【Q&A】アジア新興国 チャネルの設計とディストリビューター比較に関して
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日も引き続き、皆さんから番組に寄せられる質問にお答えをしていきたいと思います。今日の質問、B2Cの製造業の方からの質問でございます。「販売チャネルは現地に行かないと設計できないものでしょうか。また、ディストリビューターは何社ぐらい比較をすべきですか」ということなんですが、販売チャネルは現地に行かないと設計できないか。イエス。設計できないです。そうですね、われわれが設計するときには必ずわれわれの部隊が東京から現地に行きますので。現地のメンバーと合流して、実際には情報収集するんですよね。情報収集した上でお客様の販売チャネルを設計するので、基本的に設計そのものは材料が集まれば、東京のここで、虎ノ門でやりますから、設計そのものはできるんですよね、東京で。ただ、設計をするためにはインプットを入れてこないといけない。情報を集めないといけない。競合の情報を集めて、競合がこうだからと、競合の競争力を100とした場合に、今、われわれのお客さんの競争力が50だから、なので、5カ年でこの50の差をこういうふうに埋めていきましょうというのが設計ですよね。そうすると、設計そのものは情報が集まればここでできるんだけども、その設計をするための情報は現地に行かないと集まらないので、基本的には徹底的に現地ということになります。かなり泥臭い、泥水被った調査をやって、情報を多角的に分析、収集して、分析して、設計をするということになるのかなというふうに思います。
ディストリビューターは何社ぐらいから比較すべきかなんですが、われわれがディストリビューターを決めていくときはね、まず全体として、マスターリスト、ロングリスト、ミドルリスト、ショートリストって段階的にギューッと絞り込んでいくんですけど、基本的にはあとで、「あっ、こんなにいいところが別にあった」みたいなことになりたくないですよね。その決めたディストリビューターが一番いいんだと。少しやってみて、あとでもっとこっちのほうが良かったねみたいな可能性を極力潰したいので、基本的にそのインダストリーのすべてのディストリビューターをまず並べてしまう。B2Cだったら、例えば食品メーカーだったら食品を扱うディストリビューターはすべて並べるし、非食品に食品を取り扱わせるとか、飲料系が強いところに食品を取り扱わせるってあまり向いてないんですよね。逆に言うと、飲料をやりたいのに、食品系のディストリビューターとか、日用品のディストリビューターを使う、これもまた向いていなくて、やっぱり飲料は飲料なんですよね。万に1つね、そこのディストリビューターのオーナーが、今は食品中心なんだけど、飲料に投資をしてドーンとやろうとしているんだというような機会があればいいけども、そうじゃない限り、基本は同一カテゴリーで狙うというのが一番なので、その同一カテゴリーのすべてのディストリビューターをまずリストアップする、ロングリストとして用意して、そこから絞り込んでいくので、最初のロングは全部ですよね。
最終的に、これは絶対評価で切っていくので、まだここは相対比較はしていないんですよね。絶対評価で自分たちはこういうことをしたい、ここに売りたい、いくら売りたい、こう売りたいと。そのスキルセットがあるところ、ないところを絶対評価で切っていってグーッと絞り込んでいって、このショートになったときに初めて比較論というのが出てくるんですよね。だって、絶対的な能力がなければもう比較する云々の前の話なので、絶対的な能力で全部切っていきます。
最終的にショートになったときに比較をするので、このショートになったときはやっぱり2~3社かなと思うんですよね。2~3社ぐらい。2~3社ぐらいと同時に交渉をしていきます。これは1社に絞り過ぎないほうがいいというね。なぜならば、1社に絞るとやっぱり早く契約しようと、ここと契約できなかったら終わりだみたいなね、終わりとまでは言わないけど、ここと契約したい、できなかったらまずい、そういう心理に人間というのはギューッと入っていくので。そうすると、条件交渉で負けるんですよね。それがやっぱり嫌なので、ある程度並行して進めていって、ここが、絞り込んでいくときに、契約締結までの最終的な調印までのこの何カ月とかって、ものすごく細かく交渉していくわけですよね。交渉というのは…。交渉じゃないですね。基本的にメーカーとディストリビューターの契約条件の中身なんていうのは、もう業界標準というのがあるので、日本企業の場合は業界標準にすら至っていないというような契約書を私はたくさん見ましたけども、業界標準があります。業界標準なので、契約書自体はどうでも良くて、その契約を締結したあと、自分たちが本当に狙っているアクションに具体的にどう移りますかというところをしっかり握っていくという、これが僕が本でもこの番組でもずっと言っている攻めの契約なんですけど。そういうことをしていくのに3カ月ぐらいやっぱりかかるわけですよね。それの相手としては2~3社ぐらいとやっていく。これをやっていく中で、「そこまで大変そうなんだったら、ちょっとやめようかな」みたいなことを言い出してくるね、ここで初めて、「いいと思っていたのに」みたいなのが出てくる可能性もあるんですよね。そうなったときに、「ああ、分かった、分かった。そんなこと言わないで。じゃあ、ここまで妥協するから」みたいな話になると困るので、オプションを持っておくということはすごく重要で。
僕らがやるときはね、向こうに選ばれるんじゃなくて、こっちが向こうを選ぶというスタンスを、これは傲慢に行くとかじゃなくて、やっぱり常に向こうに抑止力として感じさせながら交渉する。これがテクニックなわけですよね。向こうもこのディールを獲りたいと、向こうにとっての魅力を伝えていくわけですよね。われわれはあくまで日本のメーカーサイドのコンサルタントなわけですけども、このメーカーの商品をあなたたちディストリビューターが取り扱うことは、あなたたちの向こう10年15年の将来においてもこれだけメリットがあるということを客観的な立場から証明していくので、ある意味彼らに寄り添うシーンもあるわけですよね。これが、メーカーがディストリビューターと直接交渉するのとコンサルを挟むのの大きな違いなわけですけども。そういうことをやっていく中でね、やっぱりわれわれは常に2~3社、われわれの場合、「交渉していたんですけど駄目でした」なんていうのはお客さんに言えませんから、やっぱり2~3社ぐらいを比較をしてやっていくというケースが多いんじゃないかなというふうに思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。



