東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:森辺さん、最近色々な相談をお受けになってると思うんですけども、お客さんからどんな相談が多いのか、言える範囲でシェアいただければなと思うんですが。
森辺:基本的に弊社に相談をしてくるクライアントさんっていうのは、製造業であるというのが一つですよね。なので相談の内容としては、製造業が抱えてるような悩みがほとんどですと。
その中でもやっぱり、7割がたが消費財メーカーさんなので、消費財メーカーさんが大きなウェイトを占めてますよと。消費財でも生産財というか、B to BでもB to Cでも、我々の会社にご相談して来るっていうのは、ほとんどが既に現地で展開をしている会社というのがやっぱり大半で、その中で5年10年やってきたけど、中々マーケットシェアが上がらないんだと、販売が伸びないんだと。もしくは、落ち込み始めたというのが、相談の大半ですかね。逆に、我々もそういう売り上げをどうやって上げるとか、マーケットシェアどうやって上げるみたいなお仕事が専門じゃないですか。なので、そういう相談がやっぱり多いですかね。
東:それはもうちょっと具体的に言っていただくと、どういった現象が起こってるのかっていうのは、どんな感じなんでしょうか。
森辺:結構ご相談に来られる企業さんの大半が、もう20年前とかにアジアでは販売をやってるんですよね。ただ、当時アジアはそんなに大きなマーケットではなかったので、基本的には海外の代理店さんから「売りたい」というお話しを当時貰って、そこそこしっかりしてるんでやらせましたと。その中で20年来て、その国で数十億作ったと。メーカー側としては、そこに何か本腰を入れてね、どうこうするっていう事もおそらくして来なかったんでしょうね。
ここに来て、欧米なりアジア地場のメーカーの競争力というのが上がってきてるわけじゃないですか。昔は日本の企業しか作れなかったから、基本的にお金のある人はそれを買うという選択肢しか無かったんでしょうけど、中々今は選択肢が増えたのでマーケットシェアが落ち込んで、それに対して何を対策をして良いのか。一体自分達がそもそも何をできていて、何ができていないのかっていうことも、分かっていない企業さんが多くて。基本的には海外から一番最初にお話しをいただいたディストリビューターさんなり代理店さん任せなので、どうして良いか分からない、っていうのが、ご相談の大半ですよね。
東:そこが結構欧米の先進企業との大きな違いで、20年前と30年前に彼ら達はそこに手を突っ込んで、自社が関わりながら管理をしていったっていうのは大きいんですかね。
森辺:大きいですね。
東:日本企業が、ここ数年とか10年ぐらいになって、グローバル経営とかグローバル人材とか色々話が話題に上がってますけど、本腰を入れたタイムラグが結構あるということですかね。
森辺:そうですね。そのツケを今やってるっていうのが大きいんじゃないですかね。
東:そうするとイメージとしてやっぱ欧米企業が進んでて、それの次に日系が来たのが、結構現地の地場のメーカーに追いつき追い越されてる。結構消費財だと
森辺:完全に追い越されてますよね。
東:タイとかインドネシアなんかは大きな企業があるじゃないですか。そこで何もせず管理して…あまり来なかったっていう企業さんが多いというのは、印象としてあるんでしょうか。
森辺:そうですね。なので、今まさにそのツケを払ってるという、そういう状況で。でもやっぱり、多くの企業さん共通して言えるのが、どこに問題があるのかっていうことが、観点として見えてないのがやっぱり多くて。そこから何で、結構ベーシックな感じですよと。
20年も前に出てるのに、ほんとに何もして来なかったんですよね。それで全然構わなかったんでしょうね、日本の国内の市場が大きかったし、アジアのそんなお金の無い市場でいくら手を入れたってっていう、そんな世界だったじゃないですか。だから、そういうことだと思いますけどね。
東:なるほど。そうすると、まず現状がしっかりと把握ができてないっていうところが非常に問題で、そこをクリアしないと次のステップに行けないと。
森辺:そう。その通りですね。結構な大手さんでもそんな状況なので、まだまだこれから、というとこだと思いますけどね。日本の消費財メーカーなんかは。
4Pで言うとね、PはOKなんですよ、プロダクトは。プロダクトはOKなんだけど高くて、現地の企業との価格差が開いてきて、その中で中々売れなくなってきていて、現地の企業の製品優位性が上がってきてる中で、どうしたら良いんだろうっていう…そういうのが多いですよね。
東:分かりました。じゃあちょっと今日はお時間が来たのでここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。