っていて、1万5,000店舗ある。このセブンイレブンに入れないと1万5,000店舗なんて持っている小売はほかにないのでね、世界で2番目にセブンイレブンの数が多い国ですと。じゃあ、このセブンイレブンで自分たちの商品は売れないと負けなんだということになってくると、セブンイレブンに確実に売れる相手とやるということが重要なわけですよね。じゃあ、大手だったら実績がある、こうなってくるわけですけども、ここで考えなきゃいけないのは、大手って、なぜ大手なのかと言うと、これから取り組む皆さんの商品よりも、もっと昔からやっていて、もっと重要な彼らの売上のポートフォリオの大部分を占めるようなブランドを持っているわけですよね。そうすると、そのブランドのほうが圧倒的に重要だし、本当に彼らが持っている経営資源をこれからやるブランドに投下してくれるのかと言うと、必ずしもそうは限らないわけですよね。これって、じゃあ、だからやめようと言うのではなくてね、でも、彼らの事業戦略の中でもう1つの柱をちょうど求めているタイミングだったとかね、あと、グローバルジャイアントを抱えているケースが多いわけですけども、大きなシェアを持った商品を抱えている、その彼らがどういう支援をしていて、自分たちはどういう支援ができるのか、言ったら、欧米なんかだとプロモーションをバンバン出すけど、自分たちは日系だし出せないよみたいな事情が現実的にはあるわけですよね。でも、そういう現実がある中、欧米と同じようなプロモーションをはき出せと言っているのではなくて、どこまでは最低限やらないとやっぱりいけないとかね、自分たちは、でも、欧米のような売上を求めていなかったりもするので、そうすると、ここまではやるけども、ここはできないとかね、それは条件だと思うんですけど、そういう交渉をする中で、どれだけ自分たちの売りたいところに並べるということが確実になるかということを詰めていくのが契約交渉までなんですよね。それが詰め切れたから契約を締結するという話なので。そうすると、必ずしも一番大きなところ、一番実績のあるところがそうとはならずに、少し中堅規模なんだけども、そっちのほうが良かったりとかね。

あと、タイの場合ね、セブンイレブンの場合、まずセブンと先に商談してしまって、セブン経由でディストリビューターを決めていくというのも、これ、われわれなんかがよくやりますけども、結局、重要なのはセブンなわけですよ。それだけ小売の影響力が強かったら、ディストリビューターなんてもう単なる御用聞きになっているという、そういう流通構造、国によってそうなってしまっているわけですよね。フィリピンだってそうですよね。SM、ピュアゴールド、ロビンソンズの3強だって言われてたら、中間流通事業者なんて単なる御用聞きですと。そうすると、その御用聞きがどれだけ小売に交渉できるのかと言ったら、われわれの前では「いやー、うちは小売とグッドリレーションがある」って言うけども、実際にどこまでなのかって言うと、交渉の場に一緒に行ってみたら分かるんですけど、単なる御用聞きになっているというケースが非常に多いわけですよね。そうすると、小売とメーカーが先に話をつけて、その小売の息のかかったディストリビューターを紹介させて、そこを通じて小売に並べると、中間流通マージンも少なくて済むし、そもそも小売がやりたいと言っている商品なので、ディストリビューターもぐだぐだ言わずに商品を流すという構造にもなったりするんですよね。

なので、ディストリビューターの定義ってね、小売の強い国だと、僕は小売から先に行ってそこ経由で、もう中間流通事業者に求める機能とか、そういうものっていうのは最低限なので、どうでもいいと、小売の指定したディストリビューター、これがふさわしいディストリビューターの定義になるし。でも、そうではないと、ディストリビューター主導で小売を攻めていくということであれば、必ずしも大きいディストリビューターではなくて、中堅クラスで自分たちがやろうとしていることにしっかりとコミットしてくれる、そして、スキルセットもマインドセットも両方が高い、そういうディストリビューターを実際には設定していくというのが実際です。

これもね、実際に自分たちでディストリビューターと交渉してくるとね、こういう系はもう駄目だなとか、ここはあるなと、これ、いろいろディストリビューター側も今、事情あるぞと、大きいプリンシパルの商品やってるけど、おそらく利益削られてあまり利益出てないんだなと、次の柱の商品つくろうとしているな、これ、オーナーがとかね。ディストリビューターは全部オーナーと話さないともう話にならないので、8割華僑ですから。いろんな事情が見えてくるので、これは交渉の場数を踏むということが一番なんですけど。そうするとやっぱり、これとやればいけるという、だいたいのこの傾向が出てくるので。その傾向に沿って進んでいくという、そういうかたちになってきます。

今日も話が長くなってすみません。これぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。