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タイ市場 自社主導のマーケティング

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も前回に引き続き、タイの市場参入戦略についてお話をしていきたいと思います。対象インダストリーは前回同様FMCG、日用消費財、食品・飲料・菓子・日用品等のFMCGになります。

タイ市場、自社主導のマーケティングということで、前回はCP一択がなぜ重要なのかというお話をしましたと。今回は自社主導のマーケティングということで、早速、スライドをお願いします。これは別にタイに限った話ではないんですけども、基本的に日本の消費財メーカーの多くは、マーケティングは自分たちでやっていますと、ディストリビューションはディストリビューターにやらせているんですと言いながら、マーケティングというのは定義が違って、プロモーションとかね、いわゆるタイ消費者に対するアクションに関してをマーケティングというふうに定義しているので、そういう解釈になるんだけども、マーケティングって、フィリップ・コトラーはもう初めから終わりまですべてマーケティングですから、商品の最初の企画開発から、実際に商品を売って、在庫して、代金回収、アフターサービスまでをマーケティングと言っていて。もっと言うならば、売れる仕組みそのものをマーケティングというふうに言うので、基本的に売れる仕組みをディストリビューター任せにしないということが大変重要であると。

ディストリビューター任せにすると、小売との直接の商談ができなくなって。タイは特にこの自社主導のマーケティングが必要だって言っているのはなぜかと言うと、小売の力があまりにも強くて、ディストリビューター自身がもうほぼ御用聞き状態になっているという市場の流通構造があるわけですよね。CPとセントラルの2強状態で、彼らが右と言えば、もう右と言わざるを得ないような市場でね、ディストリビューターにどこまでできるかと言うと、もうできることは限られていて。そもそもディストリビューターを使うというのは、本来、伝統小売の市場でディストリビューターというのは活用するもので、近代小売をメーカー自身が直接商談しないで何をやるんですかという話なので。基本的に小売との直接商談が大変重要ですと。その機会を他社に渡さない。あと、ディストリビューターというのは管理育成していかないと自分たちの思うようには動いていかないので、基本的にはディストリビューターの管理育成が重要ですよという、この3つについて少し分解してお話をしていきたいなと、事例を出しながらお話をしていきたいなというふうに思うんですが…。

これはね、タイの市場に限ったことではなくて。まず、ディストリビューター主導にするとどういうことが起きるかというと、小売との関係が構築できないですよね。小売のキーパーソンと人間関係がつくれて初めて小売との関係って始まるので、欧米の先進的なグローバル企業とかシェアの高い企業でメーカーが小売と直接コミュニケーション取ってないなんていうのは、私は聞いてことも見たこともないので、基本的に小売との関係構築はディストリビューターを通じていたらできないよと。ディストリビューターもやっぱり飛ばされたら怖いという意識が常にあるので、やっぱり極力出てこないでと、いろんな理由をつけて、やっぱり連れていきたがらないんですよね。この問題は非常にクリティカルなので、基本的には小売との関係はメーカー自身が自分たちで掴むということが非常に重要。今言ったように、ディストリビューターは飛ばされることを常に怯えているので、ディストリビューターのその先の二次店の流通が見えないとかっていうことも大いにあって。いや、主要な近代小売は直接やっているんだけども、実はそうじゃないようなところの近代小売は二次店を使っているとか、伝統小売なんかは完全に二次店を使っているなんていうケースがあるんだけど。この二次店の流通、地方は二次店を使っているとかね、地方スーパーとかね、この二次店の流通をブラックボックスにされる。だってこれが見えたらね、直接そっちに行かれたら怖いので、こういうのもやっぱり見えてこない。あと、もちろん自社にノウハウ溜まらないので、いつまで経ってもディストリビューターの言いなりという、下に書いていますけど、そういう状態になるし。あと、問題が起きたときに対策を打てないんですよね。ディストリビューターから遅れ遅れで問題を聞くと。すぐには問題は伝わってきませんから、問題がもう隠しきれなくなって初めて伝わってくるんですけど、そのときには結構時すでに遅しな状態になっていて。その問題が起きた要因も、何が真実なのかが見えない状態。結局、自分たちが分かっていないので、ディストリビューターの言うことをそのまま鵜呑みにするしかないという、ディストリビューターの言いなり状態が続いてしまうというのは大変よくありがちな問題としてありますよと。

あと、次のスライドをお願いします。これね、タイの大手のディストリビューターなんかだと、例えば下からメーカーの担当者、上に小売のバイヤーがいて、間にディストリビューターがいるわけだけども、ディストリビューターもメーカーの担当者と、下ね、下の青い文字、上の小売の担当者って、これ2人いるわけですよね。メーカーの担当者が直接小売に話をするんだったら、まだ伝言ゲームも1層、1階層で済むんだけども、大手のディストリビューターになればなるほどそうじゃないケースがある。ディストリビューターにとってどっちが重要か、メーカーと小売、これはもう絶対に小売なんですよ。なぜならば、お金を払ってくれるのは小売だから。メーカーからはモノを買うので、言ったら自分たちがお客さんなわけですよね。そうすると、メーカー側が「この商品はこういうビジョンで、こういう戦略で、こういうふうに売っていきたい、だから、こういうふうに」という、この熱意がどこまで小売に伝わるかってね、これは分からないですよね。分からないというか、伝わらないですよね。「Aだよ。Aでいこうね」と言って、「Aの方向で詰めてきてください、小売で」と言っても、小売のバイヤーの偉い人が「Bだよね」と言ったら、「はい、その通りでございます」って、御用聞きかというようなシーンを散々見てきていますので、基本的にはこういう状況が起きると。これはやっぱり直接メーカーがやり取り、コミュニケーションを小売と取らないと絶対駄目で、これはタイに限った話じゃない。でも、タイは特に小売が強いので、ディストリビューター主導をやめるということが大変重要です。

今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。